読書感想とそれから派生するアレコレについて書こうと思います。今読んでいる本は、「GO WILD 野生の体を取り戻せ! 科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス」という本です。
この本の要旨は、「私たちの体の設定は、狩猟採集民時代に形作られた。心と体の健康を取り戻すために、狩猟採集民的なライフスタイルを取り入れよう!」というものです。
私たちの心や体の諸々の設定は、長期間続いた、狩猟採集民時代にできあがりました。その後、我々は定住して農業を行うようになり、さらには産業革命等を経て現代の様式で暮らすようになっています。
私たちの心と体の設定が作られた時代と較べて、現代の生活様式は大きく変化しています。
たとえば、狩猟採集民時代と較べて、
- 狩りで生活しなくなった(運動しなくなった)
- 炭水化物を多く食べるようになった
点が大きく変わっています。
狩りで生活していた時代は、毎日不規則に走り回って生活していました。しかし、現代では多くの仕事が、このような運動を必要としていません。この本では、運動が人間の脳を活性化し、健康状態を大きく改善すると主張しています。
さらに、ジムで規則的な運動をするより、より自然な、トレイルランなどの運動を推奨しています。
私たちは、農業を始めて穀物をつくるようになってから、炭水化物を多く摂取するようになりました。この著作では、この食生活の変化が、多くの病気を生んだと主張しています。例として、癌、2型糖尿病、高血圧、心血管疾患、虫歯などです。
生活環境は変化したのに、人間の体の設定は変化していないことが、さまざまな心体の問題の原因だとこの本は訴えているわけですが、最近の流行りの中には、確かにこの主張に沿ったものが多く見受けられます。
たとえば、糖質制限ダイエットです。糖質制限ダイエット下の食事は、狩猟採集民時代の食事に近づいています。米や麺、パンなどを抜いて、肉や魚を中心に食事をすることは農業開始前の食事に近いはずです。
最近出た「pokemon go」というアプリも、現代の生活の中に、狩猟採集民時代の要素を取り入れている面があると思います。pokemon goをプレイしている時、私たちは獲物を求めて、歩きまわります。
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テクノロジーを進化させ、経済を発展させ、快適さを追い求めてきた末に、人々がマイルドに「狩猟採集民的な生き方」を導入しようとしている、という事実からは奇妙な印象を受けます。
しかし、この著作の主張が正しく、人間が幸福に生きるために、狩猟採集民的な生き方が私たちにとって重要であれば、今後も新たなビジネスや流行が、この方面から生まれそうです。