世の中には「陰謀脳」と言われる人間がいる。物事のどんな側面にも危機を見出し、その危機のよって来るところを推測する人間である。
最近、私は中国の脅威をこのブログに書きまくっているので、ひょっとしたら中国に執着した陰謀脳男だと読者に思われているのかもしれない。
中国の脅威が実在するのか妄想なのかはひとまずおいておいて、私は陰謀脳よりも恐ろしい「萌え脳」の症状にかかっている日本人が多いのではないかと考えている。
「萌え脳」とは、あらゆる対象に愛着や親密感を抱いてしまう思考の症状だ。当然、危険な存在を危険だと認知できない。
梶井彩子氏が書いた下記の記事からも、日本人に「萌え脳」の持ち主が多いことをうかがえる。
金正男が関わっていたであろう日本や北朝鮮の一般人を害した行為には思いをいたらせず、金正男が見せた人間らしい側面に愛着を感じて善良な人間だと信じてしまう。
こういった萌え脳の持ち主は、ある種のアニメが増やしているのかもしれない。天真爛漫な女性キャラ(幼女が多い)たちが真の対立や争いのない世界で戯れる様を鑑賞して楽しむ類のアニメである。
繰り返すが「萌え脳」の危険なところは、悪意の持ち主や自分たちに危害を加えようとする人間を正しくとらえようとせず、それらの存在を自分たちの同類、いつかは分かり合える存在だと信じようとしてしまうところだ。
しかし実際には、私たちは悪意の持ち主、話し合ってもわかりあえない存在と同じ世界に暮らしている。
日常に脅威が存在する世界で、それらを見つめまいとする心理が相手を善良な存在だと自分に思わせたがるのは、犯罪の被害者が犯人に共感を抱くストックホルム症候群に似ている。
経済的に衰退する日本で、外患に曝されながら生きる日本人は慢性的なストックホルム症候群にかかってしまっているのではないだろうか?(慢性的なストックホルム症候群=萌え脳である)
※深刻な事態を笑える冗談に変えてしまう態度も、この萌え脳に似ている。