婚活で最良の相手を探すのはうまいラーメン屋を探すのに似ている

うまいラーメン屋が複数あるとする。ラーメン店はそれぞれグルメサイトで点数がつけられ、80点だったり、85点だったり、95点だったりと点数に差がある。

普通の人がそれらのラーメン店に食べに行って、その点数の差について自分の舌で説明できるかと聞かれたらできないに違いない。80点のラーメンも、85点のラーメンも、95点のラーメンも、感想は「美味い」であって微妙な差なんて感知できないし、そもそもそこまでこだわっていない。満腹して美味しいものを食べたという記憶が残って終わりである。

妙齢の男女は自分にとって最高の相手を見つけようと婚活を頑張るのだろうが、結婚相手選びも上手いラーメン屋を探す行為に似てくるのではないだろうか。

結婚相手は自分の実力というか格に合った相手から選ぶことになるので、ラーメン屋選びとは違って相対的な点数になるけれども、自分が想像する80点の相手と85点の相手と95点の相手と夫婦になったとして、それぞれの違いを継続的に認識できるかといえばできないのではないか?

どの相手と結婚して夫婦になっても結局「いい相手に恵まれたな」で終わりであって、「さすが95点の女だなぁ」とか「80点の女はやはり90点の女には及ばないなぁ」などとは思わないのではないだろうか?

だから自分が満足できるラインより上の相手と結婚できそうになったら、ほどほどのところで「最高の相手選び」は止めて結婚した方がいいのではないか?

というのも、結婚してからやることはたくさんあって、早く結婚した方が達成できることは多いからである。入籍して、指輪を買って、式を挙げて、旅行に行って、引越をしてとイベントは目白押しである(式も旅行もしなくていいと私は思うが)。

その後はたいてい子供を作る。一人作ったら二人目はどうするか考える。子供以外にも不動産はどうするのかとかやることはたくさんある。昔は20代半ばで結婚するのが普通だったけれど今の人は30代前半で結婚するのが平均的だから、その分だけ時間がビハインドしているわけでのんびりしているとあっという間に老いてしまう。

子供が小さい間は子育ては大変だなと思うけれど、一旦子供が大きくなると、「え?もう終わり?なんだか寂しいからもっと子供を作ろうか」となる(かもしれない)。結婚が早ければまだ子供を作れるけれど、結婚が遅いと肉体的に子供を増やすのは無理になる。

そういうわけで、最高の相手選びは最高のラーメン屋選びと似ていて、ある程度の点数以上の対象は効用にほどんど差がない。だからさっさと相手(店)を決めて次の作業に取り掛かったほうがいい。