選挙の時期が近づいてきた。この記事では、
- どの候補者に投票したらいいかわからない
- 候補者間・政党間の違いがわからない
という選挙初心者のために、どのように投票先を選ぶといいか助言する目的で書いた。参考にしてみてほしい。
1.所属政党を見る
候補者を選ぶ際に最も重視すべきなのは、所属政党だ。所属政党に最もその候補者の考える価値観が反映される。選挙ポスターには、短いキャッチフレーズ程度しか書かれていないかもしれないが、所属政党の政策と候補者の政策理念はそれほどかけ離れてはいないはずなので、所属政党がどこであるかを見れば、その候補者の価値観を類推できる。
市町村議会選挙では、無所属で出馬する候補者も多いが、○○党の議員が応援に駆けつけていれば、その候補者は実質○○党の人だと考えていいだろう。
以下、簡単に政党の違いを説明する。
自民党の特徴
最も支持者の多い政党なので、色々な考え方の人がいる。右寄りから左寄り、親中から対中強硬派、福祉重視派から小さな政府支持者まで幅広い議員が結集している。良く言えば、懐が深い。悪く言えば定見がない。
しかし大まかに言って自民党は下記の特徴を持っている。
- 経営者と近い目線、産業重視、経済重視
- 現実的、常識的、無理をしない
- 地方の振興も重視
- 国防重視、憲法9条改正に前向き
- 福祉に否定的ではない
- 原発に対してはどっちつかず(本音では稼働させたいはず)
自民党は与党であることから、一般的な意味でのポテンシャルの高い政治家志望者は自民党に多い。自民党の政治家は、既存の各種団体とつながりが多いことから、既得権益を害するような思い切った改革には慎重であることが弱点だと言える。
立憲民主党の特徴
立憲民主党は野党第一党で、民主党の中の左寄りの人たちが中心となって結党された。大まかに言って下記の特徴を持っている。
- 労働者、貧しい人に近い目線(経済振興は重視せず、分配を重視)
- 空想的、理念的、何をするかわからない
- 国防軽視、憲法9条改正に反対、外国人から帰化した議員が多数いる
- アメリカよりも中国や北朝鮮、韓国が好き
- 福祉に肯定的、ばらまきで人気を集めたい
- 原発に否定的。民主党時代に原発を超法規的に停め、電気代の値上がりを招いた。
- 外国人にも参政権を与えたい
立憲民主党の最大の弱点は、国防に無頓着である点だ。本当に日本を防衛する気があるのか疑わしい。また経済振興よりもバラマキ(分配)によって人気を得ようと考えていそうであり、日本経済を長期的に活性化させる意図は無さそうである。自民党嫌いの人の票の受け皿になることを目指して、各種主張を行っている。
国民民主党の特徴
民主党が民進党に名前を変え、左寄りの過激な人たちが立憲民主党に行った一方で、より穏健な人たちは国民民主党に結集した。立憲民主党に比べれば常識的。
国民民主党の特徴は、立憲民主党に比べれば、現実的、常識的というところだろう。しかし自民党と比べると、現実的・常識的だという側面も見劣りがするので、どっちつかずであまり人気が無い。
公明党の特徴
創価学会が母体。選挙はチームプレーで行うので、基本的に市町村議会選挙に出馬した人は全員当選する(当選させられる候補者数を計算して、候補者を選出している)。
他の特徴としては
- 福祉重視、ばらまき重視
- 憲法9条改正に後ろ向き・消極的
- 中国や韓国とつながりが深い
- 勝ち馬に乗って自分たちの意向を反映させようとする(常に与党になりそうな政党と組もうとする)
- 外国人にも参政権を与えたい
創価学会信者ではない一般人が投票するメリットは無いだろう。
日本共産党の特徴
全世界で失敗した共産主義を今でも奉じる政党。暴力的なテロを繰り返した歴史があり、警察(公安)の監視対象。危険。与党になった場合、日本がどうなるかは悪い意味でわからない。現代ではソフトなイメージを前面に出して、一般人から引かれないようにしている。党派的であり、党内で異論を持つことは許されない。
- 福祉重視、経済軽視
- 憲法9条改正に反対。国防無視。
- 目標は日本転覆?日本壊滅か?
市民ネットの特徴
さわやかそうなイメージを印象づけたい左翼政党。政策内容は、立憲民主党や共産党と近い。生協が母体?
日本維新の会、大阪維新の会の特徴
大阪では小さな政府(都構想)を掲げ、効率的な政府運営を目指す。国政では自民党とそれほど差がない。野党であるだけ、しがらみの少ない発言を行える。党創始者の橋下徹氏は、国防重視ではないので、彼が政治家に復帰した場合は逆に注意が必要。
- 効率的な行政を重視(公務員の削減、議員報酬のカット)
- 憲法9条改正に賛成
- 経済重視、常識的、現実的
- 大阪で強い
希望の党の特徴
小池百合子都知事が都民ファーストを立ち上げた際に、それの国政版として作られた。自民党ではないフレッシュで中道的な野党を目指して結党されたが、ほとんどのメンバーは立憲民主党か国民民主党に移動した。その結果、現在残っている議員は、自民党と考えが近い保守的な議員ばかりである。
- 現実的、常識的
- 自民党と近い考え
都民ファーストの特徴
小池百合子都知事が清新な印象を与えたいがために東京で作った政党。しかし現実には、小池都政には失政が多々あり、離反する政治家が相次いだ。今となっては、何をしたいのかわからない政党。
NHKから国民を守る党の特徴
NHK制度の不合理さを説き、NHK制度改革を訴える一点突破の政党。多くの国会議員がメディアを敵にまわす事に消極的なため、NHKから国民を守る党の存在はNHK制度改革や放送制度改革を促す効果がある。都市部でのチラシ配りとネット配信で浸透中。
現在、地方議員10数名、国会議員ゼロ。
- NHKのスクランブル化賛成
- NHKの肥大化反対
幸福実現党の特徴
幸福の科学が母体。政策は自民党よりも右寄り。国防重視で小さな政府を理想としている。
- 憲法9条改正に賛成。国防重視。
- 小さな政府重視。各種減税に賛成。
地方議員20数名、国会議員はゼロ。
日本第一党、日本国民党の特徴
自民党よりも右寄りの政党。
- 超国防重視、スパイ防止法に賛成
- 移民受け入れに慎重
- 中国、韓国、北朝鮮等に対して強硬的
地方議員わずか。国会議員はゼロ。
2.ブログ、SNS、公式サイトを見る
現代では議員側からも情報発信をしている事が多い。フェイスブック、ブログ、ツイッター、公式サイト、ユーチューブで候補者がどのような政策を訴え、どのような人柄であるか確認するといいだろう。
3.誰が応援・推薦しているかを見る
その候補者をどんな人が応援、推薦しているかを見ることで、候補者がどれくらい信用できるかがわかるだろう。また推薦・応援している人と候補者の価値観は近いと見るべきだろう。
4.言いにくいことも言っているかを見る
誰にでも言えるような事を言っている政治家にはそれほど価値はない。税金をばらまくだけの政策なら、口にしやすい。「福祉の充実」のような政策なら誰でも言えるわけで、わざわざその人が政治家になる意義は少ない。また、実現不可能な甘言で国民から支持を得ようとする政治家候補も言語道断である。
世の中に価値のある政治家は、耳に痛い事、有権者に嫌われるかもしれない事もきちんと発言している政治家だろう。
5.顔
やはり本人の人柄は顔に出やすいものだ。誰を選んだらいいかわからない、と思った場合、顔で選ぶのもいいだろう。
しかし、イケメン・美女は政党の看板として使われるだけで、本人は大したことがないこともある。イケメンや美女が政治家としてのいい顔でない事もあることは覚えておくべきだろう。
★政策について注意するべき点★
各政党は違った政策を掲げている。それらの政策を吟味する時は、下記の点についてよく考えるといいだろう。特に憲法9条や、反原発、移民受け入れの拡大について考える際に下記の点を問うのは有効だろう。
- 外国でもそのような政策は実行されているのか、そして成功しているのか?
- 本当に科学的なのか?印象で語っていないか?
- 誰にとって利益になり、誰にとって不利益になるのか?
- その政策に税金が使われる価値があるのか?
以上、選挙の際にどうやって候補者を選ぶといいか私なりの助言を書いた。バイアスがかかっている面もあるだろうが、それほど的外れでは無いだろう。
コメント
先日、NHKのネット放送を視聴できる環境があれば強制契約・強制徴収を決めたばかりだから、反動でN国党が伸びると思います。
>竹槍さん
小野田きみ議員のツイートによれば、まだそこまでには至っていないようです。
https://twitter.com/onoda_kimi/status/1103227694940999680
しかし将来的にそうなるかもしれず、N国党にとっては追い風ですね。