不況とネットのおかげで政治家の質は上がった!?

今から10年くらい前、日本はすでに不景気といえば不景気だったが、就職先としての議員・政治家はそれほど注目を浴びていなかった。

だからChikirinさんが、「パンが無いならケーキを喰え的 立候補の勧め」(2011年2月)という記事を書いて、市町村議員が就職先として狙い目であることを示唆したりしていた。

実際、フワっとした風に乗って、流行りの政党の公認として立候補すれば、市町村議員ぐらいなら簡単に当選できるような印象があった。流行りの政党とは、みんなの党だったり、維新だったり、都民ファーストだったりの、何か目新しい感じがした政党である。

しかし、そうした緩さは年々少なくなってきていて、まともな経歴の人、本当にしっかりした人が政治家を志望するようになり、おかしな人は政治家の中から年々減ってきているように思う(ただし、元々おかしな政党は、おかしいので、おかしな人を公認に選ぶ・・・)。

特に自民党の公認で出てきていて、二世では無い新人候補者の質は上がっているように思う。しかも、相当華麗な経歴の人でも、選挙区の様子を見る限り、当選できるとは限らない。

このようになった原因は、議員が有望な就職先として認知されだしたからかもしれないし、ネットを通じて政治に関する言論が浸透し、真に公益のために働こうという有志を触発したからかもしれない。

また、ネットを通じて選挙に関する情報を得やすくなったことから、議員報酬が高額で当選しやすい選挙区についても調べられるようになった。このような情報もまた政治家の質を高める方向に働いただろう。

第二の野々村竜太郎は出てこない

かなりの変人だった野々村竜太郎氏。彼は維新風味を装って、市議ではなく、県議に当選したわけだけれども、彼のようなタマは県議レベルでは二度と現れないだろう(二世議員なら現れるかもしれないが)。

政治家の質が保たれないのはむしろ国会議員の小選挙区か

こうした政治家の質の向上を見れば、日本の未来の政治状況は明るい。

しかし、市議や県議はいいけれども、そもそもの候補者になるのが難しい国会議員の小選挙区ではまだ議員の質が練磨されきれていないように思う。二世、三世議員がざらで、そのポジションを叩き上げの議員が奪うのは難しい。

今後は、国会議員の小選挙区の議員の質がもっと上がっていくことを期待したい。