[翻訳記事]トランプが優勢だと考える世論調査会社(トラファルガーグループについて)

The Pollster Who Thinks Trump Is Aheadという記事の抄訳・超訳です。


世論調査の情報まとめサイト「RealClearPolitics」は、大統領選挙に関する世論調査をジョー・バイデンが優勢な州を青字で、ドナルド・トランプが優勢な州を赤字で示している。

しばらくの間、激戦州はほぼ青(民主党)である傾向があった。 Trafalgar Groupが行った世論調査を除いて。

もし、あなたが世論調査の平均だけを堅く信じるなら、これには特別な意味はない。しかし、あなたがTrafalgar Groupの2016年の大統領選挙における成功(他の世論調査会社と違って、ミシガンとペンシルヴァニアでトランプが優勢だと報じていた)を知っているなら、Trafalgar Groupの調査結果は注目に値する。ともかく、一つの世論調査会社が他の世論調査会社と違う結果をなぜ出すのかを知ることは有益だろう。

Cahaly(彼はTrafalgar GroupのChief pollsterである)はジョージアに生まれ、幼少時から政治に親しむ環境にあった。彼は1990年代後半に政治コンサルタント会社を始めた。2008年頃、彼らは彼らが得ている世論調査の情報があまりよくないと気がつき、自分たちで世論調査を行うことに決めた。良好で正確な情報を得られたという。

彼らにとって2016年の大統領選挙がブレイクスルーとなった。Trafalgar Groupはペンシルバニアの結果を当て、ミシガンの結果を当てた。彼らは2016年の選挙における5つの激戦州の結果について、もっとも正確な統計情報を得ていた。(略)

Trafalgar Groupの手法は、いわゆる「社会的望ましさバイアス」に焦点を当てることから成る。Cahalyが言うには、回答者が寄こす回答は、回答者がless judgmentalであるようにデザインされた質問への回答なのだ。Cahalyはこの現象は1980年代には現れていたという。いわゆる「ブラッドリー効果」だ。(略)この現象はトランプ時代において顕著になり、他の世論調査会社が2018年のフロリダ州知事選挙の予想を外した主な理由となっている。

※ブラッドリー効果とは、世論調査の回答者が、自分を良くみせるために本当は投票するつもりのない候補者に投票すると回答し、世論調査と選挙結果が不一致となることに関する理論だ。

Cahalyは言う。「私は回答者が公の場で言いたい事を乗り越えて、本当に感じている事に到達する。なぜなら本当の気持ちが投票結果に表れるからだ」。

Trafalgarの調査方法には、他社と比べて多くの違いがある。

その一つは、調査票の質問の数だ。Cahalyは言う。「私は長い質問票を信用していない。学校がある平日の夜に、父母に電話して、その父母は子供に夕飯を食べさせたり、寝かしつけたりしているわけだが、25から30もある質問に答えるために手を休めてくれるだろうか?それはありえないことだ」。

なぜこれが重要なのかと言えば、長い質問票は、偏ったサンプルを抽出してしまうからだ。とても保守的だったり、とてもリベラルだったり、とても退屈している人だったりする、政治について語るのが大好きな人を多めに抽出してしまう。「しかし選挙に勝つ人は、中間的な人から票を得ている」。

Cahalyによれば、ほとんどの世論調査は25以上の質問から成っている。しかし彼は、質問を7から9にして、回答者が数分で答えられるようにしている。

さらにどのように質問がなされるかについても工夫している。Cahalyは、実際に人間に電話をかけさせて調査を行うのは好きではないと言う。

これは「社会的望ましさバイアス」に陥らせてしまう。主要な世論と一致しない意見を持つ人は、電話の向こう側にいる誰かの裁きにあいたくないと思っている。(略)

だからTrafalgarは、人々に回答してもらう際に、回答者が自分の本音を答えても安全だと感じられるようにいくつかの手法を組み合わせている。「私達は、複数の回答収集方法を使っています。人間による電話、機械による電話、文章、emailなど」。(略)

他の要素として、保守系の意見の持ち主は一般的に世論調査に回答したがらないとCahalyは言う。「保守系の意見の持ち主は、だいたい5分の1が回答を拒否します」。これは、調査を行うに当たって、保守系の正確な世論を得るには努力を要することを意味する。

Trafalgarはリストの作成方法も異なる。Trafalgarが2016年のジョージアとサウスカロライナのプライマリー選挙の調査で気がついたのは、タッチマシーンの使い方を知らない人、過去15年間も投票に来なかった人が投票に来ていたことだ。

(略)

またCahalyはサンプルが少ない調査は使わない。「1000以下のサンプル数で、国に関する調査は行わない。あなた方は、400とか500とか600のサンプル数で作成された国に関する統計を目にするだろうけれども、私はそれは買わない。それらのデータは誤差が大きい。」

Trafalgarはいわゆる重み付けをやめようともしている。伝統的な調査会社が、民主党支持者、共和党支持者の両方から統計を取りたいと考えたとする。共和党支持者は、回答をしたがらないから、必要な統計が集まらないことが多い。そういう場合に不足分を埋め合わせるために伝統的な調査会社は重み付けをしがちだ。

しかし、Cahalyは中立的なサンプルが欲しいなら、重み付けは避けるべきだと言う。

以下すべて略・・。翻訳ここまで。


ともかく、トラファルガーグループは正確な世論データを得るために色々工夫をしているようです。詳細は原文をお読みください。

よく、日本は同調圧力が強くて生きにくいという話を聞くけれども、アメリカだってリベラル寄りでないといけないという同調圧力が強そうで、どっこいどっこいですよね。