中国の本気度と米国の本気度を知るためのおすすめ書籍8冊

日経新聞や日経の記者のツイートを読んでいると、「わかってないな」と思ってしまう。何が分かっていないかというと、中国の底意をまず分かっていない。だからそれに対するアメリカの本気の対策についてもピント外れになる。

KAZUYA氏が中国国防大学教授で「中国の夢」の著者・劉明福氏のインタビュー記事を紹介する動画を作っているが、この動画から「中国の底意」がやや理解できる。

劉氏はもちろん曖昧な言い方をしているが、その意味するところを常識を使って推し量ると、劉氏や中国共産党の夢がかなり危険なものだとわかる。

そしてKAZUYA氏も紹介しているマイケル・ピルズベリー著「China2049」は中共の野望の時間軸や射程が分かっておすすめである。これを読むと大抵の人の中国観は変わるだろう。中国共産党理解にもっともおすすめの書籍だ。

私が以前にこの本を読んだ時の感想は下記記事に書いた。

参考記事:中国の世界支配計画は1940年代から続いている(中国の100年マラソンについて)

これとピーター・ナヴァロの「米中もし戦わば」は中共を理解するのにも役に立つし、アメリカの保守派がどのように中国を捉えているかを理解するのにも役に立つ。

ナヴァロの本を読んだ当時に書いた記事は下記。

参考記事:米国が中国製品に高関税を課すのは賛成、日本もやればいい

参考記事:ピーター・ナヴァロ「米中もし戦わば」は米国でどのように受け止められているか?

これらの本に書かれているような中国の底意を理解せずに、日経新聞や地上波テレビから得た知識で「落とし所」を安易に想定すると間違うと思う。

参考記事:アメリカ・エリートの意見が「中国共産党ぶっ潰す」でまとまったらしい

アメリカの政策が直近、どのようなものになっていくかについては渡邉哲也氏の著作・ツイート・メルマガがおすすめだ。

大所高所からではなく、「市民的な観点から現代中国を知りたい」という人には、福島香織氏の著作がおすすめだ。

これらの本は稲川淳二の怪談より100倍は怖い。

中国政府の支配網、ネットワーク網はどのようなものなのか理解するには下記の本がいいかもしれない。

この本は2015年くらいに民主的な中国人が当局から目をつけられて、東南アジアに脱出する様子を書いた本だ。2015年時点で相当な監視網が完成していることがわかる。現在ではさらに精緻な監視網が中国内に敷かれているだろう。

現代中国の成り立ちについては、物語風に読めるので下記の2冊がおすすめだ。

どちらも中古本であれば数百円で買える。

中国に対峙しているトランプは本当に責任感のある男だ。中国退治は誰かがやらなければならなかった仕事だが、皆に嫌われる汚れ仕事なので普通はやりたがらない。特別視されていた中国への見方を修正し、株価の下落に耐え、企業に各種の施策を強いなければならない。

短期的な戦争リスクは高まるし、投資家や企業家から文句を言われかねないし、中国の表面しか見ていない人間からは「イジメ」だのなんだの言われるだろう。しかし、「China2049」や「米中もし戦わば」を読んで、本当の中国を理解すれば、中国を放置することは人類にとってよくないことだとわかる。戦争に至らずに中共を壊滅させられれば、トランプの名前は偉大なものとして後世に残るだろう。