3月決算企業の決算がほぼ出終わり、今期の業績予測が開示された。
そこで目につくのは、半導体や機械などの企業が「2019年度は後半から回復する見込み」として、上期控えめ、下期強気な予想を作っている企業が多い点だ。後半から回復するとされているのは主に中国市場である。
しかし、このシナリオは、米中の貿易に関する協議が一定の合意に至り、中国の国内景気刺激策が効果を発揮するという前提に基づいているはずだ。
現実はどうかといえば、米中の貿易協議は決裂に終わり、米国からの新たな制裁が始まっている。しかもこの制裁はあくまで、ジャブ程度のもので、本格的な経済攻撃はこれからもっと進展することが予想される。
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ファーウェイ以外の、エンティティリストに載っていない中国企業にも、米国の特定分野の製品が中国に輸出されなくなる可能性がある。
どこかの企業や日経新聞が言い出した「2019年の中国市場は下期から回復する」という予測は、合理的な予測というより希望的な観測であって信じない方がよさそうだ。