起業をアルゴが行うようになるかもしれない

なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?

今、これを読んでいます。

数理経済学の教授が、20歳の女子大生に、経済データ等を駆使して、現代日本の不安感の正体を語っていくという本です。サブカルを引き合いに出して読者の興味をひきつつ、現代の特異な状況をうまく説明しています。

この本の中で、テクノロジーの発達が人間の仕事を奪っているというくだりがあります。米国の音楽家ウィル・アイ・アムは、作曲の仕事はやがて機械が行うようになるだろうと予測しています。(アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)で、作曲アルゴリズムが紹介されています)。東ロボくんというアルゴリズムは、センター試験を受けて、偏差値47レベルの回答ができたそうです。[adsense]

これらを受けて考えるに、ファンダメンタル取引をできるアルゴも早々に開発されるのではないでしょうか?適時開示や四季報、レーティングなどのニュースをインプットしてEPSを導出し、妥当なPERの値を過去データから取り出してかけあわせれば、理論株価を出すことができます。もうすでにこういったアルゴが動いているのかもしれませんが、私たちの多くがFPGやノジマをとれたので、まだそれほど精巧なファンダメンタル取引アルゴは動いていないのではないかと思います。いずれは、ニュースが出た後に、即、理論株価まで株価が動くような事態がくるのではないでしょうか。

起業のアイデアもアルゴリズムが担うのではないか?

起業で成功することはビジネスでもっとも美味しいところです。ツイッター社がツイッターを開発したようなイノベーションを機械が生み出すことは難しいかもしれませんが、アメリカでツイッターが流行っているのを見て、中国でweiboを起業するような、アービトラージ型の起業はアルゴリズムが提案できるようになるのではないでしょうか?

アルゴリズムに過去のアービトラージ型起業がうまくいった事例を学ばせます。その後、世界のニュースやデータをリアルタイムで読み込ませることで、現在、ローリスクで模倣できるビジネスモデルと、展開可能な地域を計算させることはそれほど難しくはないと思います。アルゴリズムの提案を資本家が採択して経営者に実行させることで、より効率的に起業の果実を資本家やアルゴリズムの所有者が受け取ることができるようになるでしょう。

未来において凡人はますます稼ぐのが難しくなりそうです。