アルピー高見沢氏の話芸はもっと評価されていいと思う

歌舞伎町整体シリーズは新境地を開いた

歌舞伎町整体シリーズは新しかった。何が新しかったかというと、まずは徹底的な固定カメラの使用だ。

手持ちカメラを使用すると、出演者以外の第三者がいることがわかり、一気にリアリティがなくなってしまう。全編固定カメラだと、ひょっとしてこれは本当に盗撮した動画が流出したものなのか？と思うことができる。

次は、自然な会話だ。脚本家がいるのか？と思わせるくらい自然な会話が整体師と客の間でなされる。客の設定についてしっかり作り込んでいるのであろう。

そして、もう一つは初期歌舞伎町整体や類似シリーズで整体師役をやっていたアルピー高見沢氏の軽妙なトークだ。氏のトークのおかげで、退屈となりがちな前半部分も飽きずに見ることができた。

現在、アルピー高見沢氏は整体もののメイン男優ではなくなったが、後継の男優たちもアルピー高見沢氏のトークをかなり参考にしている節がある。

たとえば、整体と称して女性のきわどい場所を触る際に「痛かったらおっしゃってください」と言う手法など。こういう風に言われると、痛い以外の場合は言い出しにくいのではないだろうか。

新境地を切り開いたように見えるアルピー高見沢氏だが、氏についての情報はネット上ではほとんど得られない。

氏がバイでエムでもあり、多様なビデオに出演していることがわかるくらいだ。どなたか、往年の永沢光雄のように氏にインタビューをしてネット上で公開してほしい。

男優は出演がクレジットされていないことも多いし、誰かが記録をしないと氏の功績が少しづつ忘れられていってしまう。