アゴラがロビイスト的であったらもっと世の中は違っていただろう

BCGワクチンがコロナウイルスに有効、特に日本で使われている東京株は効力が高そうだというデータが出ている。

この発見は日本にとって、まさにゲームチェンジャーになりうるネタだったが、結局、政治家にはそれほど取り上げられず、緊急事態宣言は全国が対象になってしまった。

いくつかのメジャーなメディアでもBCG仮説は取り上げられたが、「因果関係はまだ証明されていない」とか、「大人が今、接種しようとするのは避けるように」といった冷静な行動を促す論調のものばかりで、「もしこの仮説が本当なら、そもそも自粛自体必要ないのでは?」という前向きな議論には至っていない。

緊急事態宣言や自粛をうながす政府の行動によって、多くの経済被害が生じるだろう。なんとど田舎のイオンモールのテナントまで休業してしまうのだ。自粛や休業によって減少する死者数は不明だが、これまでの死者数の推移を見る限り、他の死因と比べて、大した数ではないだろう。一方で経済に与えるダメージは明確で、相当数の破産、解雇、失業が生じる。

もしも、BCGワクチン仮説がもっと積極的に考慮されていたら、緊急事態宣言も出ず、無駄な経済被害も発生しなかったかもしれないので、私はこの仮説の注目度が低かったことが非常に残念だ。

このBCGワクチン仮説を熱心に追っているのが、論壇サイトアゴラだ。アゴラは最近までサイトが重かったので、相当アクセス数を増やしたに違いない。ニュースメディアとしては大成功だろう。

しかし、アゴラが推す意見はほとんどいつも政治家には採用されない。なぜなら、アゴラはロビイスト的ではないからだ。保守層ほど明確に票を持っていないからだ(潜在的な票数はかなり持っていると思うが)。

保守メディアの代表格である虎ノ門ニュースは、毎回70万回程度視聴される。政治家がゲストに呼ばれる。コメンテーターが総理に食事に呼ばれる(百田尚樹氏と有本香氏)。相互にウィンウィンの関係があり、保守系の意見はある程度考慮されている(と思われる)。同じメディア、評論家であっても、虎ノ門ニュースはもっとロビイスト的なのである。

もっとアゴラがロビイスト的で、政治的指向を同じくする人たちの票を取りまとめて、政治家に意見を採用させられるような力があったら、日本の政策は変わっていたかもしれないのにと思う。