人間は有史以来、有形無形の無数のものを発明してきた。テクノロジー、コンテンツ、法制度、文化、観念などなどだ。
近年のほとんどの先進国では出生率が2.0を割っている。日本を含む東アジアは特に低い(日本:1.46、韓国:1.24、台湾:1.17、香港:1.21)。
人間が作り出したさまざまなものを眺めてみると、出生率増加に寄与したものはほとんどないことがわかる。
医療は既に生まれた子供が死なずに大人になる確率を上げたが、出生率自体は上げていない。
テクノロジーは出生率上昇に寄与していない。自動車もパソコンもスマホもコンドームも出生率は上げていない。ED薬等は多少上昇に寄与したかもしれない。
コンテンツは出生率上昇に寄与していない。映画も音楽もアダルトコンテンツも雑誌もゲームも出生率上昇に寄与していない。
法制度は出生率上昇に寄与していない。子供を持つこと=結婚、離婚=財産分与などの法整備は出生率上昇に寄与しなかった。男女雇用機会均等法も寄与していない。社会保障制度の充実も出生率上昇に寄与していない。
近年の文化は出生率上昇に寄与していない。フェミニズムの台頭(家制度への敵視)、セクハラ・パワハラへの嫌悪、LGBTの認知など出生率上昇に寄与していない。
知識社会の到来も出生率上昇に寄与していない。多くの人間が大学まで進学するようになったこと、自分の老後までに○○万円必要だというようなファイナンシャルプランナー的な知識も出生率上昇に寄与していない。
都市化も出生率の上昇に寄与していない。人口の集中は不動産の価格を上げ、一戸あたりの面積を下げる。狭い家の規格は、多くの子供を持つ気持ちをなくさせる。
資本主義の発展も出生率上昇に寄与していない。個人商店が減り、少数の大企業が市場を寡占するようになると、仕事の内容はマニュアル化され、低賃金な仕事が多くなる。資本主義は人間の興味関心を惹きつけるコンテンツを大量に作り出している。※結婚相談所や出会い系サービスはやや出生率上昇に寄与している。
人間は子供を育てる代わりに何を育ててきたのか?
世界の出生率を眺めてみて気がつくのは、出生率が高い国はいわゆる近代合理的でない何かを持っている。
フランスは婚外子を社会が許容しているようだ(私が常々主張している妾制度のようなもの)。
イスラム教徒は婚前交渉・避妊・中絶を禁止し、若くして結婚することを奨励している。
フィリピンの出生率が高いのは「好きな人の子供が欲しい」という考えが強く、女性が押しに弱いから?キリスト教の影響もあるようだ。(ネット上では諸説ある)
GDPが低い国も出生率が高い。
人間が発明してきた合理的だと信じられているものや、時価総額の大きな企業は人間の子供を食べて成長してきたようなものではないか?私達はさまざまな近代合理的とされる何かを育てるゲームに夢中になりすぎて、子供のことを忘れてきた。
子孫を残さずゲームのキャラクターを育てたり、企業を育てたり、財産を育てたり、アイドルに愛情をそそいだり・・。それでいいの?
コメント
[…] 🚩人間が発明したもので出生率を上げたものはほぼない […]