アゴラの復調はまとめサイト風記事のおかげ?

アゴラ編集長、新田哲史氏の記事(ブログ論壇は(ひょっとして)終わってしまうのか?)によれば、アゴラは昨年10月をもってヤフーニュースへの転載を打ち切られ、アクセス数が激減したらしい。

しかし、アクセス数は「スタッフの知恵を結集し、ある施策を講じて年明けから急回復し、最近はYahoo!ニュース配信時代に匹敵しつつある」そうだ。

その「スタッフの知恵」の具体的な内容は記事中で明かされていないが、その内容はまとめサイト風記事の作成なのではないか、と思えるくらいに最近のアゴラのアクセスランキングは、アゴラ編集部作成のまとめサイト風記事に席巻されている。

下図は本日の週間アクセスランキング。10位中、3記事がアゴラ編集部の作成したまとめサイト風記事となっている。

agora週間ランキング

アゴラ編集部は、その時々の話題の出来事を、ツイッター等を引用してわかりやすく説明し、さらに生じうるツッコミや各界の識者(?)の反応を紹介して読者の興味を満たしている。

まとめサイトが作成した記事と言えば、以前は高邁なブロガーからは下に見られていたように思うが、まとめサイト風の記事には、何か読者の興味を引きつける要素があるようだ。アゴラ編集部が作成したまとめサイト風記事であれば、なおさら高水準の出来になるはずで、読者の鑑賞にも耐えるに違いない。

しかし、こうした記事がランキングの上位を今後も独占するようになった場合、これまでブロガーがしこしこと書いていた長文のブログって一体なんだったの?という事にもなりそうである。

知恵を絞って書いた長文よりも、出来事と各人の反応をまとめた記事の方が好まれるのであれば、経営的な観点からすれば、「まとめ」に傾注した方がいい事になる。

アゴラ編集部が作成したまとめサイト風記事がランキングをさらに独占するようになれば、論壇サイトのアゴラ自体が論壇を殺すことになりかねない。

今後のアゴラは、読者のニーズと、社会的に意義のある記事を読者に届ける事のバランスが問われそうである。