多くの歌手の楽曲を月額定額制で聞けるサービスが流行している。私はyoutube musicを使っているが、このサービスが素晴らしい。
歌手の公式の曲が、古いアルバムも最新のアルバムも聴けてしまう。ユニコーンを例にすれば、再結成後の楽曲はもちろん、解散前の古いアルバムも全て揃っている。
あまり商売っ気のなさそうなゆらゆら帝国でさえ、全アルバムが聞ける。
これまでは、昔好きだった歌手の曲を聴くために、中古のCDをわざわざ買っていたりしたが、その必要はなくなってしまった。
神聖かまってちゃんが「児童カルテ」というアルバムを去年出した時は、CD版が出たのが、2020年1月8日だったのに対して、デジタル版は2019年11月にはリリースされていた。本の場合、先に紙バージョンが出て、数日遅れてキンドル版が出るが、音楽のデジタル版にはそのような遅れはないのかもしれない。
昔は、新しいアルバムを聴くとなると、買うか、ツタヤなどに行って、レンタルしてダビングするしかなかったが、今ではクリックひとつで新譜が聴けてしまう。
全く知らない歌手の曲をアルバム単位で聞いてみるのは、かつてはちょっとした冒険だったが、今ではノーリスクで新規の歌手の曲を聞いてみることができる。
これらのサービスで歌手の側の収入がどう変わったのかはわからないが、聴き手の側にとってはよいことづくめだと思う。
時間を持て余していた学生時代には、たくさんの音楽を聞いていたが、今、こうした月額定額制サービスを手にして、再び多くの歌手の音楽を聞くようになっている。
そして実際に聞いてみると、今でも素晴らしい歌手は見つかるのである。
今の日本で、商業的な要素と芸術的な要素を両立させているバンドで優れているのを挙げろと言われれば、サカナクションとゲスの極み乙女がトップ2だと思う。
ゲスの極み乙女の新譜「ストリーミング、CD、レコード」はとてもよかった。若かりし頃感じた、音楽による感激を再び味わえた。他のサービスではどうか知らないが、youtube musicでは無料会員でも全曲聴けると思う(というか、ユーチューブに全曲がアップされている)。
最近知ったのだが、ゲスの極み乙女の川上絵音の仕事量はすごい。ゲスの極み乙女、indigo la End、ジェニーハイ、ichikoroなどのバンドを同時進行でやりつつ、DADRAYに楽曲提供している。漫画家で言うなら、手塚治虫並の仕事量である。
なんにせよ、こうした音楽サービスはとても便利だ。youtube musicなら、ユーチューブに上がっている動画をそのまま音声として聴くこともできる。また無数にある曲の中から、自分の好きな曲を集めてプレイリストを作ることもできるし、有料会員になれば、一定の曲数をオフラインにダウンロードしてネットがつながらない環境でも音楽を聴くことができる。
余談:歌手にはライブ盤DVDをもっと音源化して欲しい
DVDが登場する前は、歌手はライブを収録したアルバムを発売していたが、いつの間にかライブ音源は、DVDで視覚映像と共に楽しむものという風潮になってしまい、ライブアルバムは出なくなってしまった。
しかしDVDだと車を運転しながら聞いたりできないので、歌手にはライブDVDの音源のみのバージョンを出してほしい。今でも音源のみのライブアルバムへの需要はそこそこあると思う。