現在、決算発表シーズンでいろいろな企業の決算を見て、買いたい株も増えているが、本気では買えていない。なぜなら、コロナウイルスによる日本経済爆死があってもおかしくないと思っているからだ。
新型コロナウイルスは致死率こそそれほど高くないと言われているものの、感染力が強く、一旦病気になるとしばらく身動きがとれなくなる。
現状、コロナウイルスに罹患しているのかどうか、迅速に調べることができるキットは無いし、通常の風邪だと勘違いされているケースも相当あるだろうから、日本在住の人のうち、本当にどれくらいの人数が感染しているのかよくわかっていない。
コロナウイルスにかかっても、すぐに具合が悪くなるようではないので、しばらくは動き回れるし、仮に家に蟄居していたとしても、家人を通して、外部に感染が広がるので、現時点において相当数の患者がいるのではないだろうか?
また、中国人旅行者の入国を拒否していないことから、コロナウイルスの本場の中国から、新たな病人がやって来て、日本での罹患者増加に貢献しているはずである。
仮に2月1日時点で、感染者が日本に30人いて、その30人が10日連続で、一日0.5人に感染させていった場合、感染者数は次のようになる(感染して10日経過すると入院するなどして、感染を止めると仮定する)。
2月22日には13万人が感染する計算になる。
これは素人が適当に計算しただけの数字だが、プロが計算したところ、最悪のシナリオでは人類の3分の2が感染するそうだから、必ずしも現実離れしていないだろう。
新型コロナウイルス、世界の3分の2が感染する可能性も-専門家
現実に、日本においてどのように感染者数が増加しているのかは現状わからない。中国では多数の都市で人々の移動の自由を制限して、感染者数の拡大を阻止しようとしているが、今の日本では(マスクなどをしているとはいえ)人は自由に行動している。
当初、政府や賢い人たちが言うには、新型肺炎は恐れられすぎていて、リスクを過大に見積もられているとされてきた。
しかし、日が経つにつれて、後出しのように新型肺炎について、悪い情報が出ているのである。
以下は、福島香織さんのメルマガ(2月10日分)からの引用だが、
・当初:人人感染の証拠はない→現在:人人感染はある
・当初:感染源は華南海鮮市場で売られている野生動物→現在:最初の感染例は市場と関係ない。
・当初:感染はコントロールできている→現在:感染はコントロールできておらず、すでにコントロールできるタイミングは逸している。現場は医療崩壊を起こしている。・当初:感染ルートは飛沫感染のみ。濃厚接触しなければ感染しない。→現在:エアロゾル感染、消化器感染、指などを経由した結膜感染に注意。空間中のウイルスの生存期間は5日以上と長く、ドアノブやエレベーターのボタン、清潔でないトイレ、加湿器や空気清浄機などを通じての感染の可能性に注意が呼びかけられている。
・当初:症状がでないと感染しない。→現在:潜伏期が最大2週間と長く、症状が出ない場合もあるが、その期間も感染する。
・当初:症状の特徴は肺炎症状。高齢者や既往症者が重篤化するのであって、若者、健常者に死者はない。→現在:健康な壮年者にも死亡例が出ている。いったん症状が改善したのち、急激に重症化したり、心不全、多臓器不全で亡くなるケースも報告されている。また症状の出ていない一見健常者が、突然の心不全で倒れるケースが各省で報告されている。感染による抗体ができず、再感染のリスクに注意が呼びかけられている。肺炎症状だけでなく、下痢など消化器症状、結膜炎症状が初期症状のケースもある。
・当初:武漢のウイルスラボからの流出説はデマである。→現在:否定できる証拠も肯定できる証拠も出ていない。
識者が語っていた言説は、後からどんどん悪い方にひっくり返されているのである。
最悪の場合、都市部においてはスーパーや病院に行く場合以外、人が外出しなくなるという事態もありうるのではないだろうか。
当然、コンサートやイベントはすべて中止。遊園地等はすべて休園。飲食店も休業。観光客は中国からを除いてゼロ。工場も稼働停止。企業への出社も見送られる。学校は休み。電車やバスは大幅に本数減。
といった極端な事態もないとは言えない状況だ。
これでは到底、株を本気で買うのは無理である。
せめて中国からの外国人入国をすべて阻止してほしいが、同じように思う人は首相官邸に意見を送ってほしい。
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
最初に悲観的に見積もって、後から制限を解除すればいいのになぜしないのだろうか?
米国など、多くの国が、中国からの外国人の入国を速攻で封鎖した。
そういった措置は、悲観的に事態を見積もりすぎていて、やりすぎではないかと思う人もいたかもしれないが、新型コロナウイルスに関するリスクの全容が見えていない時点では、安全策を取った方がいいのである。
日本の知識人の一部は、リスクの全容がまだわかっていないにもかかわらず、早い時点でリスクの全容に見切りをつけ、それが結果としてリスクの過小評価につながった。
また、中国やWHOが発表する情報を過度に信頼したことで、結果としてリスクの過小評価につながった面もあっただろう。
安全保障にあっては、リスクの全容がつかめないうちは、リスクを高めに見積もって、厳しい措置をとるのが鉄則なはずだ。
野球の外野の守備だって、フライが飛んできて、まだ球筋の見極めがつかない間は、とりあえず初動で後ろに下がって、後逸の可能性を減らすのである。
後手後手の政府も、「コロナウイルスに対する恐れは過剰だ」とする知識人も、未知のものに対する恐れが足りないのではないだろうか。現在、集まっている情報は不完全なものである可能性を考慮すべきである。