先日、以下のツイートを目にした。
池上彰氏に殺害予告で逮捕の男 ロシアマニアの有名書き込み魔だった https://t.co/ERhzmxSKNp このニュース、陰謀論むき出しのプロパガンダでも、こういう層に影響を与えることができる証明だし、それが社会的にも多大な影響力がある国があるしね……
— dragoner (@dragoner_JP) 2018年5月25日
池上彰を脅迫して逮捕された男のアカウントらしきもの観たけど、どちらかというと本筋ではユダヤ陰謀論者で、それでロシア好きになった感がある。どういう理屈かは理解できないが、ユダヤ人・爬虫類型宇宙人に世界が支配されていると考える人々の間で、プーチンは人類の救世主と看做される傾向がある
— dragoner (@dragoner_JP) 2018年5月25日
池上彰を脅迫して逮捕された人のツイートは見ていないが、過去や現代の世界の動きを分析する際に、「ユダヤ人」をファクターとして重視する人の間でプーチンが人気なのはそれなりに理由がある。
世界大戦後、奇妙なくらいに言及されることが減ったユダヤ人だが、彼らの活躍っぷりは戦前と変わらない。
先日、サルトルの「ユダヤ人」(1956年)という著作を買って目を通してみたが、全編異様なまでのユダヤ人擁護の詭弁に満ちていた。
このような有名哲学者の援護や、ホロコーストの絶対化によってユダヤ人は世界の人から注意を向けられなくなった。
参考記事:ホロコーストはいつから何のために利用され始めたか?
馬渕睦夫氏の「世界を操る支配者の正体」(2014年)は、控えめながらも、ユダヤ人の動向に注意しつつ現代世界の動きを分析した著作だ。
関連する部分を引用していくと、
1991年末のソ連崩壊後の新生ロシアに乗り込んできたのは、アメリカの新自由主義者でした。ハーバード大学のジェフリー・サックス教授をヘッドとする市場民営化チームは、いわゆる「ショック療法」を実践しました。
ショック療法とは、一夜にしてソ連時代の統制経済を自由な市場経済に転換させるという手荒い方法です。時間をかけて一つ一つ課題を解決していく方法ではなく、何が何でも、どんな抵抗や混乱が起ころうとも、それらを無視して強権的に市場経済原理を導入したのです。その結果、ロシア経済がどうなるかは火を見るより明らかでした。物資の価格統制を廃止したとたん、物価は「市場価格」を反映して急激に高騰し、インフレ率が80倍にも達するいわゆるハイパーインフレーションになったのです。
さらに、IMFが介入し、国営企業の民営化を進めた。「バウチャー方式」と呼ばれる政策を通して民営化を行ったが、一部の者がバウチャーを無知な所有者から安値で買い集めて企業を立ち上げ、成長した。成長した企業は、ロシア政府に融資するようになり、担保として天然資源の国営企業を取得できた。これらの新興財閥をオリガルヒというが、有名な7大オリガルヒの内、6人はユダヤ人だった。
- ボリス・ベレゾフスキー
- ウラジミール・グシンスキー
- ロマン・アブラモビッチ
- ミハイル・ホドルコフスキー
- ピョートル・アヴェン
- ミハイル・フリードマン
- ウラジミール・ポターニン
上記、オリガルヒの内、ポターニン以外はユダヤ人。ちなみにジェフリー・サックスもユダヤ人である。
スラブ民族にしてみれば、ロシア革命時に続いて、また政変を利用してユダヤ人がロシアを支配しにやってきたのかという思いだったのではないだろうか?
プーチンが大統領に就任した後、プーチンはそれらのオリガルヒに政治には介入しないように要請していたが、オリガルヒの内の一人、グシンスキーは自分が所有するメディアを使ってプーチンを攻撃しだした。グシンスキーは横領詐欺で逮捕され、結局亡命(2000年)。ベレゾフスキーも亡命(亡命は2001年。2013年にイギリスの自宅で自殺体となって発見)。
2003年にはホドルコフスキーを脱税で逮捕。ホドルコフスキーは反プーチン政党を支援し、大統領選挙への出馬も公言しだす。さらにホドルコフスキーはロシアの開放(?)を目指す財団をロスチャイルド卿(ユダヤ人)と協力してロンドンに設立した。同財団の支部をアメリカにも開設し、キッシンジャー(ユダヤ人)を理事に招聘した。ホドルコフスキーは経営する石油会社ユーコスの株式をシェブロンやエクソンモービルに売却しようと図る。これが、ロシアの国富を外国に売り渡す行為に見えたのか、逮捕され、投獄された(2013年に恩赦で出獄したのち外国へ)。
これらのオリガルヒ対プーチンの抗争の後、ロシア近辺の東欧で民主革命(カラー革命)が起こされる。
2003年グルジアで選挙があり、親ロシア政党が勝ったが、親米政党は選挙不正があったとしてデモを起こし、デモ隊が議会を占拠した。結局、親ロシア系の大統領は辞任して親米系の政治家が大統領に就任した。この動乱に資金を拠出して支援したのはユダヤ人のジョージ・ソロスである。
参考記事:左翼活動家としてのジョージ・ソロス
2004年にはウクライナで大統領選挙があり、やはり親ロシア系の候補が勝ったが、選挙に不正があったとして、負けた親欧米派がデモを起こし再選挙を実行させた。その結果、親欧米派が勝利した。
2005年にはキルギスで選挙があったが、野党陣営がやはり選挙不正があったとしてデモを起こし、選挙で勝った大統領はロシアに亡命してしまった。
これらの動向を見て、プーチンはロシアのNGOへ欧米が資金流入することや政治活動に対する規制を強化した。
この様な流れを見ていくと、プーチンはユダヤ人財閥と戦い、またユダヤ人お得意の左翼的デモ革命手法と戦ってきたことがわかる。
一方でユダヤ人は欧米のエスタブリッシュメントと懇意で、かつメデイアでも権力を握っているので、世界に流される報道はプーチンに対する悪評ばかりとなるのである。
ユダヤ人に注目して世界動向を追いかける人には、プーチンがある種の希望の星となっている理由がおわかりいただけただろうか?
しかし、シリアの戦争でどこの国が正しいのか、プーチンが日本とどれだけ協力関係に入る気があるのかなどについては私もよくわからない。トランプがプーチンと敵対しないようにしているのは賢明だと思う。トランプがプーチンと反目すれば、それはここで紹介した人たちにとって思う壺だからである。
コメント
アカウント、探してみたけど見つかりませんでした…。
私の認識では、プーチンを神格化する陰謀論者は小沢信者でもあり、自由党の支持者が多いと思います。当然、反米反日です。
>竹槍さん
逮捕された方のアカウントですね。反米の人はプーチンが好きかもしれませんね。