なぜ政治的中立を志すメディアや言論人は人気がでないのか?(中立メディア=コングロマリット企業説)

保守系の発言や情報発信で人気がでかかった人物やメディアが、方向転換をして中立的なあり方を志すようになると人気がでなくなる。少なくとも私はつまらなくなったと感じる。

例えば、「海外ニュース翻訳情報局」というサイトは、左右中道を意識するようになってからつまらなくなったと私は思う。

【編集部コラム】編集長の独り言

アゴラで右寄りの論客としてほぼ同時期に現れた藤原かずえ氏と、梶井彩子氏。前者が基本的に右寄りのスタンスを崩さずに人気を博し、ツイッターのフォロワー数が3万を超えたのに対して、ニュートラルであろうとする梶井氏はフォロワー数1300台である。

私は産経新聞のネット版を購読しているが、産経が時折、微妙にリベラルな記事を載せているのを見るとイラッとする。そういう意見を聞きたくて産経を買っているんじゃないのに、と。

中道であろうとすることでメディアや言論人が、読者から失望されるのは右に限ったことではなく左にもある話で、コアな左翼からすると、朝日新聞はまだ手ぬるく感じられるらしく、朝日が少しでも中立的な記事を書くと左翼層の読者からクレームが来るらしい。

中立であろうとするメディアは、複数事業を行う企業のようなもの

なぜ「中立であろう」とするメディアや言論人は人気がでなくなるのか?

その理由を説明できそうな理論を考えた。それは、私達は基本的にメディアに対して自分が好む割合で分散投資をしているというものだ。

投資家が株を買う時には、自分の投資判断に合わせて、複数の企業を最適と思われる割合で組み入れて分散投資をする。ポートフォリオを作る。

その際に厄介なのは、複数の事業を行っている企業(コングロマリット)である。こういう企業は、事業が複数あることからポートフォリオに組み入れづらい。複数ある事業のうち、Aが良くても、Bが良くない事があるからである。Aをやっている事業とBをやっている事業を分けて、会社分割をしてくれれば、事業Aをやっている企業の株だけ買うのにと思える。

例えば、ゲオホールディングスは、CDレンタルなどのゲオ事業と、中古品買い取りのリユース事業(セカンドストリート)をやっているが、私はセカンドストリート事業にだけなら投資をしたいと思うことがある。しかし、実際にはゲオの株は、衰退しているCDレンタルのゲオ事業と、成長中のリユース事業の混合なので買いにくい。

中立であろうとするメディアは、このコングロマリット企業に似ている。

投資家からすれば、中立な情報のポートフォリオは自分で作るのだから、それぞれの情報発信者はそれぞれの癖・偏向を持ったままでいてほしいのである。保守系のメディアには、保守系の記事を、左翼系のメディアには左翼系の記事を書いてほしい。

読者はそれらの情報群の中から、目的にとって最適な情報群のポートフォリオを組む。

中立であろうとするメディアや言論人は、この読者が行う情報の取捨選択を自ら行おうとすることで魅力を失っているのである。大紀元に人民日報風の記事が混入していたら、その中立ぶりがうっとうしくて誰も読みはしない。

コングロマリット企業は投資家から高く評価されず、ディスカウント評価される。中立志向のメディアや言論人は、同じ様な割引評価が心理的に成されているのだと思う。

補足:地上波テレビは変わるべき

情報の取捨選択は読者である私が行うから、産経は産経らしく、朝日は朝日らしくあってほしいと書いたが、地上波テレビはやはり変わるべきである。

新規参入が許されない状態の中、すべてのチャンネルが左傾して、右派的な報道が許されない空気が醸成されている。この状況はおかしいので、地上波テレビは右派的な報道を許すべきだ。

地上波テレビには、ネット動画や新聞・雑誌のように左右両方のメディアがあるのではなく、左寄りのメディアしかない。これでは、テレビしか見ない人は洗脳されてしまう。