ワシントン・ポストの「Pence: It’s up to China to avoid a cold war」の翻訳(意訳、超訳含む)記事です。
今月末にアルゼンチンで予定されているトランプ大統領と習近平の会談で、緊張がエスカレートしている二国間の関係が試される。副大統領のマイク・ペンスは、中国がもしも米国(及びその同盟国)との全面的な冷戦を避けたいのであれば、中国は根本的に行動を変えなければならないと語った。ペンスは私(記者)に請け負ったが、アメリカはこの件で引くことはない。
ペンス副大統領が木曜日にシンガポールのASEAN会議に出席した際、アセアン地域のリーダー達の関心事はワシントンと北京が長期的な経済的・戦略的対立に向かうのか否かだった。ペンスと習近平はパプアニューギニアで開催のAPECリーダー会議に出席するが、会談する予定はない。習近平は11月30日のブエノスアイレスで行われるG20でトランプ大統領と会談する予定だ。
ペンス副大統領がインタビューで語ったのは、トランプ大統領は、習近平と取引をする用意がある。ただしそれは、北京がアメリカが望むように経済的、軍事的、政治的な行為を大きく変化させる場合に限ってのことだ。ペンス副大統領は、これは中国が冷戦を避ける最高の機会(最後の機会でなければ)だと述べた。
「私達は、中国政府が、私達がどのような立ち位置であるか、私達が何をする準備をしているか知っていることを確認したい。これがトランプ大統領の態度だ。だから、中国政府はアルゼンチンに具体的な解決策を携えてくることができるはずだ。貿易赤字を解決するだけでない解決策を。私達は、中国が私達の本気度を理解していると確信している」とペンスは語った。
貿易問題以外にも、中国はいくつかの問題で譲歩を提示しなければならないとペンスは語った。知的財産の窃盗、技術移転の強要、中国市場に外資がアクセスするのを制限していること、国際的なルールを尊重していないこと、国際水域での航行の自由を制限しようとしていること、西側諸国の政治に中共が介入していることなどがその問題に含まれる。
もしも北京が有効で具体的な譲歩策を持ってこないのであれば、アメリカは経済的、外交的、政治的プレッシャーを中国に対して強めていく準備があるとペンスは語った。ペンス副大統領は、このような対立に中国経済が脆い一方で、アメリカ経済はそれに耐えることができると信じている。
「私達はどちらの道(和解または対立)を行くにしても強い立場にあると信じている。今は2500億ドルの関税だが、それを倍にすることもできる。」とペンスは述べた。「約束が重要なのではないのだ。私達は結果を求めている。態度の変化を求めている」。
木曜の朝にペンスは東京で安倍総理と会談した。安倍総理は習近平との会談を終えて戻ってきたばかりだが、ペンスが言うには、習近平が日本に対して新たに接触していることは、北京がついにトランプ政権の要求を真剣に受け止め始めた兆候の一つだ。
「中国は我々のメッセージを受け取ったという確信を深めて東京を発ったよ。中国は我々の政権の立ち位置を知っている。大統領の本気度を理解している。」とペンスは語った。
ペンス副大統領が今週東南アジアに赴いた目的は、中国の一帯一路政策に対抗して、アメリカがもっと競争力のある選択肢を提供できることを同盟国やパートナーに再認識させたことだ。トランプ政権は、中国政府が搾取的な貸付手法を使って、地域の法の支配と良い統治を妨げていると考えている。
(後略)(引用・翻訳終わり)
左寄りのワシントン・ポストにこういう記事が出ることは、アメリカの対中強硬姿勢が超党派であることの証左でもあるし、内容も一般に言われているような貿易赤字がどうこうといった表面的なものではなく、アメリカは中国に根本的に変わるように要求していることがわかる。
もちろん中国も「はいわかりました」とは言わないだろうから、米中の対立は深まっていくと見るべきだ。
日本企業も米国支持の立場を明確にしていかないと、とんでもない事態に追い込まれることになるだろう。
昨日のワシントンポストインタビュー記事、ペンス米副大統領は月末の米中首脳会談に関し、「それは中国が米国との冷戦を避ける最後のチャンス、中国は経済・軍事・政治の各方面の米国の要求を受け入れなければ」と、中国への「最後通告」を行って全面降伏を迫った。習近平には逃げる道はもうないのだ。
— 石平太郎・「結論、朝鮮半島に関わってはいけない!」発売中 (@liyonyon) 2018年11月14日