とっつきにくい「政治」に親しむためのノウハウ

政治は私たちの生活に本来密接に関連しているものなのに、多くの人は政治に積極的に関心を持っていない。

日本の政治には、独特のとっつきにくさがある。政治が敬遠される原因となる、この「とっつきにくさ」をこの記事では明確にしてみたい。

次いで、政治に無関心になりがちな要因を挙げた後、政治に関心を持つことのメリットとノウハウを説明したい。

最後に、普通の暮らしを送ってきた多くの日本人が触れずに過ごしている保守の価値観を伝えるメディアを紹介したい。

政治のとっつきにくさ

まずは、何が政治をわかりにくくし、政治初心者を政治から遠ざけているかを書いてみたい。

罵り合いを避けることはできない

政治の世界に首をつっこむ時、罵り合いを見ることは避けられない。複数の政党や政策のどちらも正しいということはありえないので、一方が一方を批判するのは政治の世界では当たり前のことだ。

しかし、通常の生活を送っている一般人にとっては、この常時罵り合いが存在する世界は精神的にストレスかもしれない。

政治の世界は、バラエティのように和気あいあいとはしていないし、スポーツのように見てスカッとするものでもない。対立する陣営がわかりにくい表現で罵り合っている世界である。人の悪意を見せつけられる世界でもある。

テレビは問題をわかりやすく説明しないし、報道は中立的ではない

あなたはテレビのニュース番組を見て、現在問題とされていることの何が問題なのか理解できるだろうか?大部分の人は理解できないに違いない。

というのも、テレビは問題の所在をわかりやすく説明しないし、場合によっては何も問題が無いのに、問題があるかのように見せかけることもしばしばだからだ。また、テレビは中立を装っているかもしれないが、決して中立ではなく特定の思想や政党を応援するために偏った報道をしている。

日本の政治家は世界情勢に応じて、政策を考えるものだが日本のテレビはそもそも世界のニュースをほとんど報じていない。この点も、政治をわかりにくくしている。

テレビのニュースをまじめに見ても、政治のことはよくわからない。

用語の意味が曖昧だ

政治の世界で使われる言葉の意味は曖昧だ。政治家の立場を表すために使われる「保守」「リベラル」という言葉からして意味が曖昧だ。

さらに自党を有利にしたり、他党を貶めるために使われる印象操作をふくむネーミングも政治をわかりにくくしている。平和安全法制が戦争法案と呼ばれたり、テロ党準備罪が共謀罪と呼ばれたりする。

憲法9条は日本の軍備を縛り、日本を危機に導く可能性の高い罰ゲームのような憲法だが、一部の人たちは平和憲法という誤解を招く呼称を使用している。

用語の曖昧さ、ネーミングによる印象操作を乗り越えて、人々が何をどんな意味で語っているのか理解しないと政治は理解できない。

政治家は本音を語るとは限らない、我々は文脈を読む必要がある

政治家は本音を語るとは限らない。というのも政治家は選挙に勝たなくてはならないし、政策はいくら素晴らしいものでも実現できなければ意味がない。

なので本当に実現したい政策の実現が難しいと判断した場合、政治家は次善の政策を掲げる。この場合、政治家は次善の政策を次善の政策だとは言わない。この辺は、我々がそれまでの経緯や現況から文脈を読む必要がある。

政治家の発言が本気かどうかを精査する必要がある

政治家は公約を掲げるが、本当に実現する気があるとは限らない。選挙で人気を得るために、とりあえず言ってみただけかもしれない。

なので我々が政治家を評価する際には、どんな政策を掲げているかだけではなく、本当に実現する気があるのかどうかも評価しなければならない。

登場人物が多い

政治の世界は、小説や漫画の世界と比べて登場人物が多い。政治家、物書き、新聞記者、タレント・・・。多数の登場人物が登場する。

誰がどのような性格で、過去にどのようないきさつがあったのか。これらのことがある程度頭に入らないと政治の世界はよくわからない。

日本の置かれた特殊な状況を理解する必要がある

日本は特殊な状況に置かれている。きちんとした軍隊や交戦権を持っていない。第二次世界大戦に負けた後、戦勝国に押し付けられた歪んだ価値観を墨守している。

この状況を理解しないと、左翼と保守の対立は理解できない。安倍晋三総理大臣が最初に総理になった時に掲げた「戦後レジームからの脱却」というフレーズには、この戦後の特殊な状況からの脱却という意味合いが含まれていた。

また日本を取り囲む世界情勢も理解する必要もある。日本の隣国である中国と北朝鮮は独裁体制をしき、いつ日本を侵略しようとしてきてもおかしくない。

現在の日本国内だけを眺め、学校の教科書やテレビが垂れ流す価値観を盲信していては、何が本当の政治的な論点なのか理解できない

世界で何が起きているか、歴史上どのようなことがあったのか。教科書やテレビが報じない出来事を知っていく時、精神的な苦痛を感じるかもしれない(気分を害する事実や残酷な出来事も数多くあるから)が、それらを知って初めて右と左の対立の意味がわかってくる。

政治に対する無関心を生みやすい要因

次に、普通の人が政治に無関心になりやすい要因を挙げてみる。

本質を語らない報道

さきほども似たようなことを書いたが、テレビのニュースは政治の世界で何が本質的な問題なのかきちんと報道しない。

逆に不倫や失言など枝葉末節をしきりにクローズアップして報道し、視聴者が政治に無関心になることを助長している。これでは人々が政治に無関心になってもしかたがない。

自分の投票が選挙結果を左右しない

小さな地方自治体の選挙を除いて、自分が投票してもしなくても選挙の結果に影響はない。

これも政治に対する無関心を呼ぶ。

どの政党が統治しても自分の生活は変わらない

自分の生活がよくなるか、悪くなるかには自分の努力や決断がもっとも大きな影響を及ぼす。

政治の世界でどの政党が与党になろうが、個人の生活が大きな影響を受けることは基本的にはない。特に経済面ではそうだ。

これも政治に対する無関心を呼びやすい。

自分にぴったりの政策を掲げる政党はない

あなたはこういう政策が実現されればいいという理想の政策を考えているかもしれないが、それにぴったり一致する政策を掲げる政党を見つけるのは難しいだろう。

一部の政策では支持できても、他の政策では支持できなかったりして、自分の嗜好にぴったり一致する政党や政治家を見つけるのも難しいだろう。

特に日本には「小さな政府」を掲げる政党が少ない。これも政治に対する無関心を生むかもしれない。

政治に関心を持つことのメリット

政治がなぜとっつきにくいか、なぜ人々が政治に無関心になりやすいかを書いてきた。

ここでは政治に関心を持つことをのメリットを挙げたい。

安全保障上、他国から自分を守ってくれるのは国家だけだから

個人と個人が争う場合、身体を鍛えたり、武器をもったり、弁護士を雇ったりして対抗手段を見つけ出せるかもしれない。

しかし、国家と国家が争うことになった場合(戦争)、あなたがいくら身体を鍛えても意味がない。現代の兵器に普通の個人が対抗するのは無理である。他国に対抗するには、あなたが日本という国から逃げ出すか、日本という国にしっかりしてもらうしかない。

日本がしっかりとした国家として存続するか否かは、どんな政治家を選ぶかが大きく影響する。日本はきちんと防衛力を高めて、他国から侵略されないようにすべきだという政治家がいる一方で、日本は他国からの脅威にはさらされていないという見解を示す政治家もいる。他国が日本を不当に脅してきても、下手に出て反抗しないようにするべきだという政治家もいる。後者のような政治家が日本を統べれば、日本は国家として存続できなくなってもおかしくない。

ここに書くまでもないが、北朝鮮や中国の軍事的脅威に日本はさらされている。

政治は自分の経済状況に影響するから

上のほうに、自分の生活の暮らし向きがよくなるか悪くなるかはほとんど自分しだいだと書いた。

実際、90%は自分しだいだが、残りの10%は政治による環境の影響も受ける。だから、自分の暮らし向きがよくなる政策をかかげる政党や政治家を選んで投票した方が、いい暮らしをできる確率があがる。

政治は個人のプライドにも影響するから

個人の自尊心と政治は無関係だと思うかもしれないが実際は多いに影響している。

現在の世界には、日本を貶めるための偽の歴史を広めようとしている人たちがいる。彼らの主張が事実とされると、日本人はしてもいないことで謝ったり、蔑まれたりすることになる。

歴史をどのように解釈するかは、政治の意向によって変わってくる。必要以上に日本人を貶めるような歴史教育を受ければ、私たちは自尊心を不当に傷つけられることになる。

場合によっては、自分だけでなく、自分の先祖や子孫の名誉にも政治は影響することになる。だから、変に自虐的な歪んだ考えの政治家を選ぶより、客観的で事実に基づいた考えの政治家を選んだ方がいい。

子孫にすばらしい未来を残すにはしっかりした政治が必要だから

あなたが子どもを持っていれば、子どもには素晴らしい生活を送ってほしいだろう。

次世代の日本人が活き活きとした暮らしを送れるかどうかには、政治が大きく影響する。

既に、経済、安全保障、自尊心と政治が関わりを持つと書いたがこれらは幸福な生活に必須の要素だ。

政治に親しむためのノウハウ

以上、政治がなぜとっつきにくいか、政治に無関心になりやすい理由、政治に関心を持つメリットを書いてきた。今度は政治に親しむためのノウハウ、心構えを紹介したい。

罵り合いに慣れる

政治の世界では罵り合いは文化のようなものだ。そういうものだと思って慣れるしかない。

あなたは優雅な人で、誹謗中傷が渦巻く世界に嫌悪感を抱くかもしれないが、悪口の言い合いがある程度存在することには我慢するしかない。

テレビメディアから離れる

政治を理解するには、テレビは見ないほうがいい。

ネットメディア(ネットの動画、ブログ、twitter、フェイスブック)の方が政治を冷静かつフェアに報じている。

普通の人はテレビや教科書を通じて、左寄りの価値観に慣れ親しんでいるので、ネットメディアや書籍・雑誌を通じて、保守の価値観に触れてみることをおすすめしたい。

保守の価値観に親しむことで、ようやくあなたは左と右の両方の主張に接したことになる。

2年くらいは継続的に政治の世界を眺める

政治の世界には登場人物が多いので、すぐにはどんな人物がどんな風に存在しているかわからない。

2年程度は、継続して政治の世界を眺めてみるのがおすすめだ。

bestではなくbetterを探す

自分の嗜好にぴったりあった政治家や政党を探すのは難しい。なので、ここは大人になって、よりよい政治家や政党を選ぶように心構えを変える。

最善がなければ次善を探すのだ。

政治家と交流してみる、政治家を積極的に応援してみる

現代では、多くの政治家がSNSアカウントを持っている。SNSアカウントを通じて政治家に意向を伝えたり、質問をしてみることも可能だ。

素晴らしいと思える政治家がみつかったら、後援会に入るとさらにその政治家を後押しすることができる。

ネットと実生活のどちらでもかまわないので、政治に能動的に関わってみると興味がさらにわいてくる。

おすすめの保守メディア

地上波のテレビを見て育ち、義務教育を受け終わっているのならば、左寄りの報道や価値観には十分接したことになる。

政治の世界に親しむために、右寄り(保守)の報道や価値観にも触れてみることをおすすめしたい。右と左、それぞれの主張を知って初めて、何が政治的な論点なのか理解できるからだ。

※政治の世界には、左右の対立以外にも、どのような経済・財政政策を採るべきか等についても論争があるが、この記事では割愛した。

twitter

twitterは政治的な言説が盛んに交わされているメディアだ。右寄りの価値観でつぶやいているアカウントを紹介したい。

500円@_500yen(個人)

DAPPI@take_off_dress(個人)

岩田温@iwata910(政治学者)

西村幸祐@kohyu1952(保守系物書き)

FACEBOOK

facebookで右寄りの価値観を発しているアカウント。

山田賢司(国会議員)

小川榮太郎(文芸評論家)

阿比留瑠比(産経新聞記者)

一色正春(元自衛官)

ネット動画

ネットで鑑賞できる保守系の動画。

虎ノ門ニュース

KAZUYAchannenl

ブログ

小坪しんやのHP

ダークネス

書籍(著者名)

ケント・ギルバート

高山正之

百田尚樹

渡部昇一

コメント

  1. 謎man より:

    こんばんは。
    nextir35さんの政治的な記事は楽しく読ませていただいております。
    私も、
    百田氏、ケントギルバート氏の政治的思想は素晴らしいと思いますが、
    石平氏も素晴らしいと思います。
    「教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか? 」は、小学生・中学生の息子も読んで、色々と考えたようです。

    nextir35さんは石平氏はどう評価されますでしょうか?

  2. nextir35 より:

    >謎manさん
    コメントありがとうございます。石平さんもすばらしい保守の論客だと思います。著作はまだあまり読んでおらず、もっぱらtwitterや虎ノ門ニュースで石平さんの発言を見聞きしています。
    小中学生のご子息に石平さんの著書を読ませるのはすばらしいですね。見習いたいです。