普通の日本人にとって、想像し難いほど、海外の巨大製薬企業は、利益を得るためならなんでもする傾向がある。しかし、当然、悪さをすれば、いずればれて、裁判沙汰になり罰金を払うことになる。
ここでは、鶴翼主義氏(@kakuyokusyugi)がツイートしたファイザー社の裁判の歴史を転載したい。
元ツイート群はこちら。ツイートが消えた時のためにコピペで転載し、一部読みやすいように手を加えてある。
ファイザー社、裁判の歴史
ファイザー第3相試験の不正疑惑、日本人の感覚からすると理解しがたいので驚いている人も多いと思うが、 これまでファイザーがどういう企業倫理で行動していたのか、これを見て少しでも実態を知って欲しい。
1992年、欠陥のある心臓用人工弁で訴訟
1992年、ファイザーは、潜在的欠陥のある心臓用人工弁が壊れたことによって死亡した訴訟を解決するために、1億6500万ドルから2億1500万ドルを支払うことに合意した。この事件で2012年までに663人が死亡。
https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(13)01702-5/fulltext
1996年、トロバフロキサシンを勝手に子供に投与
1996年、ファイザーは、抗髄膜炎薬の実験薬であるトロバフロキサシンを使い、両親の同意なしに200人のナイジェリアの子供たちを対象に未承認の臨床試験を実施した。
この事件によって子供を亡くした4家族にわずか70万ドルの支払い、障害者になった子供のために3,500万ドルの基金を設立。これがジョン・ル・カレの小説や映画「ナイロビの蜂」に出てくる製薬会社のモデルになった。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/6768799.stm
2004年、抗てんかん薬ニューロンチンを適応外用途で販売推奨
2004年、ファイザーの子会社であるワーナーランバートは、抗てんかん薬であるニューロンチンをFDAによって承認されなかった別の様々な病気で使用、それを不正に宣伝販売した医療詐欺に対する刑事責任と民事責任を解決するために、4億3000万ドルの罰金を支払った。
売上の90%以上が「適応外使用」で売上げは9,750万ドルから27億ドル近くに急増した。承認されていない用途で患者に薬を処方していた医者にはキックバックを支払っていた。
https://www.nytimes.com/2004/05/13/business/pfizer-to-pay-420-million-in-illegal-marketing-case.html
2009年 抗炎症薬ベクストラを適用外用途で販売推奨
2009年、ファイザーは、抗炎症薬であるベクストラを安全性の懸念からFDAが特に承認拒否した用途と投与量で使用、それを不正に宣伝販売した医療詐欺に対する刑事および民事責任を回避するために23億ドルを支払った。
米司法省は、その歴史の中で最大の医療詐欺の和解をした。医者にはキックバックを支払って、これらの薬を処方するように誘導していた。
2009年 糖尿病治療薬レズリンで薬害事件
2009年、ファイザーは、糖尿病治療薬のレズリンが63人の死亡と数十人の肝不全の原因であるという35,000件の請求に対して7億5000万ドルを支払うことで和解。
レズリンの承認のとき、FDA医療官が肝臓障害を警告して反対していたにもかかわらず、医薬品は迅速に承認されたことが発覚し論争を巻き起こした。これによってFDAはその信頼に暗い影を落とした。米国市場でのほぼ3年間で、レズリンは21億ドルの売上を生み出した。
https://www.latimes.com/archives/la-xpm-2001-dec-22-mn-17267-story.html
2010年、抗てんかん薬ニューロンチンをまたも適用外用途で販売推奨
2010年、ファイザーは、抗てんかん薬であるニューロンチンを片頭痛や双極性障害などFDAによって承認されていない用途での使用、それを不正に宣伝販売してた医療詐欺に対して1億4210万ドルの損害賠償を支払うよう命じた。ファイザーは訴えられた後も違法行為を継続していた。
https://www.inquirer.com/philly/business/20100326_Pfizer_told_to_pay__142_1_million.html
2012年 ホルモン補充療法薬プレムプロが乳がんを引き起こしたことで薬害訴訟
2012年までに、ファイザーは、ホルモン補充療法薬であるプレムプロが乳がんを引き起こしたという約10,000人の女性の主張を解決するために最終的に12億2600万ドルを支払い和解した。
2013年 プロトンポンプ阻害薬プロトニックスの副作用を10年以上隠蔽していたことで刑事告発
2013年、ファイザーは、プロトンポンプ阻害剤であるプロトニックスによって引き起こされる腎臓病、腎臓損傷、腎不全、急性間質性腎炎のリスクについて少なくとも10年間腎臓のリスクを知っていたが患者や医師に警告しなかったという刑事告発を解決するために5,500万ドルを支払うことに合意。
この事件は、米国で2番目に大きな大規模訴訟になった。
https://www.drugwatch.com/proton-pump-inhibitors/lawsuits/
2013年 禁煙薬チャンティックスが精神障害・自殺を引き起こすという裁判で和解金を支払い
2013年、ファイザーは、禁煙薬であるチャンティックスが自殺念慮と重度の精神障害を引き起こしたという2,700人の主張を解決するために2億8800万ドルを支払った。
2013年 抗うつ薬エフェクサーが妊婦の子供に先天性心疾患を引き起こすという主張がなされる
2013年、ファイザーは、抗うつ薬であるエフェクサーが妊婦の子供に先天性心疾患を引き起こしたという主張を、処方する産科医が薬の使用について患者に助言する責任があると主張することで免除した。
https://europepmc.org/article/PMC/6424813
2014年 ニューロンチンの不正販売でさらに罰金を支払い
2014年、ファイザーは、抗てんかん薬であるニューロンチンを片頭痛や双極性障害などFDAによって承認されていない用途での使用、それを不正に宣伝販売してた医療詐欺に対してさらに3億2500万ドルを支払った。
2014年 腎臓移植薬ラパミューンを適用外用途で販売
2014年、ファイザーは、子会社が腎臓移植薬であるラパミューンを承認されていない用途で使用、それを不正に宣伝販売した医療詐欺に対して3,500万ドルを支払。医者は賄賂を受取り、承認されていない用途で患者に処方していた。
2016年 英国で抗てんかん薬フェニトインを2600%値上げし過大請求、英国史上最高の罰金支払い
2016年、ファイザーは、英国でそれまで販売していた抗てんかん薬であるフェニトインを、販売代理店を変更したタイミングで2,600%値上げし過大請求したことに対して英国至上過去最高の84.2百万ポンドの罰金を科された。英国での価格は、ヨーロッパよりも何倍も高かった。
2018年 テストステロン補充薬デポストステロンで薬害訴訟・和解
2018年5月、ファイザーは、テストステロン補充薬のデポテストステロンが脳卒中、心臓発作、肺塞栓症、深部静脈血栓症を引き起こしたとし6,000件の訴訟が起こされ、消費者と和解した。老化による自然な活力の低下をテストステロンの低下が原因かのように広告で示唆し、必要でない健康な男性に対して不正に販売していた。デポテストステロンについては、2020年7,800件を超えるテストステロン療法訴訟が起こされている。
https://www.drugwatch.com/testosterone/supplements/
ファイザーのロビー活動について
URLはファイザーの連邦ロビー活動への支出。
不正によって手にした莫大な資金の一部を政治家や合衆国保険福祉省にばらまいている。
こうやって米国の企業は政府に金を渡し、自分達の金儲けがスムーズに行くように手助けをしてもらう。
https://www.opensecrets.org/federal-lobbying/clients/summary?cycle=2009&id=D000000138
2009年だけ突出して多いが、ファイザーは、2009年の最後の6か月だけで、4,500人の医師やその他の医療専門家に、250の学術医療センターやその他の研究グループに1,530万ドルを支払ったことを認めた。業界はお世話になった人ばかり。
国外でもビジネスが上手くいくように、外国政府に雇用された医師やその他の医療専門家へ賄賂を4,500万ドルを支払っていた。
https://www.sec.gov/news/press-release/2012-2012-152htm
最後に少しフォロー。新薬の開発には莫大なお金がかかるので、大衆の健康よりも利益を優先してしまうのはファイザーだけに限った話ではない。しかし、米国・英国で最大の支払いをした製薬メーカーはファイザー。
日本人はこれらの事実を知らないから、ワクチンを過度に信用しているのではないかと思う。
人間には良いところと悪いところがあるように、ファイザーも悪いところばかりではありません。素晴らしいお薬もちゃんと作っています。
しかし、昔からこういう企業体質なので、政府や学会は独自調査を怠らず、しっかり目を光らして欲しいと思います。
以上、鶴翼主義氏のツイートの転載でした。