エイブラハム・ホッファー、アンドリュー・W・ソウル著、中村篤史訳「オーソモレキュラー医学入門」は非常に有益な本だ。家庭で、あるいは病院で栄養療法の知識を応用できるようにコンパクトにまとまっている。
しかし、本はやや高価で(5,280円)、ページ数は408頁ある(索引除く)。忙しい人や結論だけ知りたいという人のために、この本にどんなことが書いてあるのか、結論だけを抽出してまとめてみた。
どれくらいの容量を摂取するのがふさわしいのか、本には書いてあるが、その部分は書かなかった。
ナイアシン(ビタミンB3)
ナイアシンによって回復が見込める症状
(1)ペラグラ(ナイアシン欠乏症=皮膚炎、下痢、嘔吐、便秘、認知症などが起きる)
(2)関節炎
(3)統合失調症
(4)高脂血症
ナイアシンの治療効果
・LDLコレステロールを下げる。
・血中の中性脂肪を下げる。
・脂質タンパクを下げ、HDLを上げる。
・遊離脂肪酸の流動化を抑制する。
・腸の透過性を修復して正常化する。
→結果として死亡率を減らし、寿命を延ばし、動脈硬化による害を軽減させ、脳卒中や冠動脈疾患を減らす。
(5)血管障害(血管拍動性の頭痛、局所的な欠陥攣縮、網膜の痙攣によって起こる黒内障、脳血管性攣縮、末端攣縮症候群)
(6)学習障害と行動障害
(7)糖尿病
(8)アレルギー
(9)多発性硬化症(MS)
(10)ストレス
(11)アルコール依存症
(12)鬱
(13)老化
(14)紅斑性狼瘡(エリテマトーデス、LE)
(15)白斑症
ビタミンC
ビタミンCが有効な場合
(1)心臓病と心臓発作
(2)風邪
(3)ウイルス感染症と細菌感染症
(4)ヘルペス
(5)癌
(6)壊血病と潜在的壊血病
(7)ストレス
(8)アレルギー
(9)腎結石
(10)喫煙
(11)ヘロイン依存
(12)乳幼児突然死症候群(SIDS)
(13)皮膚線条(妊娠線)
※その他にクレンナー医師がビタミンC大量投与療法の有効性を見出した疾患が挙げられている↓
肺炎、脳炎、帯状疱疹・単純ヘルペス、単核球症、膵炎、肝炎、ロッキー山紅斑熱、膀胱感染症、アルコール症、関節炎、一部の癌および白血病、粥状動脈硬化症、椎間板ヘルニア、高コレステロール、角膜潰瘍、緑内障、糖尿病、統合失調症、やけど、虫さされ、熱中症、重金属中毒(水銀・鉛)、多発性硬化症、慢性疲労、外科手術に伴う合併症。
ビタミンE
ビタミンEサプリの効果
・生体組織の酸素必要量を減らす
・形成されたばかりの血栓を徐々に溶かし、塞栓を防ぐ
・側副循環を改善する
・創傷が治癒するときの瘢痕
・糖尿病患者の約4分の1でインスリン必要量が減少する
・筋力を刺激する
・毛細血管壁を保護する
・C反応タンパクおよびその他の炎症性マーカーを減少させる
・前立腺癌やアルツハイマー病の発症リスクを減少させる
ビタミンEはどんな風に効くか
(1)心臓病の予防および治癒
(2)血栓
(3)高血圧
(4)血管疾患
(5)肺の保護
(6)アルツハイマー病の進行を遅らせる
(7)癌
(8)糖尿病
(9)癲癇
(10)未熟児網膜症
(11)吸収障害症候群
(12)やけど(塗布)
(13)免疫機能の改善
(14)アンチエイジング
ビタミンD
ビタミンDが有効な症状
(1)骨粗しょう症
(2)くる病
(3)肥満
(4)多発性硬化症(MS)
(5)心臓病
(6)癌
(7)喘息
(8)糖尿病予防
(9)季節性情動障害
(10)強皮症および乾癬
(11)炎症性腸疾患
(12)副甲状腺機能亢進症
※本には、その他の栄養素についても記載があるが割愛した。以下のビタミン・ミネラルについて記載がある。
・ビタミンA、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、パントテン酸、ビタミンB12と葉酸、コリン、イノシトール、バイオフラボノイド、アルファリポ酸、必須脂肪酸、マグネシウムなど。