2020年は、作為とそれに反対する活動(反作為)が先鋭化し、あらわになった年だと思う。
作為とは、特定の目的を持って、特定の集団が世界を特定の方向に導こうとする活動を指す。一方に偏った情報ばかりがメディアで流され、学者が同調するような発言をする。それに対する反論は、まともなものであっても黙殺される。政治家(特に左側の政党、アメリカでは民主党)が実現に向けて動く。教育機関においては、若者がその価値観が正しいと洗脳される。
こうした作為が、やり方が強引であったがゆえに随所で観察され、それに対する反論も過熱したのが2020年だった。
2020年に先鋭化した3つの作為
1.地球温暖化対策が必要だという作為
現在では、何の利益が人類にあるのか不明であるにもかかわらず、「温暖化反対」が叫ばれ、また、地球温暖化と二酸化炭素排出量の間に因果関係があるのかどうか不明であるにもかかわらず、二酸化炭素排出削減が目標として掲げられる。それに付随して、一部の地域でガソリン自動車が廃止されようとしている。
温暖化対策が人類にとって喫緊の課題であるかどうか不明であるし、対策を取ることの費用対効果が不明であるにもかかわらず、誰かが音頭を取って、世界中の大衆を導こうとしているように見える。普通に推論を働かせるなら、ここにはなにか作為があると考えるだろう。
2.コロナウイルス禍で現れた作為
また、コロナウイルス騒動に関しても、多くの作為が見て取れた。既存薬や既存のワクチンでコロナ対策に使えるものは、ほとんど無視されるか軽視され、新薬と新ワクチンが出現しなければならないかのようにメディアと政治家は振る舞っていた。
BCGワクチンがコロナウイルスの死亡者数を数十分の一に減らせそうなことは、今年の4月頃にはわかっていたのに有名な政治家は誰もこれに触れなかった。既存薬で効くものがあると主張して、ツイッターアカウントを凍結された医師もいるらしい。
マスクの着用が感染減少にそれほど影響がなかったという調査論文は注目されなかったし、ロックダウンの無意味さを主張する論文なども重きを置かれなかった。
逆にPCR検査数は多ければ多いほどいいという謎の主張が世界中でなされ、日本にも同調者が現れた。
コロナウイルス騒動下においては、少なくとも次のような作為が働いていた。
- コロナウイルス治療・予防には、新薬と新ワクチンが絶対に必要だとさせたい。
- ロックダウン政策と積極的なPCR検査で健全な社会活動を阻害したい。
3.アメリカ大統領選挙に関する作為
アメリカ大統領選挙においては、多くの違法行為が行われた。それが選挙結果を覆すほどだったのかどうかは、正確な調査がされていないのではっきりとはわからない。私は違法な投票を削除すれば、トランプ氏が勝っていたと思う。
多くの違法行為があったにもかかわらず、それらはメディアで等閑視され、メインストリームメディアが応援するバイデン氏の勝利が既成事実化されてしまった。
非常にわかりやすい作為というか、押し付けとしては、ツイッター社がトランプ大統領のツイートに一々注釈を付けている事実がある。
2020年のアメリカ大統領選挙においては、「何があってもトランプは退陣させなければならない」という非常に強い作為が見て取れた。メディアだけがそのように活動したのではなく、多くの組織がバイデン勝利達成に向けて動いたことがうかがえた。
コロナウイルス対策としてロックダウンが推奨されたのも、トランプ打倒のための道具立てだったのではないかと疑えるほどである(ロックダウンを理由に、不正を行いやすい郵便投票を活用できるから)。
強引な作為のもとで、反・作為が活気づいた
作為の例を3つ挙げたが、世の中には他にもまだまだ作為があるだろう。
しかしSNSで個人や独立したメディアが情報発信できるようになった結果、作為に対する反論も数多く現れた。
虎ノ門ニュースの視聴回数が100万回を超えることが珍しくなくなってきたり、幸福実現党の外務局長(及川幸久氏)が発信するユーチューブ番組が平均して40万回ほど視聴されたりしている。以前はキワモノ扱いだった大紀元(エポックタイムス)が、現在ではネットメディアの一角を担っている。
このような状況は、数年前には予想不可能だっただろう。
作為を行う側は、反・作為の言動を陰謀論として取り扱うことが多い。実際、反・作為側の個人や独立メディアの情報にはただの希望的観測や、誤りも多い。しかし、一定の真実を含んでいるから、彼らの情報が人気を博するのである。陰謀論として、全て切って捨てるのは誤りである。
万華鏡化する世界に現れる、無視できない謎のチームワーク
地上波テレビのようなメインストリーム(作為)側の情報を見ている人と、反・作為側の情報を見ている人との間では、世界が全く違って見えるはずである。
大紀元を熟読する人と、地上波テレビしか見ない人の間で、政治に関して、双方に納得感のある議論が成り立つとは思えない。
トランプ氏の出現以来、世界は分断を強めていると言われるが、実際には作為側と反作為側が多分野で活気づいた結果、世界は単純に二分化しているというより、万華鏡化している。
もともと我々は、同一の世界にいながら、バラバラの夢を見ているような状況であった。ただ、かつては、同一の世界にいながら、同一の夢を見ているのだと思いこんで生活することができた。
しかし、昨今の情報発信の多様さによって、各自が各自の世界を生きているということがよりはっきりしてきた。我々は同一の世界にいながら、バラバラの夢を見ている(全く違った知覚をしている)ことが、常識になっていく途上に居る。
そうした認識とは別に、世界を特定の方向に動かそうという謎のチームワークが、より多くの人の世界観に登場してきている。来年以降もこの流れは変わらないだろう。