最近の保守言論界で最も奮闘しているのは馬渕睦夫氏だと何度か書いている。それは馬渕氏が、歴史の事実としてユダヤ人が大きな影響力を行使してきたことに言及しているからだ。
産経新聞も、虎ノ門ニュースも、オンザボードもHANADAもユダヤ人には触れないなかで、馬渕氏や河添恵子氏が「ユダヤ人」をタブー視しないでいることに敬意を表したい。
ネット上での言論活動が活発になるなかで、再度脚光を浴びつつあるユダヤトピックスだが、戦後の言論空間で全く話題にされなかったのかというとそんなことはなかった。
例えば、宇野正美氏。まだご存命で、リバティ研究所名義でユーチューブに動画をアップしているが、この方の80~90年代の著作を読むと、馬渕氏が最近本で書いているような論点を、80~90年代において既に発表している。
ソビエト崩壊後のロシアでどんなことがあったのか、田中角栄がなぜ強引な手法で潰されたのか、世界には裏国家ともいうべきユダヤ連合の国家内国家があること(今でいうディープステート)などを取り上げている。
現在の宇野正美氏は地震兵器に言及していたりして、過激な方向に走っている印象だが、80~90年代の宇野氏の著作には、掘り下げれば面白い本を書けそうな話題が散りばめられている。
翻訳者としても重要な仕事をしたユダヤ研究者の先駆たち
言論界で評価されることはない一時代前のユダヤ研究者達だが、翻訳者・監訳者としても重要な仕事をしている。
宇野正美氏の訳には、下記の出版物がある。
- アーサー・ケストラー「第十三支族」
- デール・クラウリー「ユダヤの国際戦略―アメリカ人からの証言」
- ロバート・I・フリードマン「ユダヤを剥ぐ―武装テロ組織JDLの内幕」
- P.ゴールドスタイン/J・スタインバーグ「ユダヤの告白―日本経済を裏面から見る」
- アルフレッド・M. リリアンソール「ユダヤ・コネクション―アメリカ=世界戦略を決定するのは誰か」
上記のうち、少なくともアーサー・ケストラーの「第十三支族」は重要な本である。
同じく真っ当な評論家からは評価されていない太田龍氏の翻訳のうち、少なくとも下記2作はよい内容である。
- アンドリュー・ヒッチコック「ユダヤ・ロスチャイルド世界冷酷支配年表」
- マルチン・ルター/ I.B. プラナイティス「ユダヤ人と彼らの嘘・仮面を剥がされたタルムード 」
一時代前のユダヤ研究者の著作や翻訳本は、全てが無価値のように見られがちだが、中には現代の言論界がようやく再発見できたような事柄を、もっと早く、同時代的に扱っていたりして重要な事柄が書かれていることもある。
馬渕睦夫氏などが堂々と「ユダヤ」という単語を口に出している今こそ、ユダヤ研究の先駆者達の仕事を再評価する時だと思う。戦前はユダヤ研究がしっかりと日本国内で行われていたが、戦後タブー視されるようになり、ユダヤ研究の灯が消えそうになる中、彼らがコツコツと仕事をしてきたからこそ、ユダヤ研究の資料が私達の手元に存するのである。
そしてユダヤトピックスに言及する言論人を馬渕氏で終わりにしないように、ユダヤトピックスから逃げない言論人を積極的に評価・支持していく必要がある。
真正保守とされる安倍総理が、実質的な移民受け入れを推進する理由を想像してみてほしい。それは国内経済界のためだけだろうか?
彼らの著作は電子書籍になりにくく、再版もされないだろうから、興味のある人は紙の本を買っておいたほうがよい。宇野氏のベストセラー「ユダヤが解ると日本が見えてくる」「ユダヤが解ると世界が見えてくる」等は古書価格が100円以下なので、購入をおすすめしたい。
他にユダヤ関連で面白い本は、
- ノーマン・G. フィンケルスタイン「ホロコースト産業―同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち」
- ヒレア・ベロック「ユダヤ人 なぜ、摩擦が生まれるのか」(監訳:渡部昇一)
- 渡辺惣樹「第二次世界大戦 アメリカの敗北 米国を操ったソビエトスパイ」
あたりであろうか。
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戦前の日本のユダヤ研究者が書いた本も面白いが、旧仮名遣いで、本の画像を撮影してそのまま電子書籍にしているので少し読むのが難儀である。下記の著作が電子書籍化されている。
- 安江仙弘「ユダヤの人々」
- 安江仙弘「ユダヤ民族の世界支配?」
- ヘンリー・フォード「世界のユダヤ人網」
- 北満州特務機関編「ユダヤ研究」
- 外務省欧米局第二課編「ユダヤ人問題」
- 四王天延孝「ユダヤ思想及運動: 「シオン議定書」収録」
なぜユダヤ人問題にこだわるのか?
なぜ私がユダヤ人問題にこだわるのか?一つは先日書いたように、ユダヤ人について語らないことが間接的に言論の不自由に加担していると思うからである。ユダヤ人をタブー視すればするほど、私達は自分の首を締めることになる。
もう一つはユダヤ人の野望とされるものには現実味があるからである。彼らは世界を統一国家にしようとたくらんでいると言われるが、その推測には現実味がある。
私達が今後、中国や北朝鮮の脅威を乗り切ったとしても、ワンワールドを望む勢力の企図に屈することになれば、不幸になること必中である。