法人名義の株式取引と、個人名義の株式取引では、大損をした後、赤字を繰り越せる年数が違う。
赤字を計上してしまった場合、個人よりも法人の方が有利になっている。
法人、個人ともに年初1億円の資産で株式投資をしていて、9千万円の損をしてしまったと仮定しよう。年末に残った資産は、1千万円である。
個人の場合は、この9千万円の赤字を3年間繰り越せる。一方、法人だと10年繰り越せる。だから、個人と法人が、共に1千万円ずつの資産で翌年から株式投資を続けて、年間30%の利益を得ていくとすると、資産の推移は下図のようになる。
個人にかかる税率は20%、法人にかかる税率は30%と仮定する。
1.個人の場合
個人名義の場合、赤字は3年間繰り越せるから、2~4年目の取引に関しては確定申告をした後、税金が戻ってくる。しかし、赤字がまだ残っていても、3年間しか繰り越せないので、5年めの取引からは普通に納税することになる。
2.法人の場合
法人名義の場合、赤字は10年間繰り越せるから、上図のシュミレーションでは、繰越損失がゼロになるまで無税となり、赤字を計上してから10年を経過した11年めの年末の資産で比較すると法人の方が年末資産が多くなっている。
以上のシュミレーションから、ハイリスクハイリターン型のトレードをする投資家には、法人口座が有利に働くこともあると言えるかもしれない。
法人、個人、両方の口座で取引をしていて、同時に赤字を計上してしまった場合、赤字額が小さければ、いったん法人から個人に資金を貸し付けて、個人の繰越赤字を消してから、法人名義での取引を本格的に再開すると繰越赤字を両名義で消せるのかもしれない。
※この記事は素人のいい加減な知識に基づいているため、詳しくは税理士等に聞いてください。