第二次大戦時、ユダヤ人はなぜドイツで迫害されたのか

ユダヤ人がホロコーストでいかに甚大な被害を受けたのか、を説明する本は多々あるが(図書館のドイツ史コーナーに行くと、そんな本ばかりである)、なぜユダヤ人がそのような迫害を受けるに至ったかを簡易に説明する本は少ないと思う。

この記事では、戦前の日本で発行された本などを参考に、ユダヤ人がどのようにしてドイツで恨みを買い、迫害される原因を作ったかを簡単に書いていきたい。


第一次世界大戦においてドイツは連合国(イギリス・フランス・ロシアなど)と戦った。その戦争中に、ドイツ内のユダヤ人は各方面で勢力を拡大した。

商業においては、他国のユダヤ人と協力して物資調達を行い、商業上の地位を上げ、また巨利を得た。窮乏しそうな物品(食糧など)があれば先回りして買い占め、隠匿し、値段を釣り上げて売却した。このような行為は取締りにあったが、法曹界にユダヤ人が多かったことから、ユダヤ人商人はほぼ罰せられず、ドイツ人商人は厳罰にあった。

ユダヤ人左翼は戦時下においても革命の準備を着々と進めていた。新聞はユダヤ人経営だったので、新聞を通じて世論を左傾させ、他国においてはドイツへの憎悪を煽った。ドイツの左翼は、自分達の革命が成功するためには、ドイツの敗戦が必要であると宣伝していた。

第一次世界大戦末期の1918年、ユダヤ人を中心とする左翼はドイツ革命を成功させ、ドイツを共和国にした。この新政府要職の多数をユダヤ人が占め、さらに教育、司法、警察などのトップにもユダヤ人が就いた。

敗戦後のパリ講和会議に出たドイツ代表もユダヤ人だった。

第一次世界大戦敗戦でドイツは多額の債務を背負い、苦しい生活を送ることになった。ドイツ人にしてみれば、自分達が祖国のために戦っている間に、他民族に国を陥れられ、戦争に負け、長い窮乏生活を送らされる破目になったのである。

日本人に置き換えて状況を想像してみてほしい。命をかけて戦争に赴いていたら、国内の少数の異民族が撹乱工作を為し、戦争のロジスティクスを操作して暴利をむさぼり、新聞を支配して言論を操作し、戦争中にもかかわらず国家を転覆し、政体を変えてしまう。新政府の要人はすべて異民族に占められ、経済、教育、法、通信、芸術などがその異民族に好きにされる。一方で自分達は戦後賠償のために奴隷のような困窮生活を送る。これで怒らない民族はいないだろう。

このような状況に対する怒りが、国粋的政党(ナチス)に対する熱狂的な支持を生むに至った。ユダヤ人は、郊外にピクニックに行った人が突然の雨に逢ったかのように迫害されたのではなく、迫害される原因を自ら作っていたのである。

またこのような状況は、他国においても歴史上繰り返されてきたことで、ユダヤ人は紀元前から同様のパターンを各地で繰り返している。

ユダヤ人がこのようなパターンを繰り返さず、平和裏に他民族と共生できたのは、ユダヤ人の権利が制限されている社会においてだった。ユダヤ人は教育・司法の職についてはならない、などの制限があった社会ではユダヤ人の台頭も限定的だったので、ユダヤ人への迫害も起こらなかった。

ナチスのユダヤ人への仕打ちを肯定するわけではないが、現在のナチスとユダヤ人への言論はあまりに一方的であり、ユダヤ人は再び迫害に至る途を辿っているように見える。どんなに法律を制定しても、ネット上での言論を取り締まっても、AfDなどの政党は支持者を増やすだろう。

「陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転ず」というが、ユダヤ人の知恵にはこれが欠けている。

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