多くの国がコロナウイルス対策で、人々に自宅待機を強いている。自宅待機(外出禁止)政策の内容は、国家によって様々だが、仕事に行くための外出も禁止している国が多い。
しかし自宅でできる仕事は限られているし、多くの人は長期間仕事しないで生活できるだけの貯蓄もない。国家が金の無い人のために生活費を配り続けられるわけもない。
であるから、長期の自宅待機政策は、自宅勤務できる人や貯蓄のある人以外を、100%死に近づける。
一方で、コロナウイルスに罹患しても致死率は0.5~2%程度だ。医療インフラ、社会保障の充実度、医療崩壊しているかいないかによって、致死率は変動するが、老人でない世代にとっては致死率が低いことは間違いない。
厚生労働省の資料では、年齢別の致死率、基礎疾患ありの人にとっての致死率は下図のようになっている(中国で取られたデータなので他国では多少変動するかもしれない)。
これを見る限り、現出世代で基礎疾患なしの人は普通に働いたほうがマシだろう。
政府だって、経済活動を禁止しつつ、生活保護費的な援助をし続けるのはキツイに決まっている。その間、税収は落ち込み、支出だけが増え、多くの企業が倒産していくのだ。
であるから、どういう理屈をつけるかわからないが、各国は経済活動のための外出を許可する方向に動くだろう。
例えば、高齢世代と基礎疾患ありの人にのみ自宅待機を続けてもらって、他の年齢の人は通常通り働くことを許可するのではないだろうか。
先日紹介した、中国人と交流の多い国ほど、すでに国民が抗体を持っている説は、国民の生活を通常に戻す、よい理論的バックグランドになるから、積極的に調査がされるだろう。
どういう理屈付けをするかは、国ごとに変わるだろうが、各国の経済活動禁止をともなう外出禁止政策は緩和される方向に動くだろう。一気に100%の経済活動が緩和されなくても、じょじょに緩和されるだろう。4月中、遅くとも5月には大幅に緩和されると私は予想する。
※BCGワクチンがコロナウイルスに対して効果を有しているという主張もあり。もしそうなら、BCGワクチン接種国は規制を緩和できるだろう。
日本のコロナ感染が軽いのは、BCGが原因かもしれない。臨床的な試験も始まっている。印象的なのは、BCG接種を義務づけた国で軽く、義務づけていないイタリアやアメリカで重いこと。 https://t.co/31Cut7cO3Y
— 池田信夫 (@ikedanob) March 27, 2020