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この20年、論壇のパワーは文芸評論家&社会学者から経済学者や実務家へ移った

   

世の中に広く影響を及ぼす人たちは、文芸系から経済系にパワーシフトした

株と関係のない話なんですけど。

世の中に影響を及ぼす、いわゆる論壇の中心は、かつては文芸系か社会学系の人が多かったと思います。かつて、というのは、だいたい90年代までです。文系の本(文芸、哲学、社会学、精神医学など)が多く読まれ、それらの書き手の発言に世のインテリは注目していました。

どれくらい文芸系の本が読まれていたかというと、B’zが1990年に出した歌(HOT FASHION)にこんな歌詞があったくらい流行っていました。

破裂しそうさ ありもしな女線をビンビン感じたり
知性の問われる現代ゆえに 文芸雑誌ちょっとななめ読みのキーワード
ちりばめながらの主題のウワベを語るデートはもう最低

「文芸雑誌」が歌詞に出てきています。異性相手に、ちょっと意識を高く見せるためには、文芸雑誌を読んでおくことが必要だったのがうかがえます。

文芸系の中にどんな書き手がいたか例を挙げると

  • 柄谷行人(文芸評論家)
  • 大江健三郎(小説家)
  • 江藤淳(文芸評論家)
  • 蓮實重彦(文芸&映画評論家)
  • 浅田彰(思想系の学者)

などの人がいました。こういう人たちが、会社員に対しても含めて、当時の日本のインテリに影響を及ぼしていたのではないかと思います。それがインターネットの登場、ブログの勃興以来、経済系の人(経済学者、ビジネスの実務家など)に影響力を奪われたのではないかと私は考えています。ここで、経済系の人とは、

  • 池田信夫(元NHK職員、元経済学者、現アゴラ運営など)
  • 城繁幸(元富士通社員、現人材コンサルなど)
  • ちきりん(元金融・コンサル社員、現ブロガー)
  • ホリエモン(元会社経営、現いろいろ)
  • 藤沢数希(元金融社員、現会社運営・人気メルマガ発行)

などの諸氏を念頭においています。こういう人たちが、文芸評論家(たとえば福田和也や小谷野敦)や社会学者(たとえば宮台真司や宮崎哲弥)より現代では影響力を持っていると思います。

この影響力の変化を数量的に証明できないので、私の主張が本当に正しいのかどうかわかりませんが、正しいと仮定して、なぜこういったパワーシフトが起きたかを、この記事で考えてみたいと思います。

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言論のパワーシフトが起きた理由

1.かつて経済系の文章を書いている人にはあまりいい人がいなかった

失礼なことを書くなよ、と思う人もいるかもしれませんが、90年代くらいまでは、経済系(経済学者、実務家)で一般向けに文章を書いている人にそれほど訴求力のある人がいなかったのではないでしょうか?もちろん大前研一さんなどの素晴らしい書き手もいましたが、当時の本屋のビジネス本コーナーは、オカルト系の本(船井幸雄など)だらけでした。儒教系も多かったです(安岡正篤、中村天風など)。当時のプレジデントの表紙は戦国武将だったはずです。

2.ネットの発達によって、訴求力のある経済系の人たちの文章が人々の目に触れるようになった

おそらく、もともと経済系の人たちの言説には需要があったのだと思います。多くの大人はビジネスに携わっているからです。

ビジネスマンの需要にも応えられる言説が供給されるようになったのは、ブログが登場したことが契機だったのではないでしょうか。ブログは、書き手が書きたいと思えばいつでも始められます。小説のように新人賞をとる必要はありません。

なぜこれら経済系の人たちの文章がブログ登場以前に流通しなかったかというと

  1. 雑誌媒体は文芸寄りのものが多く、雑誌に載れなかった
  2. 小説家などと違って、ビジネス系の物書きには新人賞の育成システムがなかった

からだと思います。

3.日本人が経済的に貧しくなった

90年代までは非正規社員率もそれほど高くなかったですし、就職すれば、あとは経済的になんとかなるという見通しが共有されていたのではないかと思います。なので、お金にはならない文系の本に注目していられる余裕があったのではないでしょうか。

文系の本の内容がどういうものだったかというと、難解な現代思想(ドゥルーズとか)、マルクスやフロイトなどの過去の偉人の文章の再解釈、天皇制がどうたら、文芸・映画作品への批評などです。これらを読んでも、基本的に収入は1円も増えません。

その後、新興国に仕事が移ったり、機械が人間を代替したりして仕事が減り、徐々に日本人の給料が下がっていきます。生活はカツカツになり、経済的な理由で結婚をあきらめる人も出てきました。こういった状況では、お金(経済)と関係のある話を読みたいはずです。相対的な貧困が経済系言説への需要を強めたはずです。

4.投資が身近になった

ネットで簡単に株式や為替に投資ができるようになり、投資をする人が増えたことも、経済系の人たちの言説への需要を増やしたのではないかと思います。投資をする人にとって、マクロ経済を語れる人、金融経験者、経営経験者、投資家の発言は注目に値するはずです。


 

仮説の上に仮説を重ねてしまっていますが、以上の理由で、影響力のある書き手が文芸系から経済系の人へ移ったのだと考えています。

 - エッセイ

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