富裕層への富の集中はいかに民主主義社会を危機に陥らせるか

超富裕層への富の集中がアメリカを破壊するという記事を読んだ。元CIAの職員という肩書の著者(Glenn Carle)の論旨はわかりにくいが、富が富裕層に集中すると、

  1. 「1人1票」の原則は「1ドル1票」に取って代わられる
  2. 大富豪がメディアを傘下に収めて「事実」をゆがめて発信させ、世論を操作する
  3. 富豪に権力が集中し、結果として民主主義がゆがむ

ということが言いたいのでないかと思う。全体的に左翼的な立場に立った記事である。

富が一部の人に集中することが民主主義社会を不安定にするかもしれないという点については同意できる。

しかし民主主義社会のシステムは、社会を不安定化させるというより安定化させる働きをするのではないか?

というのも、著者が言う「1人1票の原則」はあくまで「1人1票の原則」であって、「1ドル1票」になっていないからである。

「1人が1票」選挙権を持ち、大勢の人間が貧しい社会が到来すると、政治家は選挙に勝つために経済左派的な政策を選ばざるを得なくなる。

そして経済左派的な政策が、社会の緊張を緩和し、混乱を防ぐのである。

仮に経済格差が大きい民主主義社会に社会的な緊張が出来するとすれば、それは共産主義的な理想を扇動する言説が人気化し、非合法な方法で富豪から民衆が富を奪おうという動きが出て来る場合である。

この元CIAの著者は、コラムの最後で下記のように書いている。

国富の半分近くが人口の1%に集中し、23%が「下位」90%の人々の手にある状態は、民主主義と経済に対する戦略上の脅威だ。長期的にそれはアメリカにとって北朝鮮問題よりも、南シナ海情勢よりも、イランの情勢不安よりも深刻な脅威となるだろう。

なぜなら歴史をみれば、これから起きることは予測が付くからだ。富の格差が拡大すると(実現済み)、社会の緊張が高まり(実現済み)、これまでにないほど民主主義が緊張にさらされる(実現済み)。その次は、為政者のクビが飛ぶ。しかも暴力的な方法で。

この書きぶりは、アメリカ人に対して、民主主義的な方法を取らずに、暴力的な方法で為政者のクビを取るように煽っているように見える経済的な格差が大きい社会が民主主義社会に危機をもたらすのではなく、経済的な格差が大きい状態を著者が利用して、民主主義社会に危機をもたらそうとしているのである。

著者はロシアかどこかの回し者ではないのか。

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