中国においてけぼりを食らう日本というtogetterが少し話題になっています。日本人は、中国経済や中国の科学技術を下に見ていることが多いけれども、実際はもう追い抜かれておいてけぼり状態になっているよという内容です。
日本人にありがちな中国を見下す態度が、日本人の気を緩めることにつながり彼我の差を広げるのに貢献しているという点を梶井彩子氏が下記のブログに書いています。
中国を甘く見る向きのひとつの材料が「中国崩壊論」だった。「ズルしてるんだから、どうせ続かない」とクサしてきたし、実際めちゃくちゃな面もあったが、どっこい続いてきている。少なくとも日本が高みの見物をできるほどの立場にない。https://t.co/w2aZcCGsF6
— 梶井彩子 (@ayako_kajii) 2017年4月21日
実際、上記togetterや梶井さんが指摘するように、大量の人民が切磋琢磨する中国に、日本は科学技術やビジネスの分野でも後塵を拝するのかもしれません。中国人の子供は、日本人の子供と較べて大量の宿題をこなし、厳しい受験競争をしていますし、中国は挑戦を是とするアグレッシブな文化を持っています。競争を否定的に見て、努力をくさす風潮がある日本人が中国人に勝てなくなるのは不思議ではありません。
オリックスの宮内義彦氏も似たようなことを書いています。
宮内氏は他の多くの日本人と同様に中国経済に悲観的でしたが、中国での経済フォーラムに参加して見方を変えています。
しかし、フォーラムに参加して、あまり極端な悲観論に傾くと別のリスクを招く可能性があるかもしれない、と考えるようになりました。日本が慎重になりすぎて取り残されるリスクです。
1980年代に中国の改革開放路線が本格化して以降、中国経済に対する悲観論が海外で広がったことが何度もありました。しかし、中国はそのたびに乗り越えてきました。
私も、会社員時代は中国人と幾度か仕事をして、彼らの勉強熱心ぶりに接したことがあるので、中国人がすごい(というか、人口が多く、勉強熱心な社会なのですごい人間が日本と較べてたくさんいる)という点は理解しているつもりです。
しかし、あえて言いたい。そんなことはどうでも言いと。ビジネスで大成功したり、科学技術で新発見をするなら勝手にしてくれと。俺はそれを邪魔しない。だから、中国人も日本人の邪魔をしないでくれ、特に領土問題でいちゃもんをつけてくるのをやめろ、拡張主義をとるのをやめろと言いたい。
そうなのです。中国がすごい国になって日本が一人あたりGDPで負けても私は別にいいのです。ただ邪な野心を持って日本(もちろん日本以外の国も)を侵略しようとするのをやめてほしい。
今、この世界に存在する、日本人にとっての長期的な最大のリスクは中国による日本侵略でしょう。北朝鮮もリスクといえばリスクですが、中国と比べると軍事力は小さいです。ISなどのイスラム原理主義の集団は、国家ですらないので、日本がテロのターゲットになっても受ける被害は小さいでしょう。
なので、本当に中国に言いたいのは真人間になって、他国を不法に乗っ取ろうとするのをやめてほしいということです。私としては、日本人が中国人にビジネスや学問の分野で劣ってもかまわないです。
ただし、日本の競争を厭うような風潮は問題だと思います。そして、日本は憲法を改正してきちんとした軍備を持つべきだと考えています(この考えに同意される方は下記リンクから賛同署名をしてほしいです)。
個人投資家から見た中国
投資家として、中国に進出している日本企業を観察していますが、それらの企業が上手くいったという話はあまり聞きません。どちらかと言うと当初の目論見通り行かずに、減損を出して撤退している企業の方が多いように思います。
最近では、中国で利益を上げても日本の本社に配当を送るのが大変になっているとも聞きます。
私は上のtogetterや宮内さんのブログの内容に、日本の中小企業には同調してほしくないと思っています。トヨタや良品計画のようなある程度大きな企業、体制の整った企業であれば中国できちんと戦うことができ、利益を上げることも可能なのでしょうが、中小企業の場合、技術をパクられて終わることのほうが多いと思います。中国は国家でハッキング部隊を擁していますし・・。日本の中小企業が中国に進出して、当初はイケてる感じだったのが、いつの間にか、ローカルの同業他社が出現してボロ負けして帰ってくることが多いのは情報が盗まれているからではないかと思っています。ナガオカや中村超硬には、いつの間にか中国のライバルが出現してビジネスが立ち行かなくなったのでした。
ニホンフラッシュは中国で比較的順調にビジネスを成功させていますが、株価は中国リスクを恐れてかPER10倍にさえなかなか到達させてもらえていません。
今日はGNIから素敵なIRが出ました。中国人経営者の身内が大株主の会社の株を買うお金を増資で調達するそうです。
これまで、投資家として中国に(思惑による株価上昇を除いて)いい思いをさせてもらったことは記憶にありません。
個人投資家がファンダメンタルに基づく株価の上昇で中国にいい思いをさせてもらえる可能性は今後もかなり低いのではないでしょうか?
おまけ:
フィリピン、中国の重慶などを廻って来た投資家さんと会った。いつも最後には「あのアジアの活気と若さには、ベットしておきたい。日本の変わらないバリューもいいけれど、売り上げと利益が4〜5年経てばグロースな株価に追いついてしまう」で終わる。日本に帰ると時間がゆっくり感じるらしい。
— www9945 (@sp500500) 2017年4月21日
↑この感覚はわかります。しかし、日本に上場している中小企業が中国の発展の恩恵にあずかれると思うのは甘いと思います。中国の発展に賭けたいなら、香港に上場している中国企業を買うべきだと思います。フィリピンに関しては、中国以上に役所が腐っているのでビジネス展開をするのが難しいと思います。