保守政治家と経済政策は相性が悪い

衆議院選挙を間近に控え、各党とも自党の宣伝に余念がない。自民党は、経済界からも支持されているように、他党と比べるとビジネス感覚がある。

しかし、欧米先進国の政策と比べると経済政策はいまいちだ。既存の利益団体に風穴を開けるような思い切った規制緩和は日本ではなかなか行われない。いまだに解雇規制は残ったままだ。

安全保障・外交の分野でめざましい活躍をしている安倍政権だが、日本の伝統を重視する真正保守の政治家が政権にある間は、思い切った規制緩和は難しいのかもしれない。※安倍総理は、保守の人たちから期待されてきた、保守の理念を抱く政治家である。

保守の人たちは日本の伝統的な国体を重視する。国体とは簡単にいえば、国のかたち、国の個性・アイデンティティだ。そして、日本の国体を表す言い伝えの一つが、仁徳天皇の「民のかまど」ではないか。

「民のかまど」の概略を示すと、

仁徳4年(西暦315年)、仁徳天皇は町々を眺めて、民のかまどから煙が上がっていないことに気付いた。これは民が貧しいからではないか、と思い、税金を3年間免除した。

3年後、町からかまどの煙が上がるようになるのを見て、仁徳天皇は喜んだ。仁徳天皇にとって、民こそが大事なものだからである。その間、仁徳天皇の住居はぼろぼろだったが、さらに3年の税免除を続けた。

というものだ。詳しくはこちらのリンクを参照ください。→聖帝・仁徳天皇  民のかまどは賑いにけり

このような日本の精神を大事にする政治家には、解雇規制の緩和やダイナミックな資本主義の導入は本意ではないと思う。これらは統治者が民の懐状況を心配するような共治の考え方とは相性が悪い。

私個人としては、日本にも先進国と同様の苛烈な資本主義を導入して欲しい。しかし、安倍総理にこういった政策を期待するのは無理だろう。安倍さんがこういった政策を導入したら、安倍さんが安倍さんでなくなってしまうような感覚がある。

日本がより競争的な資本主義を導入するのは、安全保障上の安定を手にいれた後の、ポスト安倍政権になってからだろう。

コメント

  1. 竹槍 より:

    次の総理総裁は誰がいいと思いますか?現在、次期総裁候補のポジションについていて、かつnextir35氏の条件に当てはまる政治家は河野太郎外相あたりではないかと、私は考えますが。

  2. nextir35 より:

    >竹槍さん
    安全保障上の問題が残るなら、私は安倍総理続投がいいです。
    河野太郎さんも外務大臣として活躍しておられて、期待大ですね。逆に岸田元外務大臣が総理になるのは嫌ですね~。
    将来的には、佐藤正久さんや和田政宗さんなど保守の方にもっと上の方に来ていただきたいです。