漫画版も含めて「君たちはどう生きるか」が売れているようだ。書店でよく見かける。どんなものかと思って漫画版を買ってみたが、ユートピアチックな理想を説く左翼寄りの漫画だった。共産主義や社会主義を賛美こそしていないものの、それらを紹介する一歩手前まで読者を誘導するような感じだ。
しかし日本では大東亜戦争敗戦後、地政学が忘れ去られ、性善説と「人は変われる」という前提に基づいた理想主義的な言説がはびこってきたので、「君たちはどう生きるか」的なお話しは供給過多である。
日本に必要なのはリアリズムに基づいた世界についての知見だ。そういう意味で、私は鈴木傾城氏のブラックアジアをおすすめしたい。
ブラックアジアは記事のうち半分くらいが有料コンテンツとなっている。年会費は5,000円で過去記事は読み放題である。まぐまぐ等の有料メルマガだと過去記事を読む場合は別途お金を払わなければならないので、過去記事読み放題で年5,000円は安いだろう。
ブラックアジアはどんな内容なのか
ブラックアジアは、世界各地のアンダーグラウンド情報を紹介するブログである。具体的には、暴力、戦争、抗争、売春、ドラッグ、貧困、人身売買、マフィアなどがよく話題になる。タイトルにアジアと入っているが、カバーしている地域はアジアに限らず、欧州、中東、アメリカ大陸、ロシアなども含む。外国だけでなく日本のアンダーグランドも筆者の調査対象である。
画像や動画も豊富で、殺人や暴力、レイプなどについて映像ベースで情報を得ることができる。暴力的な映像が苦手な人は「閲覧注意」という表記がある記事はスキップした方がいいだろう。
暴力や売春などを紹介しているからといって、著者はそれらを奨励しているわけでは当然ない。ただ世界のありのままを読者に紹介している感じである。
ブラックアジアを読むとどんないいことがあるか
日本で生まれ、暮らし、日本の報道に接していると世界がとても清潔で安全で善意に満ちたもののように思えてしまう。しかし実際は、世界の大部分はいまだに未開で、たとえ先進国であっても暴力に満ちている。暴力と無知が支配的な地域は多くあり、女性や子どもが商品として売られたり、殺されたりしている。そういった地域ではしばしば取材者も殺されてしまうので、報道がそもそもなかったりする。
多くの国が貧困にあえいでいる。大半は、日本人になじみの薄い国だ。貧困に陥り、産業もない国の住民がどのような状態になるかについて知ることも非常にためになるだろう。
日本の地上波放送は、外国ニュース自体が少なく、あったとしても中国・韓国・アメリカ・欧州について、表面的な報道がなされるだけなので、海外に対して視野が狭くなってしまうし、常識を欠落してしまう。
ブラックアジアを読むと、世界に対してより現実的になり、適切な警戒心を抱くことができる。人間も社会も不完全であり、適切な教育を受けていなければ人は獣とさして変わらないということがわかる。
なので暴力などの被害を受けやすい女性や、世界で活躍をしたいと考えるエリート志向の若者にこそ読ませたい内容になっている。
無料記事だけにせよ、有料記事も購読するにせよ、ブラックアジアは世界の現実を知るための有益な教材だ。
コメント
ブラックアジア、気になります。
一部の無料記事を読みましたが、変な海外信仰のようなものがなくなって現実的になれるのが良いですね。
また、このブログで鈴木氏のことを知り、メルマガを購読しはじめました。
バックナンバーが数年分あるので、少しずつ買っています。
鈴木氏の米国株投資論は私の価値観にドンピシャだったので、お金貯めて米国株投資を始めたいと思っています。
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また、nextir35さんの性愛に関する記事を楽しみにしています。
「買春は若いうちにやりこんでしまった方がよい」がお気に入りです。
私は変に潔癖で、ロクな女性遍歴を重ねないまま30代になってしまいました。
カネで買った女としか寝たことがありません。しかも貧乏なので数回しかないのです。
もう若いと言える年ではないのですが、なんとか経済的苦境を脱して、セックスに関する好奇心を満たせるようにしたいです。
>りんごさま
コメントありがとうございます。鈴木傾城氏の投資法は王道を行くものですね。
お金あるなら国際協力のNGONPOに寄付するか現地で物資配ってください
>匿名
貧しい人にお金を配るのは、きりがないですよ。底が抜けたバケツに水滴をそそごうとするようなものです。
だから一切そういう寄付はしていません。
それに貧しい人に寄付をするなら、まだ近い所に住んでいる人にしたほうがいいのではないでしょうか?