十一、メーデーの起源は何か

5月1日はメーデーすなわち労働祭である。第三インターナショナルの本山露都モスクワでは、年々大観兵式が挙行され、その都度共産党の首領等は、交互に大演説否世界的大宣言を為し、労農民はこの日ばかりは、歓呼して祝っている。

共産主義国ならぬ世界の各都市でも、メーデーの労働行列は官許の下に行われ、我が国でも労働組合は、あらかじめ整えた準備によって、それぞれ行列を為し、その不穏でない限り国家がこれを許している。しかしこのメーデーの日において、左傾分子の躍動、非国家的不逞言動は常に演出されて大騒ぎを為し、お役目とはいいながら、我が警察官の労苦は実に同情に堪えない。外国では到るところに流血の惨事がしばしば演ぜられている。

とにかくメーデーは今や世界的労働祭である。このことは確か大戦後の欧州思想の影響も最も強く受けた時代の、大正12,3年の頃かと思うが、私がある当路の将校に、招魂祭を国際日にする必要を話した際、その友人は言った、「実はこのことを提議したが、ある役人はメーデーを国際日にしようという世の中だ、今頃招魂祭を国際日にするのは、時代遅れだと一蹴した」と物語り、お互いに大いに憤慨したことがあった。

とにかくメーデーは、幸い日本の国際日にはならなかったが、年中行事の一つにはなってしまった。しかしこの5月1日のメーデーについて、その起こりを知る人は少ないようである。中にはこの日はユダヤ人の革命促進普及の記念日であるといったら、今更驚く人もあろうが、全くそれに相違ないと思う。

まず藤原信孝氏はその著「国際共産党の話」に次の如く述べられている。

「インターナショナルの色々な事を立ち入って調べてみるというと、今世紀の初めではなく前世紀の終わりの年、すなわち1900年のパリにおける大会の時にこの問題が決まったのである、ということを発見し得たのである。

そしてまたあの5月1日というのをなぜ示威運動の日としたか、4月1日では悪いが、6月1日ではいかぬか、5月1日という日はそもそもいかなる日であるかという事を、段々研究して見るというと、それはアナ系ボル系両方を一手に掌握している所のイルミナティという革命的秘密結社が、西暦1776年、ドイツのバイエルン州のウイルヘルムスバッドという所に出来たのである、その創立日が5月1日である。自分が今日調べる所をもって見るというと、そのイルミナティの創立の日が一番5月1日の古い起源であるようである。まだ研究をしてみたならば、イルミナティが5月1日に創立をしたというのに、またそこに謂われがあるかも知れぬけれども、自分はメーデーの事のみを研究するという事にもいかないから、今日においてはそれ程の程度より調べた事はないのである。他日またこの起源に関して知り得たならば訂正することがあるだろうと思う」

以上の研究によれば5月1日をメーデーにしたということは、1776年5月1日にイルミナティ革命結社が創立されたということの因縁から、1900年に労働祭として正式に決定されたということになっている。なお私の研究によれば、メーデーの労働祭としての決定は次のように、ユダヤ革命詩人ハイネとエンゲルスにも関係しているようである。

そこでハイネの話をしなければならないのであるが、ハインリッヒ・ハイネといえば、ドイツの詩人として我が国でも知らぬ人のない位有名な学者で、彼の詩集は坊間到るところの店頭に販売せられ、彼の詩は青年学徒に今でも愛好されている。しかし彼は真のドイツ人ではなく、やはりユダヤ人で、社会に対する方便として、キリスト教に改宗した男である。したがって彼は改宗後といえども、ユダヤ教義に対して忠実であった。

彼はドイツに生まれたのであるがプロシヤ政府に容れられず、君主政体並びに現社会に対し、大なる不満をいだき、その強烈なる革命思想は、やがてパリの七月革命に点火するに至った。彼は民衆に対する扇動的記事及び反キリスト教記事の出版によって、ついにドイツを追われ、1831年5月1日、自由のフランスに逃れた、その時彼は自ら「我は革命児なり」と叫んだ。この革命詩人ハイネの逃走の記念日が、後にその友人エンゲルスの提議により1889年5月1日に、世界労働者の祭日として決定せられたのである。このハイネの幸福なる逃走を記念するため、この年の5月1日から年々世界各地において、幾多の革命、反乱および暴動が企図され、到るところに鮮血が流れた。以上は仏人サリユーストのハイネに関する記事に現れている所である。

右によって見るに、ハイネの逃走日がたまたまその革命秘密結社の創立日であるということは、誠に不思議な因縁であって、その起源のいずれにせよ、ユダヤ人の革命促進記念日たるや疑いないところである。

しからば我が国の労働者は何の必要、何の因縁があって、この5月1日のメーデーを祝うのであるか。メーデーの起源を知って、我が国の労働者の浅薄極まる行動を見ると、彼らはまるで日本人たることを忘れ、ユダヤの世界革命を助長するために、その奴隷となっているとしか考えられない。我が労働者はユダヤ革命家の依頼でも受けたのであろうか、もしも頼まれもしないのに、世界の大勢だなどと言いつつ、メーデーを祝うに至っては、その愚や実に及ぶべからずである、ここでお互いにメーデーなるものの起源と、その深く隠れたる目的を知ったなら、日本人として大いに考えねばならぬことと思う。

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