消費税の再度の増税がせまっているのですが、食品に軽減税率を適用した方がいいという声があります。
しかし、消費税の複数税率には専門家からは反対の声があがっています。ここでは、その反対の内容を紹介したいと思います。
消費税の軽減税率に反対する理由
- 線引きの問題が発生する
- 軽減税率は低所得者のためのもののはずだが、高所得層もその恩恵を受けてしまう
- 税金を軽減した分、税収が減る
以下、ひとつひとつ内容を見ていきます。
線引きの問題について
仮に食料品に対する消費税を軽減するとした場合、無数の食料品なのかそうでないのかわからないものが発生します。おまけやおもちゃとセットの食べ物などですね。
さらにぜいたく品やお菓子の消費税も軽減するのかといった議論がでるでしょうし、決定権者に利権が生じたりします。
高所得層も恩恵を受けてしまう点について
食料品全般が軽減税率となると、それを購入する高所得層もその恩恵を受けてしまいます。高所得層の方が食べ物にかけるお金は多いでしょうから、税金軽減の恩恵を高所得層がより多く受け取ってしまうことになります。買い物時にマイナンバーがわかるカードをレジで掲示して、所得に応じて税金の還付を受けるという案もあるのでしょうが、これは煩雑ですね。
税収が減る点について
食料品への税率を軽減すると当然その分、税収が減ります。
消費税収のうち、食料品関係が占める比率は約20%だそうです。ですので、増税をしても、しなかった場合と比べて、2割も税収が落ちることになります。
消費税増税によって、増やしたい税金の額は変わりませんので、食料品いn軽減税率を適用した場合、その他の物への消費税が増税されることになります。
日本の税収は支出に対して足りていないので、消費税を10%に増税した後で、さらに15%に増税する必要が生じたとします。このとき、食料品だけ10%ですえおくとすると、当初想定していた税収を国が手に入れるには、消費税を16.25%[(15-10)÷0.8+10]にする必要があります。
世界の軽減税率の導入状況
付加価値税(消費税)を導入した国のうち、単一税率で導入した国と複数税率で導入した国の数を比べた結果、複数税率を導入する国の数はどんどん減少しているそうです。[adsense]
天下国家を語りたい人は小黒一正先生の本を読もう
上記の複数税率に関する内容は、小黒一正先生の本の受け売りです。
小黒氏は、日本の財政についての本をデータに基づいて客観的に書かれています。消費税は何%まで上げる必要があるか、経済成長によって税収を上げて増税を抑えることはできるかなどホットな話題にも論理的に開設をされています。
これから公務員になりたい人や政治家になりたい人、天下国家を語るのが好きな人にはぜひ読んでいただきたいです。
軽減税率に関するツイート
酒除く食品、消費税軽減 マイナンバー活用で政府案 17年4月の10%時(日経)http://t.co/MxPGDPT15L 「酒を除く全ての飲食料品」を軽減税率の対象に決定。「軽減税率を受けるには消費者が食品を買うごとにマイナンバーの番号カードを店頭にかざす」 うわーやな世の中
— kaoruww (@kaoruww) 2015, 9月 4
「番号カードをかざすことで蓄積した買い物情報を所得情報と突き合わせ、各人が受ける軽減税額が決まる。年末調整や確定申告の際、軽減税率を受けるはずの金額を所得税から戻す還付を受ける」
しびれるなあ
— kaoruww (@kaoruww) 2015, 9月 4
公明党が強硬に主張していた「品目ごとに税率を分ける」という愚劣極まる案(どれを何%にするかでいちいち利権が生まれる)よりマシなのは確かだが、日々の細かい買い物まで政府に捕捉されるのは世知辛い。これから先どんどん政府に収奪されていく一方だけど、これはその代表だなあ。
— kaoruww (@kaoruww) 2015, 9月 4
ただこれは食品に関してだけの話なので、キャビアや松茸も軽減するのかみたいな細かいいちゃもんも必ず出てくる。また、それ以外のあらゆる品目の税率が各業界からの圧力で変えられ、その過程がいちいち利権となり、マイナンバーで効率よく管理される可能性が高い。ビッグブラザーですなあ……
— kaoruww (@kaoruww) 2015, 9月 4