FUNDINNOというサイトで非上場企業に投資をすることができる。
このサイトで出資を募集している企業は最終的に上場を目論んでいる。昨今の新規上場企業の公募価格と初値の差を見てもわかる通り、本当にIPOまで行ければかなりの利益を期待することができる。
しかし、私はどちらかというとFUNDINNOで非上場企業に出資をして儲けようと試みることに反対である。理由は、
- 本当に見込みのある企業ならベンチャーキャピタルから出資を受けられているはずだ
- 流動性に乏しい(譲渡制限があることがある)
- 閲覧できる資料が少ない
である。
本当に有望なのか?
FUNDINNOでは、出資前の株主状況を見ることができないので、ベンチャーキャピタルの出資があるのかないのかわからないが、本当に上場まで行けそうな有望な企業であれば、ベンチャーキャピタルが出資をして、十分な出資を受けられているのではないか。わざわざ個人投資家から資金を募るのは、それほどイケていないからではないか。
FUNDINNOでは、企業がこれまで行った資金調達や既存株主を見られないので、ベンチャーキャピタル等がこれまでどのようにこの企業を評価・出資してきたのか知ることができない。
流動性に乏しい
非上場企業の株を買うのであるから、上場企業の株のように好きなときに売ることはできない。譲渡制限がかかっている場合、当該企業の承認を得ないと株を他者に売ることができない。なので数年後のIPOまで資金を拘束して待つことになる。
事業を拡大してIPOを目指すのであるから、基本的に配当は無い。
また、投資に関するリスク・留意点等の第二条に
2. 株式投資型クラウドファンディング業務において取り扱う店頭有価証券(非上場株式)の取得に当たっては、配当及び売却益等の金銭的利益の追求よりむしろ、当該店頭有価証券(非上場株式)の発行者及びその行う事業に対する共感又は支援を主な旨とされることとしております。
と書いてあるのも不気味である。投資家が利益を追求するためというより、共感の発露または支援として出資するというのである。
閲覧できる資料が少ない
FUNDINNOで投資の対象となる非上場企業は、新規IPOする企業とくらべて閲覧できる資料が少ない。また、公認会計士等の監査を受けていない。
貸借対照表と損益計算書は直近のもののみ見ることができる。貸借対照表の項目の詳細(たとえば有形固定資産の内訳)はわからない。
投資後の財務諸表等の開示がどのように行われるのかわからないが、上場企業が課されているような厳格な開示はないのではないか(どなたかご存知でしたら教えてください)。
真の金持ちが道楽でやるべき
これまで書いた理由から、FUNDINNOで非上場企業に投資をするのは、一か八かを楽しむことができる真の金持ちにのみおすすめしたい。
まだまだ弱小投資家だという人にはおすすめできない。
※しかし、これまでの募集案件はかなり資金調達できており、投資に応ずる人はたくさんいるようである。