サティア・サイババの死と復活に関するあれこれ

サティア・サイババは2011年4月24日に亡くなった。氏は1990年代の日本で、その奇跡現象を中心にテレビで取り上げられたので、ある程度年齢がいっている人は氏の事をご存知だろう。

日本ではオーム真理教事件が起こったり、サイババが行っている奇跡現象は詐欺(トリック)だと主張する人が現れたり、サイババに性的ないたずらをされたと主張する者が出てきたりしてサイババブームは忘れ去られた。

サイババが詐欺師なのか、性的ないたずらをするような人間なのかは各自の判断に任せたいが、私は複数の書籍や証言からサイババは氏が主張するように神の化身だったと考えている。

この記事では、サイババの死後に起こったあれこれについて簡単にまとめておきたい。各種各様の主張が成されていて、わからない人にはよくわからない状況になっていると思われるからである。

サティア・サイババは自身が予言した年よりも早く亡くなった

サティア・サイババは生前、自分の死期について何度か言及していたが、実際に死亡した月日はそれよりも数年早いものだった。一体なぜ、サイババともあろう人が自身の死期を予想し間違えるのか、と信者の一部は思っただろう。なぜサイババの死亡日がサイババの予言と食い違ったのかは不明である。

サティア・サイババ復活節を唱える人たちが現れた

サイババが自分の予言した死期よりも早い時期に亡くなったことから、サイババはサティア・サイババの姿のままで復活されるのではないか?という予想が一部の人から持ち上がった。

それをきっちり本にして書かれたのが、シュリージット・ナーラヤンという人で「サイ、あなたの御国が来ますように シュリ サティヤ サイババの「復活」の可能性についての考察」という電子書籍(PDF)になっている。日本語訳もあって、こちらから無料で読むことができる。

この本の内容を元にして、サティア・サイババの復活を信じているのが、サイババ関連のブログでは有名な「サイババが帰ってくるよ」の著者(張世潮氏)であり、彼の予想を信じる山田高明氏らである。

山田高明氏の記事:張世潮さんの「神様との約束エピソード」はなぜお勧めか?

張世潮氏や山田高明氏らは、サティア・サイババがサティア・サイババの姿のままで復活されるのではないかと予想している。

サティア・サイババが自分の体を通して話をしていると主張する人が現れた

一方で、サティア・サイババは微細体として既に復活をしていると考える人達もいる(微細体というのは、霊体とか精神エネルギーのようなもの?)。

日本では翻訳家の牧野元三氏らである。牧野氏は「げんさんのブログ」というブログを書いている。で、牧野氏らはサイババが幽霊のような姿で復活し、各地で姿を現していると考えているのかというと、そうではない。

サイババの微細体が、マドゥスーダン・ナイドゥという人の体を借りて、講話をしたりしていると考えている(多分)。牧野氏はマドゥスーダン氏の体を借りて、サイババが行った講話の翻訳作業を現在行っているようだ。

マドゥスーダン氏が本当にサイババの微細体からメッセージを受けて話をしているのか、サイババの名を借りた詐欺師なのか、当然意見は割れている。

サティヤ・サイ・オーガニゼーションというサイババ関連の団体は、マドゥスーダン・ナイドゥ氏を批判している。

http://www.sathyasai.or.jp/ashram/news_pn/npn20151020_20150719.html

こちらの日本人の方は、実際にマドゥスーダン・ナイドゥ氏を見に行って、彼は本物ではないかという感想を書いている。

マドゥスーダン・リンガム物質化

上の記事にあるように、マドゥスーダン氏はリンガム(インドにおける聖なる石のようなもの)を吐き出している。リンガムを体内から取り出すのは、インドの聖者とされる人たちがよく行うことである。↓の動画の47~48分。

リンガム動画を紹介しておいてなんだが、私は彼の下記の講話を読む限り、彼は詐欺師ではないかと思う。

2019年1月21日に行われたマドゥスーダンさんのお話の後の質疑応答(その1)

随所に黙示録的な、信じる者は救われるが信じない者は不幸になる的なニュアンスが散りばめられている。サティア・サイババはこういうくだらない話はしなかった。恐怖を餌にして人の行動を変えようとすることは、下賤なやり口である。

2019年1月21日に行われたマドゥスーダンさんのお話の後の質疑応答より(その2)

この講話も変だ。50年後には人類の二人に一人が悟りを開いているとか、内容的に下品である。真に優れた人は未来について軽率な話はしない。

サティア・サイババはそもそもインドにまた生まれてくることを予言していた

サイババ信者の多くが、これらの事柄(復活についての予想、微細体としての活動?)に心底、心を動かしたりしているかというとおそらくそうではないと思われる。

というのも、サティア・サイババはプレマ・サイババとして転生してくることを生前に予言しているからである。

かつてインドで熱心に宗教活動をされた人がいて、その心に打たれたインドの神は3回、人間として生まれてくる事を約束した。その1回目が、シルディ・サイババ(生年不詳 – 1918年10月15日)で、2回目がサティア・サイババ(1926年11月23日 – 2011年4月24日)、3回目の転生がプレマ・サイババである。

プレマ・サイババは既に生誕されているかもしれないし、まだかもしれないが、仮に20歳くらいから活動を始めるとすると、2040年くらいにはプレマ・サイババの活動を拝める事になる。

だから、サイババ信者としては、サティア・サイババがサティア・サイババの姿のままで復活されるのかどうかとか、サティア・サイババの微細体がマドゥスーダン氏の体を借りて活動しているのかどうかについて、それほど真剣な関心を持っていないのではないだろうか。