「飲食銘柄に長期投資で成功」は神話になったんじゃないか

以前、バリュー投資家の成功譚によく「かつや」のアークランドサービスが出てきた。成功している飲食店が、成功を保ちつつ店舗数を増やして増収増益を続け、株価が大きく上昇し、早くから投資をしていた投資家がキャピタルゲインを得たというわけだ。

第二のアークランドサービスを狙って、まだ時価総額の小さい飲食系の銘柄に投資をすることがあるが、数年で業績がだめになる銘柄が増えているように思う。

たとえばエー・ピーカンパニー。上場当時は、かっこいいIR月次資料もあいまって株価はブイブイ言わせていたが、現在は失速している。

海帆やエスエルディーは、上場後ろくな業績を出していない。ゼネラルオイスターは当初の目論見通り成長できていない。ホットランドは減益基調。ライドオン・エクスプレスもよくない。ヨシックスは既存店の前年比マイナスが増えてきた。

こういう風に一世を風靡した、または風靡するつもりだった飲食企業の業績が落ち込むのは

  • 客に飽きられる
  • 他社に真似られる

ことが原因だろう。飲食業は、製造業などに比べて、簡単に他社のいいところをパクることができる。

だから、串カツ田中あたりも来年あたりは厳しい業績になっているのではないか、飲食銘柄に長期投資をして成功する、は今では神話になってしまったのではないかと思う。

※今後は、飲食業界においてもDeNAのような体質の企業が勝ち残っていくのかもしれない。DeNAのような、というのはスマートに他社のいいところをパクる企業という意味である。