以前、卓球はなぜ人気のあるスポーツになってきたのか?という記事を書きました。卓球観賞歴20年超の私が、卓球がどのような変遷を経て、一般の視聴者をある程度惹きつけるようになったかを書いた記事です。
今、2018年世界卓球団体戦が行われているわけですが、「世界卓球を見ているのか?」というと全く見ていません。いまいち興味が持てない。
今回は、なぜ卓球の試合は見てもつまらないのかを書いていこうと思います。
卓球がつまらない理由1:同じメンツが出すぎ問題
今、男子の卓球界で世界一は誰かというと馬龍選手なわけですが、馬龍選手はすでに10年前から世界の第一線にいたわけです。当時からすでに実力的には馬龍は世界のトップ5に入っているなと卓球ファンは思っていました。その選手がいまだに世界の第一線にいます。
日本の男子卓球では、水谷隼選手が安定感も考慮にいれれば日本一だと思うのですが、2007年にすでに全日本で優勝していますから、すでに10年超日本のトッププレイヤーを続けているわけです。
馬龍や水谷選手のように10年ならまだいいほうで、世界には同じ選手が20年、その国のトップに君臨し続けていることもあります。
ベラルーシのサムソノフ選手(42歳)、台湾の荘智淵選手(37歳)、ドイツのティモ・ボル選手(37歳)などは20年近くその国の代表として出場し続けています。
同じ選手がずっと出ていると、「その試合の組み合わせは何回も見た」となるわけで新鮮味がなくなります。
同じメンツばかり出ることになるのは、出場できる選手が少なすぎるからという理由も挙げられます。
オリンピックの個人戦は各国二人までしか選手を出せませんので、どうしても手堅い選手がでてくる傾向があります。
卓球の団体戦は、5試合やって3勝を上げたチームの勝ちなのですが、出場できる選手は3人までとなっています。5試合のうち1試合はダブルスなので、6人出せるようにしたらいいと思うのですが、競技人口が少ない国に考慮しているのか、団体戦は3人×3人で5試合となっています。そのため、団体戦でも同じメンツ同士の試合が増えています。
↓1997年に世界卓球決勝にでたサムソノフ
↓2018年も現役なサムソノフ
卓球がつまらない理由2:同じ戦型が出すぎ問題
卓球にはさまざまな戦型(プレースタイル)があります。ドライブ回転をかけた攻撃を主として行うドライブマン、カット回転をかけて守備的に戦うカットマン、球離れのよいラバーを貼って後ろに下がらないで戦う前陣速攻、ラケットを反転させて異種ラバーを駆使して相手を混乱させる異質攻守型などです。
またラケットにも種類があり、シェイク、日本式ペン(角ペン)、中国式ペン(丸ペン)などがあります。
しかし現代の用具では、シェイクラケットを使ったドライブマンが優勢です。なので世界のトップが集う試合では、どうしてもシェイクのドライブ型同士の試合ばかり見ることになります。
卓球がつまらない理由3:中国勝ちすぎ問題
世界のビッグゲーム(オリンピック、世界卓球)ではほぼ常に中国選手が優勝しているのも、観賞対象としての卓球をつまらなくさせている原因だと思います。
男子のオリンピック個人戦で2004年に韓国の柳承敏が優勝したこと、女子の世界卓球団体戦で2010年にシンガポールチームが優勝したことが数少ない例外で、近年、ほとんど中国人が優勝しています。
もう少しなんとかならないのでしょうか・・?
以上の3つの理由で、観賞対象としての卓球は魅力を減じているなと思います。
2020年の東京オリンピックは当然まだ行われておりませんが、男子シングルスはどうせ樊振東(fan zhendong)が優勝するんでしょ・・とすでに冷めています。
卓球動画はローカル選手ものの方が面白い
日本の卓球界にもユーチューバーがいます。WRM-TVというチャンネルで、山口さん(ぐっちぃ)という選手が各地の有力選手と試合をして、その試合動画をアップしているのですが、このコンテンツは上記3つの問題をクリアしていて面白いです。
日本(時には海外)各地の選手を紹介しているので、同じメンツですぎ問題を回避していますし、さまざまな戦型の選手が登場しているので、同じ戦型ですぎ問題も回避しています。試合の勝敗にもそれほどこだわっていないので、特定の誰かがいつも勝つ問題も回避しています。
観賞対象としての卓球動画は、オリンピックや世界卓球よりも、このユーチューブチャンネルがおすすめです。
↓裏面打法と粒高を組み合わせた独創的な選手
↓今では少なくなった日本式ペンドライブ(昔はこの戦型がメジャーでした・・)
↓異常にペンのバックハンドが上手い社会人選手
↓ペンカットマン
いつもと違うユニフォームで注目されたT2APC
2017年新たな卓球のプロリーグが始まりました。T2というプロリーグで試合はマレーシアで行われています。通常の卓球の試合とはルールを変更していたりと観客が楽しめる仕組を取り入れています。
しかし一番、T2の動画の視聴回数アップに貢献したのは、いつもとは違うユニフォームだったのではないかと思います。スポンサーのアンダーアーマーのTシャツを着て選手が試合をしたのですが、通常の卓球のユニフォームと違い、生地が薄いためエロ目線で注目された面があるかと思います。
早田ひな選手の試合動画のコメントはこんな感じでした。
コメント
同じ戦型問題は本当になんとかして貰いたいですね
もう男性のプロはシェイク裏裏ドライブマンが9割締めています
許キン選手は中国式両面ドライブ型ですが
男性で共通して言える事はドライブを両面出来る人が一番強いって事です
そうではない人は入り口すら立たせて貰いません
守って勝つカットマンですらドライブマンの攻撃に対して受け切れない
パワードライブでゴリ押して負ける
前陣異質攻守型も現在は混乱させれない、結局パワードライブで打ち抜かれて終わる
極めたプロの世界はドライブマンが絶対的に強い時代ですね
>つばきさん
そうですね。最近は世界のトップ同士の試合より、ぐっちーさんが色んな戦型の人と試合をしているWRM-TVの動画の方が面白く感じます。