過激な政治的言説のアンカリング効果

桜井誠氏率いる日本第一党あたりは保守層の中からも敬遠する声があります。

日本第一党の主張に関しては賛同できないものもありますが、私は彼らにもがんばってもらいたいと考えています。次の統一選挙で市町村議議席を少なくとも1つは獲得してほしいです。

極右とも評される彼らをなぜ批判的に見ないかと言うと、私は過激な政治的言説にはアンカリング効果があると考えているからです。

アンカリング効果とは行動経済学の用語ですが、

アンカリング効果は、心理効果の一種であり、最初に提示した価格や情報が消費者の購買判断の基準に大きな影響を及ぼす傾向をさします。

引用元:https://blog.kairosmarketing.net/marketing-strategy/anchoring-effect-140502/

たとえばあなたが土産物屋だとして、値切ってくる客に対して、最初に値段を1000円と提示するか、500円と提示するかで最終的な価格が変わってくるわけです。顧客が、だいたい20%ぐらいは値引けるかなと考えているとすると、最初に1000円と提示した場合は値切り交渉の落ち着きどころが800円になり、500円と提示した場合は落ち着きどころが400円になります。

これと似たような効果が過激な政治的言説にもあると思います。

桜井誠的な人物が過激度10の発言をしている場合、穏健な保守はそれを見て、「じゃあ俺は過激度6ぐらいのことを言っても大丈夫か」と判断するでしょうし、桜井誠が過激度6の発言をしていたら、穏健な保守は「俺が言っても大丈夫なのは過激度4くらいかな?」と判断する、こともあると思います。

政治的に過激な発言がなされてきたおかげで、過去には言及するのがタブーだった事柄が、現代では言及しても何の問題もないようになってきていることは多々あるわけで、私は一概には極右と呼ばれている人たちを否定できない心情です。