中国のウイグルでは、100万人から300万人が強制収容所に収容され、そのうち何割かは死に至っている。
この収容施設でどれくらいの人が死んだか不明だが、かなりの人数が死に追いやられているだろう。
また、中国政府は被収容者から臓器を取り出して臓器移植に使っている可能性が高い。中国の年間臓器移植件数は10万件ほどのようなので、8万件程度はウイグル民族から摘出しているのではないか?
また、中国は1996年までの間にウイグルで地上核実験を行っている。これによる死亡者は75万人と推定されている。
このような中国政府による弾圧を見て、現在進行形のホロコースト(大虐殺)だと批判する声は当然のように挙がるが、世界全体の論調はいまいち反応が鈍い。
おそらく世界各地の学校で、第二次大戦時のホロコーストが大悲劇として教育の場で伝えられているにもかかわらず、なぜこうまで反応が鈍いのだろうか?
一つにはそれは中国が強国だからだろう。中国と正面切って対決するのはどの国にとっても負担が大きい。実際の戦争だけではなく、経済的な嫌がらせだけでも相当のダメージを受ける。
しかし最大の理由は、ユダヤ人達がそれほどこの件に関して騒がないからではないだろうか?
中川淳一郎氏がかつて著作で、大部分の会社員がまじめに働いているのは、上司に怒られるのが嫌だからだと喝破していたが、各国の政治家や言論人が大真面目に誰かを批判するのは、そうしないとユダヤ人に怒られる時だ。
ここでいうユダヤ人とは、実際のユダヤ人集団というより、ユダヤ人が主な出資者である欧米のメディアであったり、エンターテイメント産業の事だ。
欧米のリベラルメディアが火をつければ、たった1人の死でもニュースが大きく広がるが(例えばサウジアラビアでのジャマル・カショギ氏の殺害)、彼らが騒がなければ、世界はホロコースト的な出来事が現在進行系で起こっていても失念してしまうのである。
なんとも奇妙な感じではないだろうか?「ホロコーストがー」「ナチスがー」と今でも慣用句のように口の端に上るのに、実際にそういう出来事が起きていても、人々はチラ見するだけで、すぐに別の話題に切り替えてしまうのである。