書き写し「猶太と世界戦争」愛宕北山著 序と目次

戦前に出版された表題の著書の写真版が国会図書館デジタルコレクションにあるので、こちらに転記(文字起こし?)してみた。漢字表記等は読みやすいように現代風に直し、句読点を追加した。愛宕北山は、ドイツ文学者の奥津彦重氏のペンネームだったようだ。

見間違いや、私の知識不足による漢字変換間違い、誤記があることをご了承下さい。

ユダヤと世界戦争 愛宕北山著 ダイヤモンド社

世界的規模において戦われつつある今次の大戦は、はたして枢軸国家群対反枢軸国家群の戦争という一事によって全部的に説明されうるであろうか。またそれは、暴慢なるアングロサクソン民族に対する被圧迫民族の戦いという一事によってその真相をつくされうるであろうか。時として説かるる所の東亜新秩序ないし世界新秩序の建設は、単に連合国の打倒とアングロサクソン民族の撃滅とによって達成されうるであろうか。

かつて我々は支那事変の経過中に、我々の真の敵は英米等であることが至る所において確認されながらも、それと明らかに指摘しえざる種々の事情のために、時として我々の敵愾心の向け方に多少とも迷ったことはなかったであろうか。そしてその敵愾心が、大東亜戦によってはじめて真の敵が明示されることによって、一時に天をも衝かんばかりに燃え上がるのを感じたのではなかったか。

しかしその後、時日の経つに連れて、再び我々の心には、大東亜戦の真の敵が単に米英にあらざることを予感しつつありはしないであろうか。これは最新の世界情勢を多少とも達観しうる者には、意識の程度に差こそあれ、必ず感得されつつあるかの如くである。しかしながら、いかなる理由によってか、いまだ我が国においてはそれを公然と口にすることが遠慮されつつあるかの感を抱かしめられる。もちろんこの遠慮が、米英の背後に敵を見ることとは米英を敵として戦いつつある我々の戦争目標を曖昧にするという心配よりなされる場合には、一面においてはもっとものことであって、我々としても決してそれを非難しようとする者ではないが、しかし事実はさように簡単ならざるごとく見えることも否定しえないのである。日支事変中に真の敵を指示することを遠慮せしめたと同一ないし類似の理由が、あるいはこの場合にも存在しているのではないかと思わせられるのである。

しかしながら、我々はこの序文においてはこれ以上に論議することを避けるであろう。本書の全部がかかる疑問に答えるものだからである。当路者が声を嗄らして呼応する対米英敵愾心の如きも、上述の点に関して勇気ある決断がくだされる時おのづから焔々と燃え上がるであろう。その時には、我々の敵が同時に枢軸諸国の敵であるばかりか、また人類全部の敵である真相も判明するに至るであろうし、また我々の敵がいかに奸悪であり、したがってまたいかに強力であるかが判明するばかりか、我々の建設せんとする東亜乃至世界の新秩序の内容と意義もまたおのづから明らかになるであろう。

ここに集められた諸編はかつて雑誌その他に発表されたものより選択されたのであるので、その性質上多少の重複を来している点もあるが、機会に触れてなされた言説のうちにかえって我々の立場の正当性も証されると考えるので、各部の始めに「はしがき」めいたるものを加えるにとどめて、他の部分への加筆は差し控えることにした。切に識者の寛恕を乞う次第である。

昭和18年7月 筆者識

目次

I ユダヤ魂の本質

一、ユダヤ問題研究の精神史的意義

二、ユダヤ魂の本質

三、ユダヤの神秘の数を解く 「15」なる数のユダヤ秘密力に対して有する意義

四、ユダヤの世界支配諸機関

五、ユダヤ聖典及び法典の成立とユダヤ的「タルムード論理」

六、「シオンの議定書」の成立、伝播、真偽

七、国際ユダヤ秘密力の世界新聞統制

II ユダヤと世界戦争

一、ユダヤの人間還元 ユダヤ問題研究根本原則十箇条

二、大東亜戦争勃発後の世界情勢

三、今次世界大戦の性格

四、世界大戦へと駆り立てるもの

五、日本とユダヤ

六、日ユ抗争としての日支事変

七、前世界大戦におけるユダヤの策謀とドイツの敗戦

III ユダヤ鏡

一、シュルハン・アルフ 「用意の出来た食卓」

二、著名なるユダヤ法師の言葉