今になって「年金が少ない」とか、「年金だけで老後の生活ができない」とかいう不満がニュース(?)になっているが、昔から年金額がいくらになるかはわかっていたことだし、いまさらなぜ騒ぐのか理解できない。
特に国民年金の支給額は、満額でも1年で80万円弱なのだから、国民年金だけで暮らすのが困難なのは自明だ。
厚生年金の支給額は、収めた保険料によって変わってくるけれども、ねんきん定期便にいくらくらい貰えそうなのか書いているのだから、普通の大人は将来貰える年金がいくらくらいになるか知っているはずである。
年金制度がどのような状況であるか、秘匿されていたわけではない。年金制度がやばいというのは、20年前に私が大学生だった頃から経済学者の間では常識だった。日本の社会保険制度の欠陥を説明した本も昔から売られていた。
支給年齢が後ろにずれたのは確かに感じが悪いが、年金はそもそも積立制ではなく、世代間付与方式なのだから、老人が長生きをして、少子化で現役世代の割合が減れば、状況が悪化するのは当然である。
年金が少ないと文句を言う人ほど、消費税増税に反対していそうなのもおかしい。というのも、基礎年金の財源の半分は税金だから・・。
また、消費税増税もせず、日本の財政に対する信頼が落ちてインフレになったら、年金受給者は割を食うことになる。物価が上がっても、年金は物価上昇率よりも低く上昇する仕組みになっているからだ。この制度だって最近できたのではなく、安倍政権以前(2004年)にできた制度だ。
もっと貰いたい、でも払いたくない。気持ちはわかるが、広瀬隆雄氏が言うように自助の精神でもっと努力・工夫をしたほうがいいように思う。
その「国がああするべき、こうするべき」という事ばかりを議論したがる神経が、僕にはどうしても理解できない。
他力本願になる前に、自分で出来ることは山ほどあります。
僕はそれを考えるのに忙しすぎて(国がショボイ)とかを嘆いている暇はありません。 https://t.co/YV67ScH2SO— 広瀬隆雄 (@hirosetakao) 2019年6月5日