馬渕睦夫氏と篠原常一郎氏が語る、ウクライナ事情の報道されない側面

現在のロシア・ウクライナ情勢について、欧米メディアが伝えることだけを聞いていると判断が偏ると思うので、欧米メディアが隠しているようなことにも精通している、馬渕睦夫氏と篠原常一郎氏の2020年の対談を一部、文字起こしをして紹介してみたい。

元動画はこちら

以下、文字起こし。

馬渕睦夫「ロシアの問題について二人で議論してみたんですが、今は保守論壇があるとかどうかわかりませんけど、保守系の人も、日本のおそらく9割ぐらいが、私の印象ではみんなロシア嫌い、あるいはプーチン嫌いという状況ではないかと見ておりまして。

それは、個人の趣味の問題でもあるんですが、しかし事実を知ったうえでいろいろ判断すべきだということを前にも申し上げて、その点は篠原(常一郎)さんも同じ御意見であったと承知しておりますけれども、もう少しロシアの問題について深堀りしていきたいと思うんです。

実は、今プーチン大統領が直面している問題っていうのは、簡単に言えば2024年で終わるわけですが、だから、その後どうするかということで、今、憲法改正問題とか出てきてますけれども、プーチン大統領は一体何を考えているのかと言うか、なぜこれだけ世界、主としてメディアでですが、メディアのターゲットになっているのかということですね。

つまりプーチンは悪者だというメディアの報道が、全世界的に送られているわけですが、なぜそうなのかということを少し、私の経験といいますか、ソ連崩壊後のロシアの歴史を見ながら、簡単にもう一度、篠原さんと議論してみたいと思うんですが、結局その答えを一言で言えばですね、プーチン大統領が、エリツィン時代に幅を効かせていた、オリガルヒっていいますけれども(※ロシアの新興財閥・グローバル企業・資本家のこと)、ロシアの新興財閥ですね、政商といってもいいんですが、そういう人たちがロシアの天然資源を握りですね、それからメディアを握り、そういう人たちが政治・エリツィンの背後にあって、エリツィンを牛耳っていたと。

そういう状況に対して、プーチンが2000年に大統領になって、オリガルヒを一人ひとり潰していったと。ボリス・ベレゾフスキーとか、ウラジミール・グシンスキーとかロマン・アブラモビッチ、ミハイル・ホドロフスキー、ピョートル・アヴェン、ミハイル・フリードマンとか、こういう人たちね。はっきり申し上げますが、皆ユダヤ系なんです。

参考記事:なぜ「ユダヤ陰謀論者」の間でプーチンが人気なのか?

我々は結局ユダヤ系について、私はよく国際ユダヤ勢力といっていますが、それについて事実上、議論が行われないんですね。これをやると陰謀論だと言われて、みんな逃げちゃうと。保守系の人もほとんど逃げるんですが、これは議論をシャットアウトする煙幕みたいなもので、これでは世界の理解が進まないんですね。

だから、敢えて私は今日、いい機会なので、篠原さんとそういう問題も含めて議論してみたいと思うんですが。ユダヤ系が結局、ソ連が崩壊して改めてロシアの実権を握ったと。それに対して、彼らの手からロシアをロシア人の手に取り戻したのがプーチン大統領なんですね。

ということは今、トランプ大統領がディープステートの手から自分たちの手に、つまりアメリカのピープルの手にアメリカの政治を取り戻そうとしているのと同じ構図なんです。これが今の世界情勢を理解する上での基本というかABCだと思っているんですけどね。

これができないというのが、今の日本だけではありませんが、残念な気がしてならないんですね。そういうことで、私はこのプーチン大統領が今、直面している国内的な政敵は誰かと言うとロシアの中のユダヤロビーだと。

トランプ大統領も同じように、アメリカの中のユダヤロビー、ユダヤロビーといっても正確にはグローバリストのユダヤロビーですが、と対決しているという構図ですね。そういう構図に、奇しくもロシアもアメリカも同じ問題に直面しているという思いでならないんですけど、篠原さんはどういうふうにご覧になっていますか?」

篠原常一郎「私は前々から、トランプ大統領が登場した当初は、プーチンさんとの親和性が高いって言われているのは、そういうことが背景にあるから、その当時から見えていたわけですよね。僕もユダヤってものを陰謀論で語っていいかというと、そうじゃなくて、例えば僕はウクライナの紛争のことを、いろんな通信ね、僕もちょっとだけロシア語をかじってますし、いろんな外信を見てですね、リアルタイムで見たものをレポートで書いたりもしてたんですよね。必ずですね、局面局面で、大きなことが起こる時に例えばユダヤの勢力が明確に支援してるんですね。お金を出す。あと、極端なときはユダヤ人のネオナチ組織みたいなものがありまして、それをウクライナに義勇兵として参加してるっていう、客観的な報道で、日本では誰も報道しないですけどね、ウクライナの報道には出てくるわけですよ。実名も出してね。

そういうのを見ていると、同時進行でイラク・シリアとISILというね、一種、非国家的な国家というか国家組織、地域制圧型の組織ができてくる。だから従来の国家の枠を超えたそういうものがますます前面に出て、いろんな紛争を操るようになったなんてのは、国際的な情勢分析をするなかでぶつかっている問題です。」

馬渕睦夫「今、非常に重要なことを指摘されて、ISILとおっしゃいましたが、我々が一般にイスラム国と理解している過激派集団ですね。(中略)これは昔、共産ゲリラが国家を枠を超えて活躍していたのと同じ構図なんです。なぜかというと背後にいる人は同じ仲間だからですね。だからISILの背後にいる人、イスラム国の背後にいる人、それを作って、裏から資金援助したり武器を支援したりしている人と、その共産ゲリラっていうか民族解放運動ですね。それを支援した人は基本的に同じ。

かつても国家の枠を超えたそういう運動があって、今も国家の枠を超えたそういう運動があるわけですね。それでウクライナ危機について言及していただきましたけれども、今のウクライナ危機が終わった時に、私は大使をやめておりましたが、結局ウクライナでどういうことが行われてきたかというと、その10年前に、今回の危機の10年前(2004年)にオレンジ革命というのがあって、これは民主化運動だとしか我々は教えられておりませんですけれども、私も現地に行ってよくわかりましたが、これはアメリカのネオコンがやったんですね。

なぜアメリカのネオコンがやったかというと、まさにネオコンというのは国家を超えた存在なんですが、その背後にいたのがあのジョージ・ソロスなんですね。ジョージ・ソロスと亡くなりましたけれど、アメリカ共和党のマケインが組んでやってたようなもので、そういうことは公になっているんです、現地とかでは。ところが日本ではそう言わないわけですね。報道がされないわけです。」

篠原常一郎「僕も驚いたんですけどね。それまさにレポートする時に使ったんですよね。向こうの現地ではもう、現在のウクライナ政権に連なる幹部たちが、みんなマケインだのジョージ・ソロスだのと直接会ったり、連絡をして話し合っているシーンまでも残っているわけですよね。記念写真まで撮っているわけで。それについて日本では誰も、地上波でも普通の新聞でも取り上げてくれない。私はどっちかというと政府系の本に書いてたんですけどね。

政府がそういう情報を知らないのはまずいなと思ったんで、日本語の記事で二回にわけて書いたんですけど。まるっきり現地にいって堂々と活動しているわけですよね。マケインにしてもね。それからヌーランドですよね。国務次官補のヌーランドね。

彼女なんかデモの最中にキャンディー配って歩いているんですよ。そんなことまでがっちり写真撮られていてですね、それは陰謀論じゃ片付かないんですよ。まさに陰謀そのものなんですよ。」

馬渕睦夫「陰謀そのものをやってましてね。その時に、そのヌーランドっていうアメリカの国務省のロシア・ウクライナ担当の女性ですけど、ネオコンの女性ですよ、ちなみに。当時のアメリカの大使がね、パイアットっていう男なんですが、これがヌーランドと電話してね、デモの最中に電話しているわけです。『次の政権はヤツェニュクにしよう』とかね。人事まで話してその通りになっている。

これはだから、ネオコンが演出したネオコンデモでなくして何であろうかということでしょ?でもそれはね、日本の場合、どのメディアも言えない。産経新聞も言えないんですよ。(中略)私は正論(雑誌)に頼まれてそういう趣旨を書いたらね、最初、ボツになったんです。正論のウクライナ特集を読んでみると私だけですよ、そういうことを言ったら。

他はみんなアメリカのメディアが言っている通りにやっているわけです。民主化デモでありね、いかにヤヌコビッチが悪かったかということしか書いていない。そういう状況なんですね。

だから我々は本当に真実を知るということだけでもね、日本の安全保障に実は寄与しているんだけども、それが今、そういう意味では目隠しされている状況にあるっていうことはね、コロナウイルス問題も含めて、もう一度我々はね、心する必要があるんだろうという気がします。」

篠原常一郎「お時間もあるんで、ウクライナの話がでたからね、もう少し詳しく言いたいんですけど、こっちにもウクライナの方がいらして色んな話をしていただくと、お互いにいろんなことを言い合えるわけですけど、そういうウクライナの人の言うことを言いなりに聞いている人は、ウクライナという国があって、ウクライナ人の国で、一枚岩で単一民族しかいないかのような認識でいてね。僕からしたら、僕は昔からロシアとかウクライナとソビエトの問題やってきてるから、そういう認識じゃないんだけど、世間の認識はそうじゃないですからね。

ウクライナ可哀想だと、ロシアの侵略を受けてね。こうやって無防備になったら、日本もいつかロシアに食われちゃうぞみたいな話になるんだけど、ウクライナでヤヌコビッチが失脚して、今に連なる政権になってくるっていうのは、ウクライナ国民がどういう形でも選択したらしょうがないんだけど、まず大臣でも、クリミアがね、ああいう形になる。あるいはドンバスね、東部ウクライナがああなるっていうのは、第一の失政ですよね。右派政権ができた時に、ロシア語の公用語からの排除ということを言い出してから、大紛争が起こるわけですよね。

僕はウクライナ人の友達もいますよ。でもウクライナ語を話せる友達ってあまりいないんです。それは、あんた偏っているって言われるんだけど、ロシア語しかできないウクライナ人もいるわけですよね。ロシア系ってわけでもないんですよ。もちろんロシア系の住民で、両方のパスポート持って日本に住んでる人もいますよ。時によって使い分けているわけです。

でもその人達の何人か、東部ウクライナに住んでいる人たちが言うのが、もうウクライナの政府軍が自分の故郷に向かって砲弾を打ち込んだ時、私はもうウクライナという国から心が離れたんだっていいますよね。それが本質だと思うんですよ、僕は。

ウクライナっていう国が孕んでいるモザイク国家状況っていうものをね、まるっきり無視して、話が広げられているってことに対して、日本国民はもうちょっと本当のことに目を向けて耳を傾けてやらないと誤るなと思います。」

馬渕睦夫「たまたまウクライナの深いお話されたんで、フォローしますと、そもそも2014年の2月に事実上クーデターでヤヌコビッチ政権を倒して暫定政権ができて、その後、ポロシェンコ政権になったわけですけど、ポロシェンコはロシアとの関係をなんとか改善しようとしたんですよ。ところがそれを邪魔したのは誰かと言うとジョージ・ソロスなんですね。

これは時系列で見るとよくわかるんですが、私の本を別に改めて宣伝するわけじゃないんですけど、この『2017年 世界最終戦争の正体』の中に、その後の2015年以降のウクライナの状況を詳しく書いています。

簡単に言えば、今また再開されましたけれど、四者合意で停戦合意ができるんですね。ドンバスでの。ところがそれができるとネオコンが、ソロスなんかが猛反発するわけですよ。2015年の2月12日にプーチンとポロシェンコ、それからフランスのオランドとドイツのメルケルの四者で停戦合意ができたと。東部のね。ところがそのすぐ後に何が起こったかと言うと、ロシアでボリス・ネムツォフという元副首相がクレムリンの近くで暗殺されるんですよ。

これでプーチン大統領が二週間くらい雲隠れするんです。この時に異変説が流れたんですが、3月の15日だと記憶してますけど、テレビに現れて、ロシアが核戦略の臨戦態勢をとるかどうかの検討を命じたという発言をして、世界がびっくりしてるんですけど、その後、4月1日になってジョージ・ソロスがニューヨーク・タイムスに寄稿して「我々はもう負けた」って言ってるんですよね。何を負けたんだっていうと、このウクライナ危機をソロス主導でやったんだけど、こんな停戦合意ができたら、ウクライナの民主化は失敗したんだと。

アメリカもEUもウクライナに軍事支援すべきだと、ロシアと戦えるようにそういうことを言うわけですよ。これでもう改めてジョージ・ソロスが何を考えていたかわかるわけですね。ウクライナの人はここで気づかなきゃいけなかったんです。ウクライナの方は利用されただけなんですよ。利用されちゃって、国土をめちゃくちゃにされたわけです。

彼らは別にウクライナが大切だからやったんじゃないですね。彼らのターゲットはプーチンなんですよ。プーチンをなんとかね、ウクライナ紛争に引き込んでプーチンに反撃しようと。そのためにウクライナは使われたんだと思うんですよね。」

篠原常一郎「逆にあれですよね、プーチンの対応を見ると常にウクライナの問題から距離を置こうと、そういう対応ですよね。」

馬渕睦夫「それが逆にね、日本ではプーチンがウクライナを侵略したことになっている。でもね、プーチンが好き嫌いに関わらず、それは事実に反するということだ。プーチン大統領は受け身なんですよ。そこにロシア人が、前々回おっしゃったようにオデッサの虐殺があったんですけれども、にもかかわらず、軍事介入はしなかったんですよ。それは自制しているんですね。

国家の枠を超えた軍事集団というか、それが今、民営化された戦争をやっているわけです。東ウクライナも結局、ウクライナの傭兵。それからロシアの傭兵ですよね。傭兵同士で戦っているんですよ。国家の正規の軍隊がやっているんじゃないってことを理解しておく必要がある。」

篠原常一郎「不幸なんですよね。東部ウクライナの紛争は、ウクライナの今の政権側が支配している地域の人にも、ドンバスのロシア側の統治下にある人にも連絡取れるようにして、色々意見を聞いているんですけど、両方で言えるのは、外からも来てるんでね、住民が巻き込まれているってことなんですよね。お互い砲撃する地域には、住民が住んでいる地域でしかありえないんで、子どもたちやお年寄りがかなり犠牲になっていると。この問題、誰か本当に停めてほしいって言うんだけども、誰も介入しようとしないんですよね。」

馬渕睦夫「それは私兵とか傭兵がやっているからね。政府軍も抑えられないし。今回も一応合意されたことになってますけども、四者合意も結局停戦合意が守られないというのは、国家を超えた、そういう人たちが実際現地で戦闘しているからね。そういう状況にあるということはね、我々が理解しておかなきゃいけないわけですね。

もう一つ付け加えますとイーゴリ・コロモイスキーという男がいてね(1963年生まれ。ウクライナ最大の産業・金融グループPrivatの創設者。ユダヤ系オリガルヒであり政治活動家。ウクライナ3位の資産家)、ドニプロペトロウシクの州知事をやっていましたが、それは勧誘されたんですけどね、彼はどういう人かというと、イスラエルの国籍も持っているんですけど、キプロスとウクライナの三重国籍者であって、ウクライナ第3の大富豪。

それが東部の中心地帯の知事をやって、何をやってきたかというと、私兵を使う、つまり自分の武装集団を持ってたんですね。アゾフ(Azov)という。それがロシア人を虐殺していたわけですよ。そういうことをやっている人が知事なわけですよね。」

篠原常一郎「アゾフ大隊っていうのは、僕も今も映像で覚えています。旗はハーケンクロイツですよ。ナチスの旗を(使っている)。ヘルメットにもハーケンクロイツがついて、鉤十字ですよ。ナチスの。そういう部隊でしたよ。」

馬渕睦夫「視聴者のみなさんも意外に思われたかもしれないですけども、コロモイスキーはユダヤ系なんですね。それがユダヤ系を虐殺したというナチスのハーケンクロイツの旗を振りながら、東ウクライナでロシア人を虐殺しているっていうのがウクライナ危機の真実なんですね。」

篠原常一郎「僕は、ユダヤの世直しってのにショックを受けましたけど、ロシア系住民の集団虐殺で遺体が掘り出されたのも随分あって、あれOSCEね、欧州安全保障協力機構がちゃんと立ち会ってやって、彼らが認定して、これは本当に虐殺だって言っているのに日本の記者は誰も報道しないんですよ。あれは僕は驚きましたね。(略)」

馬渕睦夫「日本のメディアは、だいたいアメリカのメディアの孫引きが多いですからね。それで理解しているウクライナ情勢、あるいはプーチン像とは全く実際は違うということを理解していただきたいと思うんですね。プーチンの味方をしろとか好きになれと押し付けるわけではありませんけど、我々は国際政治を客観的に見る基礎を養っていかなければならないんだということですね。

だから、メディアだけ見ていたら、もう知らないうちに洗脳されているという状況なんです。」

以下略。

馬渕・篠原両氏の対談は、ひとりがたり#37から始まっていて、他にもあります。最初は↓。

コメント

  1. […] 馬渕睦夫氏と篠原常一郎氏が語る、ウクライナ事情の報道されない側面 […]