昨年の今頃、2019年10大びっくり予想を書いてみましたという記事を書いて、2019年にどんなことが起こるかを予想してみた。「びっくり予想」なので、極端な予想が入っていることもあり、当たった予想は少ない。まともに当たったのは、NHKから国民を守る党が参議院選で1議席取ったことぐらいだ。
今回は、びっくり予想ではなく、普通な予想を書いてみたい。今の状況から合理的に予想できる事柄を多めにしてみた。
1.中国が再び韜光養晦路線気味になる
石平氏が産経新聞に書いているが、環境時報は
中国はアメリカの挑発をうまくかわして、「アメリカと強硬姿勢を競うのではなく、むしろ柔軟性と忍耐性の面でアメリカに勝るべきだ」
と主張しだしたそうだ。習近平が中国のトップになってからの強硬路線は、中国に対する反発と包囲網を形成したわけだから、環境時報の主張は合理的であるし、多くの中共幹部がこのように考えていることだろう。
習近平はメンツを重んじるゴリゴリの強硬派だが、こうした意見は多少なりとも採用され、中国は韜光養晦路線に振れると思われる。これによって、中国の表面的な態度はややおとなしくなり、2020年は2019年に比べて、やや平和な印象の年となると予想する。
しかし、それはあくまで表面上の事で、中国と西側諸国の対立は激しく続く。
2.フェイズワン合意を守っていない事を理由にトランプ大統領は再び中国への関税を上げる
中国と米国が結ぶ合意(フェイズワン)には、知的財産保護の項目が含まれる予定である。この合意の詳細はわかっていないが、知的財産保護を中国政府が履行できるとは思えない。
この件を理由に、トランプ大統領は再び中国への関税を上げると思う。合意が守られていないにも関わらず、罰が与えられないのであれば、中国の行動が変わることはないので、合意不履行に対しては制裁を速やかに発動すると思われる。
3.台湾では蔡英文が、米国ではトランプが選挙に勝つ
選挙関連では、台湾では蔡英文が勝ち、米国ではトランプが勝つと予想する。トランプの再選確率は低く見積もられているが、先日のイギリスの選挙のように、急進的左派となった野党が嫌気され、トランプが勝つものと思われる。
イギリスの選挙に関してはこの分析記事がためになった。
UK総選挙: ダグラス・マリーのコラム「英国の分断は、北 vs 南でも、赤 vs 青でもない。醜く非寛容な左派とその他の人々との間の分断である」を訳してみた
しかし、もしも民主党の最終候補にブルームバーグあたりがなったら、ブルームバーグが勝つかもしれない。ジョー・バイデン氏は中国と癒着している疑惑があるのでトランプに勝てないと思うが、変に癖のない候補が残ったら、民主党の候補が勝ってしまうかもしれない。
4.日本の衆院選挙は可もなし不可もなしな結果になる
2020年に衆議院選挙が行われる可能性が高いが、結果は可もなし不可もなしの、現状とあまり変わらないものとなると思われる。自民党の大敗もなければ、大勝もない。ネットによって、左派よりも右派寄りの意見の持ち主の増加数が多くなっているだろうが、大勢に影響を与えるほどではない。
NHKから国民を守る党は、ホリエモンや新庄剛志を候補に立てる予定のようだが、厳しい結果になると予想する。
5.韓国でやや歴史観の見直しが進む
「反日種族主義」がベストセラーになったこともあり、これまでの史実に基づかない歴史観を韓国人が多少は見直すものと思われる。しかし、こうした動きは遅々としか進まないので、大勢に影響を及ぼすほどではない。
6.日本の株価はアメリカ次第、大きく下がることも大きく上がることもない
2020年の日本の株価(特に日経平均)はアメリカに追随する事に終始し、個別的な動きを見せないと思われる。
アメリカ株が大きく下がるとすれば、民主党のアンチ資本主義系の候補(エリザベス・ウォーレン、バーニー・サンダース)が大統領選に勝った場合だろう。2020年の8、9月に民主党の候補が決まるが、民主党の候補がウォーレンやサンダースになった時点で株価は軟調になると思われる。
どうなるか予測不能なトピック
どのように事態が動くか予想しにくいのが、北朝鮮と香港だ。北朝鮮は再び強硬路線をとりつつあるが、この国がどうなるかは予測できない。
香港の動きも予測できない。5大要求が採用されるということはないだろうが、天安門事件クラスの虐殺が行われるとも思えない。予測不能である。
↓年末はこの本を読んで、来年の投資の参考にしたい。