ピーター・シフは、アメリカは明白な金融危機の入り口にいるのに無視を決め込んでいると主張している。
Peter Schiff: This Is The Most Obvious Financial Crisis That Nobody Sees Coming
zerohedgeの記事を簡単に訳して彼の言葉を紹介したい。直感で訳しているので誤訳があるかもしれません。
ピーター・シフ:史上最も明白な金融危機、なのに誰も予見できない
主流メディアは経済状況は良いと主張し続けている。インフレは制御される。ソフトランディングは可能。しかしピーター・シフ氏は彼のポッドキャストで金融危機の初期段階に我々がいると言っている。金融危機が来ていることは明白、しかしほとんどの人は目を逸らしている。
ピーターは我々が金融危機の渦中にいることを強調している。
「今、我々は金融危機の初期段階にいる。あなたが自分が何を見ているか理解できる程度に賢いなら、それは明らかだろう。しかし事態はまだ序の口だ。」
ピーターはまた、人々はやがて金融危機の中にいることを理解するだろう、しかしなぜそうなってしまったのかは理解できないだろうと指摘している。
「2008年のリーマン危機の時のように彼らは金融危機の不意打ちをくらったと思うだろう。」
2008年当時、主流メディアは“100年に一度の危機”であるとか、“予見できないブラックスワン”であるとか宣った。
「そんな言いぐさはクソみたいなものだった。なぜなら何人もの人々が、自分も含めて、事前に危機を予見していただけでなく、警告もしていたのだから。」
ピーターは今回の金融危機の進展も同様に明白だと言っている。
「これは史上最も明白な金融危機だ。しかし誰も予見していない。つまり、これはブラックスワンですらない。ホワイトスワンでもない。鳩のようなものだ。どこにでもいる。しかしウォール街はこれを無視することで多大な利益を得ている。社会の主流の人々もそうだし、研究者もそう、金融メディアや政府筋も同様だ。金融危機が明白になるまで誰も認めたがらない。金融危機が来たら、彼らは責任をおしつけるスケープゴート探しを始めるだろう」
一つ明白なことがある。それは最も責任がある主体、政府を誰も批判しないことだ。
「彼らはだれも過去を振り返ろうとしないし、危機を育て上げた政府の役割を考察しようともしない。彼らは政府を擁護することに手一杯だ。『もっと大きな政府が必要だ!もっと規制があればこんな危機はやってこなかったのに』。違う。こんな金融危機がやってくるのは規制が多すぎるからだ。我々に必要なのはもっと自由な市場なのだ。」
政府による規制が自由市場をうまく機能させていないのだ。
金融危機の到来は債券市場からも見て取れる。先週、長期債利回りは上がり続けた。金曜日、30年債利回りは5.1%を超え、10年債も一時5.0%を超えた。
債券利回りは5%前後でフラットになっている。しかしピーターはフラットでなくなるだろうと指摘する。
「債券はもっと急勾配化(スティープ化)する。長期債はもっと金利が上がり、90日債、6ヶ月債、10年債、30年債の利回りにもっと差が出る。特に30年債はもっとも利回りが高くなる。」
ピーターは、イールドカーブが正常化すれば、短期債は6%、長期債は7-8%のレンジまで利回りが到達すると言う。
しかし連邦準備制度理事会(FRB)がそれを許すだろうか?
「金融市場、銀行セクター、経済、政府はそうした利回りの上昇に耐えられるだろうか?今までのところ5%の利回りではなんとかなっているように見える。しかし、実際には私はなんとかなっていないと考える。これらの数字は経済の根底にある問題を膨らませている」
以下、略。
事実を述べるのは犯罪の時代
ピーター・シフは金融危機が明確に来ている、しかし、メディアも政治家もそれを指摘しないと言っている。なぜそうなのかといえば、現代の西欧社会においては事実を指摘するのが犯罪だからだ。
以下のような事実は指摘してはいけないのである。
・コロナワクチンはやばい。
・ウクライナはろくでなしの疫病神国家で、ロシアにボロ負けしている。
・イスラエルは人種差別主義者のサイコパスに率いられている。
・アメリカは南部国境から大量の不法移民を入国させている。
・山林を切り開いてソーラーパネルを敷き詰めるのは自然破壊だ。
などなど。
驚くべきは匿名のSNSユーザーでさえ、こうした事実を述べることをためらっていることである。匿名なのだから事実を述べてもかまわないはずだが、まるで呪縛にかかっているように事実を回避して空疎な些事を雄弁にいじくりまわす。
それで何かいいことがあるのだろか。