DMM英会話の教材として、VOA(Voice of America)の記事を3年間読んできた。VOAはアメリカ国営であり、アメリカを擁護する愛国的なプロパガンダを発していそうな印象を持つかも知れないが、実際はまったく愛国的ではない。
むしろグローバリスト・左翼・リベラルに乗っ取られている印象で、ナショナリスト気質の記事は少ない。
昨日発見したVOAの記事は複数の意味で非愛国的なプロパガンダになっており、その見事さに感銘したので紹介してみたい。
問題の記事はこちら。
Bourbon Tariffs a Blow to Burgeoning Craft Alcohol Businesses
簡単に内容を紹介すると、
先祖がナチスの迫害にあって殺されたユダヤ人であるPaul Hletko氏は酒類製造業を起業して成功している(元々はHletko氏は弁護士だった)。酒類製造業は、元々先祖がやっていた事業でもあった。事業は成功しており、35ヶ国でHletko氏の会社の酒が売られているそうである(彼の会社のウェブサイトはこちら)。
氏の会社の製品が最も輸出されているのは中国だが、米中の貿易戦争によって、氏の会社の製品は関税アップの対象になってしまった。
氏の事業の利益は減少する見込みであり、彼は「We’re simply pawns in a political game, which is unfortunate」(我々は政治ゲームの歩みたいなもの、不幸なことにね)と発言している。
この記事が見事なのは、
- 登場人物の祖先がナチスの被害にあっていることを紹介することで、ユダヤ人の被害者的立場を強化していること
- 米政権の主に中国に対する関税アップは、米国の安全保障及び雇用のために為されているのにそれが全く考慮されず、批判の対象になっていること
だ。経済を最優先するグローバリストを擁護し、自国を大事にしようとするナショナリストを批判する内容になっている。
元弁護士で、起業して世界30ヶ国以上に製品を輸出するまでになっているエリートの愚痴を紹介する一方で、トランプ政権のもとで新たに職を得た多数の非エリートの声は紹介しない、トランプ政権の安全保障構想についても触れない・・。
紹介される一般人の声といえば、女性か、移民か、LGBTばかり。
VOAでは同様の論調の記事が毎月多数発表されており、米国の国益に資しているというよりは、米国のグローバリストやリベラル・左翼の立場を強めている。
VOAはVoice of Americaというより、Voice of American globalist, liberalist, feministである。
コメント
どちらかと云えば、voice of anarchyですね。voaはyoutubeのlearning englishではかなりゆっくり話してくれるので、学習には持ってこいなのですがね。
Lgbtに目が向かうのはアメリカは悪名高いソドミー法による弊害ですね。彼らはアメリカではつま弾き者なので、メディアに取り上げられるのでしょう。日本や中国、東南アジアではそういったタブー視は昔から薄いので、こういった事態にあまり陥ってないのが興味深いですね。ただしlgbt団体という存在は当事者と別物の存在になっていますが。
フェミニストは伝統的家族文化と基本的に相容れない人が多いので、結果的に保守派と対立を起こすので、リベラルメディアに取り上げられやすいのです。後は個人的にですが今のフェミニストの多くは美人ではない人が多いので、やっかみも含まれてるなと感じますね。
>O1S3さん
ボイスオブアナーキーですか。確かにそういう面もありますね。
私がLGBTやフェミニズムが過剰に取り上げられるのは、陰謀論的ですが、既存の家族制度・異性愛者を攻撃して、欧米人を弱体化させたい勢力がいるからなのでは?と思っています。
また、女性が社会進出しないとならないということは、逆にいえば、亭主の収入が落ちたということでもあります。
返信ありがとうございます。
ブログ主様のいう面もあるのでしょう。結局今を生きずらいと考え、既存文化を破壊したくなるのでしょう。だからこそそういう層を使って自分の都合が良い方向に持っていきたい集団は有っても不思議ではないです。厄介なのは彼らは自分達が正しい正義だと善意で動いているということです。だからこそ味方にも敵にも厄介です。
女性社会進出というのも男性の収入が落ちたというのもあります。しかし、
個人的にはかつての黒人奴隷解放による人件費削減と同じ流れのように感じますね。