近代の客家とユダヤ人の関係
政治系ユーチューブチャンネルの林原チャンネルは、ユダヤ問題を避けて通らないところが、DHCTVなどと違って独特である。河添恵子氏が客家とユダヤの関係等について、面白い紹介をしていたので、文字起こしをして一部を紹介したい。
ノンフィクション作家・河添恵子#7-2★客家人・サスーン・蒋介石の時代〜20世紀の中国とアメリカ〜より。
今回第二話目ということで、中国とアメリカ左派との深遠なつながりということで、中国という意味のなかでは共産党と国民党、中国大陸と台湾という両方を含んだお話を今しています。
で、そういった中で第一回目に出ました客家人(はっかじん)。この客家人というのは何なんですかというのを少しお話したいと思います。まず、客家人というのは、漢民族の中の一つです。単純に言いますと、客家語を話す人は客家人になるわけです。歴史的には中原と言われている黄河の中・下流域あたりにルーツがあると言われていて、そこら辺の血縁・地縁があった人たちと言われていて、言語としては、唐と宋の時代の中原の漢語に基づく言語を使われています。
私もあんまりきちんとわからないんですが、客家人の言葉というのは聞くかぎりですけれども、北の方の中国語の言葉に聞こえます。住んでいるエリアはどんどん南下してきているので、福建省・広東省あたりに非常に多く、それ以外は東南アジアとか世界、要するに華僑として散らばっているんですが、言葉としては福建省とか広東省の言葉とは全然違います。
いずれにしましても客家人というのは、何をしたのかといいますと、まず清朝に反乱を起こしてですね、キリスト教の信仰を紐帯としました。要するにキリスト教の信仰を紐帯とするというのは、ある意味でいうと、西洋社会の一つの価値観とくっついた人たちが多かったわけです。で、客家人=全部クリスチャンというわけじゃないんですが、一部分の優秀な人たちは西洋社会の学校に行って、クリスチャンになって、西洋の力を借りながら、ある意味で言ったら自分たちが権力者になっていこうとした人が多かったわけです。
現実的に、じゃあ、客家人っていうのはどういう人で有名人でいるのといいますと、例えば台湾の今の総統、蔡英文さん。蔡英文さんもハーフ客家です。蔡英文さんは原住民の血とかいろいろ入っているお方と言われていますが、いずれにしましても蔡英文さんも客家の血が入っています。
それから大長老でいらっしゃる李登輝元総統も客家です。それから陳水扁さんの時代の副総統だった呂秀蓮さん。女性の方です。この方も客家です。そして、李登輝さんと一緒の年、同年に生まれて、もうお亡くなりになっています、シンガポールのリー・クワンユーさん。この方も客家です。当然、息子のリー・シェンロンさんも客家です。それから、リー・シェンロンさんが首相になる前、一回首相に就いたゴー・チョクトンさんも客家です。
それからフィリピンのアキノ家。こちらも客家の血が入っています。それからインドネシアの大きな財閥で有名なんですがサリムというところも客家です。それからクリントン夫妻に、アーカンソー州知事時代から色々献金をしていたとか、いろんなお金の流れの噂があるリッポーという財閥があります。このリッポーさんも、インドネシア出身の財閥でアメリカにも早く進出しているんですが、こちらも客家です。
という形で、ある意味でいうと、客家の方というのは東南アジアを含めて、相当中枢にいらっしゃるということがわかります。ちなみにタイのタクシン元首相、このファミリーも客家です。
ですから、客家人というのは政治家になっている人も多かったりするわけですが、戦前でいいますと中華民国時代の宋三姉妹。宋兄弟ですね。蒋介石は違うんですが、蒋介石と宋美齢さんは結婚していますが、まぁビジネス婚といいますか、お互い野望があって、打算婚だったと言われています。なぜかといいますと宋美齢さんは、そういったアメリカでの高等教育、早い段階からアメリカで教育を受けていたので世界とつながることが出来たわけです。蒋介石は自分が上に上がっていくためにも、宋美齢と結婚したと言われているんですが、元々中華民国の建国の父と言われている孫文さん。孫文さんも客家です。で、孫文さん自身を応援していたのは、宋三姉妹のお父さんであり家族です。みんな客家なわけです。
そして前回お話したアンナ・シェンノートさん、陳香梅さん。この方も客家で、それから日中友好協会の初代会長であったりょうしょうし(※漢字わからず)さん。この方も客家です。要するに、非常に国対国の間を取り持つ、そういった外交の要になる方とか政治家。政治でも下っ端ではなくてトップ、その国の顔になる人までが客家人が多かったということが言えるわけです。
特に戦前といいますか、中華民国の時代というのは、宗家、宋三姉妹を生んだ、もちろん息子達もいるんですが、宗家というものが非常に大きな財閥になって、それを浙江省で大きくしたので浙江財閥という言い方をするわけですが、この宗家であり、浙江財閥というのは、結局アメリカの左派の人たちと相当つながりが深かったんです。
もっとだいぶ前からの事を言いますと、例えばフランクリン・ルーズベルト大統領の母方・デラノ家、こちらの方も非常に中国でもって儲けたともいわれているんですが、中国で当時、いろいろ利益を得る方法の一つというのは実はアヘンだったんです。で、アヘンというのは中国の国内で蔓延しているだけではなくて、アメリカ・カナダ辺りには中国から苦力(クーリー)として労働者がたくさん渡っていました。その方たちは苦しい、苦しい仕事をするわけですけれども、そこでアヘンを吸うと気持ちよくなると言いますか、苦しさを忘れるといった時代のこともあり、結局アメリカにいる中国の労働者の方たちもアヘンを吸っていたわけです。
そういったアヘンで実は儲けているというのが浙江財閥だったり、アメリカの左派の一部分のファミリーがその利権を持っていたと言われています。それをもうちょっと違う言い方をしますと、ユダヤ系人。ユダヤ人という言い方もできるんですが、ユダヤ人という言い方は非常に複雑でして、まずユダヤ教徒でないとユダヤ人ではないという言い方もあるんですが、元ユダヤ教徒だった人でキリスト教徒に改宗したり無宗教になっていた人もいるんですが、アメリカのどちらかといえば左派のグループに入っている人たちと、中国の共産党・国民党の人たちとは非常にこの一世紀、近い関係にあったわけです。
特に蒋介石はですね、青幇(ちんぱん)と言われている中国のマフィアの組織です。
ちなみに孫文さんは紅幇(ほんばん)です。蒋介石にとっての裏のボスというのは、杜月笙という方です。
で、この方は上海を支配するマフィアだったわけですが、私は実は杜月笙さんの本を翻訳したことが20年前にあります。で、そこでわかったわけですが、杜月笙さんはアヘンの輸入みたいなこともやっていながら、アヘンの取締も同時にやっていて、そして最終的にはアヘン中毒で死んでるような方なんです。要するにダブルスタンダード以上のことをやるのが、中国のそういった人たちなんですが、その杜月笙さんのボスは蒋介石だったわけですが、相当アヘンの利権があったという風に言われています。
それともう一つ宗家の錬金術というのがありました。これも面白いんですけれども、実は中国というのは1930年代まで統一した通貨というものがなく、銀貨で納税をしていたと言われています。それを1935年の11月に蒋介石が銀本位制改革法令というのを出すわけですが、で、中国の銀というのは怒涛の勢いで海外に流出していきます。
で、一円(一連?)の銀は海外銀行にどんどん預けられるようになるんですが、ここで非常にまた利益を得たのは、宗家だけではないんですけれども、サッスーン財閥という財閥が当時上海で幅を利かせていて、大きなホテルとか素晴らしいコンドミニアムとかマンション持って、建てたりしていたわけですが、このサッスーン財閥の銀行である香港上海銀行(HSBC)というのが有ったんですけれども、この銀をですね、1円の銀を1円80銭で売り飛ばしていたということで、非常に、この銀本位制改革法令を出したことによって、宗家も儲かり、それから一部分の銀行も巨大な利益を得たという風に言われているわけです。
ある意味でいいますと、宗家であり、浙江財閥と言われているその周辺の財閥というのは、上海を拠点とするサッスーンなどの財閥と一緒になって、ずっと経済運営といいますか錬金術をしていたという風に言われているわけです。で、サッスーン財閥というのは上海キングと言われていた時代もあるくらいで、三代で巨万の富を築くわけです。もちろん今でもバンドと言われている上海のエリアに残っている素晴らしい建物、たとえば和平賓館といったホテル、そういったものは今からちょうど一世紀前くらいに建って、サッスーン家が建てたものが多かったわけです。素晴らしい建物、今でもそこら辺の人たちが、その時代に建てたものはなぜかと言いますか、絶対に潰しません。
それが何を意味するかというと、中国共産党とサッスーン家を含めたユダヤ系といいますか、アメリカの左派の一部分グループは今でも非常につながりが深いということを表していると思います。実はこうしたサッスーン財閥と蒋介石がとても近い関係にあったということは、1941年頃あたりの神戸新聞にも細かく出ています。
で、ちょっとそれを読んでみます。1941年の神戸新聞4月26日付けということなんですが、タイトルは「ユダヤ財閥頻に暗躍 南方資源の買占めに狂奔 サッスーン、香港で反日策動」というすごい激しいタイトルの新聞なんです。ちょっと内容を一部分ですが読みます。
「ユダヤ財閥の暗躍は熾烈を極め、東亜におけるユダヤ財閥の巨頭フリーメーソン東洋部長サッスーンは、我が大東亜共栄圏建設妨害の一行為として、このほど仏印における米の買占めに成功したといわれているが、上海よりの情報によれば5月中頃香港において開催される重慶支持の南洋、蘭印、仏印、印度華僑の代表者会議は、サッスーンと蒋介石政府との談合により、我が南方政策の先手を打って物資の買占めをせんとするものであり、これが資金は一切サッスーン財閥によって支弁される。これはサッスーン財閥がアメリカユダヤ財閥と緊密なる連絡の下にかく反日行動に出たもので、ユダヤ研究者間の定説であり、またサッスーンと蒋介石、仏印当局との深き関係等々、陰に敢行されていた聖戦妨害行為は漸く表面化し、各方面の憤激の焦点になりつつあり、このサッスーン財閥の動向は聖戦貫徹の上から重視されている。」
非常に難しい文章ですが、これ一部分です。いずれにしましても、何を言っているかというと、サッスーンと蒋介石政府が談合していると、そしてお米とかの物資を買占めていると、そのお金というものはサッスーン財閥とアメリカのユダヤ財閥とか、非常に緊密な関係を持っていて、そこから出ているんだといったような内容になっています。
上記の河添氏の動画で言われていることは、一言で言えば、20世紀前半において、中国大陸で客家とユダヤ財閥が緊密な関係にあったということである。
※ちなみに、戦前においてユダヤ人に対して言及しているのは神戸新聞だけではない。満州日日新聞なども特集を組んでいる。
客家のルールはユダヤ人か?
宇野正美氏の「ユダヤが解ると世界が見えてくる」によれば、850年前の北宋時代にシルクロードを経て、中国開封の地にユダヤ人の子孫が流れ込んできた。マルコポーロも東方見聞録に「開封には大いに栄えているユダヤ人社会が存在していると聞いた」と書いているそうである。宇野氏が1980年代に中国河南省に在中ユダヤ人について取材に行ったおり、河南省人民政府外事部から以下の返事を得た。
「北宋時代に客家のユダヤ人移民が開府におり、皇帝が7つの姓を与えたが、800年の間に混血を重ねたため、血縁上は存在しても実際的な生活面ではもはや存在しない。ただ、石碑、シナゴーグの跡はある。興味があれば手配する」
宇野氏の著述が正しいのであれば、中国にもユダヤ系の民族=客家がおり、20世紀においてユダヤ財閥と緊密な関係を持ち、世界に影響を与えた。彼らの一部は、アジアにおいて政治経済のエリートを形成したということになる。また1981年以降、中国のユダヤ系と言われている人たちの子孫をユダヤ人の集団が訪れていたらしい。
客家の人たちにユダヤの血が流れている自覚があったのかどうかわからないが、ユダヤ人が始祖と言われている客家人が、ユダヤ人同様に活躍をし、ユダヤ人と手を組んで繁栄したのは興味深いことであるように思う。ユダヤ系(アシュケナージ?)には何か政治経済で活躍する遺伝子が流れているのかもしれない。