丸谷元人氏の会社では戦争前にウクライナに人を送って、現地調査をし、さまざまな人の話を聞いて、一般のニュースでは得られない知見を得たとのこと。松田学氏がユーチューブ番組でゲストに丸谷氏を呼んで、話を聞いている。主要メディアでは得られない情報が得られると思うので、一部を文字起こししてみた。
丸谷元人「(略)プーチン氏の侵略を擁護するわけではないですし、一般のウクライナの国民は本当にかわいそうだなというのがあって、数十万の人が家を失って身内が死んで本当にかわいそうで、同情しかないです。(略)しかし、おっしゃるとおり、両方(ロシアとウクライナ)から見ないといけないということで、純粋に地政学的なところから考えますと、プーチンは今回、領土的野心は無いって言ってましたし、それは間違いはないと思っているんですね。
なぜかというと、ウクライナを占領することなんて、百害あって一利なし。そもそも財政破綻国家ですし、政権が腐敗をやっている。ロシアが占領して、ロシア軍を展開すると、ポーランドなどのNATO諸国と国境を接しないといけない。コストはかかる、兵力は要るわで大変だと。
だから東部の二カ国、ドネツクとルガンスクの共和国を併合すらしないで、独立を認めるというかたちにしたのも、やはり直接ロシア軍が出るんじゃなくて、彼らに武器を与えて戦わせるのが一番いいと。
たとえば、イラク・シリアがイランとイスラエルのバッファゾーンになって、互いに色んな民兵を入れたりして、戦わせている。あの構図と全く同じだと思います。
大東亜戦争前に日本が朝鮮半島を併合して、その先に満州国を作ってみたいなのがありましたけれども、あれも全く同じ考え方なんですね。朝鮮半島を併合してしまったから、もっと先に行かなければいけなくなったというのがあるんですけれども、逆に今みたいに朝鮮半島が38度線で分かれていると、日本に直接脅威が来なくなるというのはあるんですが、ウクライナもロシアにとっては全く同じだったんだろうなという風に思うんですね。(略)
もう一つは、プーチンが「麻薬中毒のネオナチの政権をやっつける」みたいなことを言いましたと。あれは本当にすごくてですね、ウクライナの中にあるネオナチの動きはものすごいことになっている。」
松田学「ゼレンスキーがなんか今、英雄みたいになっちゃってるんですねぇ。世界中が応援し始めちゃったんですけど」
丸谷元人「国民を守るために立ち上がったみたいになってますけど、あの方も本当にネオナチの人たちと仲良かったりしてますし、去年の2月に自分に反対する野党の影響力が強かったテレビ局とか3つ、いきなり閉鎖しちゃったりとかですね。言論の自由もへったくれもないんですね。ですから、全体主義(ロシア)対民主主義(ウクライナ)の戦いみたいに言う人がいますけど、全然民主主義でもなんでもないというか、言論の自由もなくてですね、現地で色んな人に話を聞きましたけれども、ロシアの侵攻に対してほとんどの人が怒っています。それは当然なんです。
かといって、今の政権を信じているかといったら、大体、眉唾という感じで、例えばロシア兵が捕虜になったっていう映像が出てきましたけど、「あんなの嘘だ」って言うウクライナ人もいてびっくりしたくらいでですね、それぐらい信じてないんだなっていうことが感じられました。
今回、そういう事を知らない、ウクライナの政府の中枢にどれだけネオナチがいて、ギャング集団みたいなのがいっぱいいるわけですよね。そういうのを知らないで、今回、70数人の日本人が義勇兵として、行く行かないの話になっていますが。行ったら、向こうで会ったのは筋金入りのネオナチみたいな、アジア人嫌い・ロシア人嫌い・黒人嫌いでですね、『白人が劣等人種をやっつけるんだ』みたいなことを言っているような人ばかりでですね、そういうのをちゃんと知ったほうがいいなと思います。」
松田学「プーチンが虐殺されているロシア系住民、そういう事を言っていることについても、『プーチン頭が狂ったんじゃないか』とか、『ロシアの情報画策だ』とか、そんな話になっていますけども」
丸谷元人「実は、(ロシア系住民の虐殺)は起こっていますし、2014年にオデッサというところで、ロシア系住民の虐殺事件があってですね、ネオナチのグループみたいなのが、ロシア系住民を労働組合の事務所かなんかに放り込んでですね、男性のことは拷問するわ、女性のことは強姦しまくってですね、最後みな閉じ込めてビルごと焼いちゃったと。40人くらい焼き殺したと。で、警察は来ない、目の前にある消防署も反応しないみたいな感じで。
そんな事件があったんですね、それをやったネオナチグループのトップとゼレンスキーはすごく仲がいいですし、去年はその大量殺人をやった人を保釈して、その人をオデッサのその現場の治安当局のトップにしようとしていましたし。遺族達が毎年行う追悼の式典、それをネオナチ達はずっと暴力的に妨害してきた。
そんなの見たら、とてもではないけれど、ちょっと違うぞというのはありますよね。」
松田学「プーチンからしてみれば、自国の安全保障もありますけども、やはりロシア系住民をなんとかしなければいけないということが動機としてはある?」
丸谷元人「あります。(略)」
松田学「最初は自ら兵を出すんじゃなくて、武器を供与して、ロシア系に戦ってもらうという道をやっていたけれども、それだけではすまなくなってきたということなんですかね?」
丸谷元人「今回、私、最初危ないなと思ったのが現地にチーム入れてから、ロシア軍が演習を終えて帰ると言い出した。その後に東部の砲撃戦とか激しくなったんですね。停戦違反が2日で2千件みたいになったんです。これをやっているのは、ウクライナ軍の中にいる極右、いわゆるギャングみたいなのがいるんですよ。その連隊の連中かなとは思いましたね。こうなると、多分、(ロシアは)黙っていられないですしね、民間人の犠牲者が東部の方ではかなり出ていますので、ロシア系住民もやられていますし、当然親ロシア派も武装していますので、やり返しますと。そうしたら応酬になってしまいますよね。
アメリカは今回かなりロシアに戦争させたくて煽ったなと思っているんですけども、その煽りよりも、ロシア軍が演習が終わったと言った後の停戦違反による影響の方がかなり危ないなと思っていたんです。そうしたら案の定戦争になってしまった。」
松田学「そもそもネオナチみたいなのがウクライナではびこっているというのは、どうしてなんですか?」
丸谷元人「歴史もあるんですけども、彼らがどういう連中なのかといいますとアゾフ連隊という名前なんですけど、いまだに東部でも戦っていますし、ヘルメットにナチスの鉤十字を入れたりとか色んなものを着けてるんですね。初代の連隊長(※アンドリー・ビレツキー)というのが2014年から2019年まで、国会議員を務めていた男で、彼は『ウクライナは世界の白人種を率いて、劣等人種に対して十字軍の作戦を行うべきなんだ』と言っている人で、そこは元々親ナチスの土壌があったところなんです。
1941年にナチスがソ連を攻撃した時にオデッサの街で、やはりウクライナ人の過激な民族主義者が立ち上がって、数日のうちに銃とか棍棒とかいろんな物で、4千人のユダヤ人を殺しているんですね。
その男を、今のネオナチが崇めていて、神のように言っているんですね。そういうのがアゾフ連隊を作って、ギャング集団を入れて、内務省の高官の中にも、裸になったら鉤十字をいっぱい入れ墨を入れているようなのばっかりなんですね。なので、そういうのを知っていたら、私はとても義勇兵なんて気持ちにならないですし、ゼレンスキー大統領はそういうのと仲がいいですから、すごい心理戦争というか、世論戦、情報戦。
別にプーチンは天使でもないですけど、悪魔化されすぎて、あまりにステレオタイプな、プロパガンダの王道を行っているような世論戦が今回展開されていて、不気味だなというのがありますね。」
松田学「そういうネオナチの実態というのは、例えば今回、ドイツまでが態度を硬化させてウクライナを助けるとなってますけど、ヨーロッパ近隣諸国とか、そういう方々は知らない?」
丸谷元人「いや、知っています。ウクライナは、アメリカのNationという雑誌が2019年に書いているのが、ウクライナは世界で唯一、正規軍にネオナチの部隊がいるって(書かれている)。アルジャジーラなんかもアゾフ連隊のことを散々書いていますし、イギリスとかアメリカとかカナダの政府なんて、アゾフ連隊とかかわっちゃいけないと決議を出したりしているんですけど、それは必ず後からひっくり返って、軍とか情報機関は彼らを訓練したりとかしてるんですよ、実際に。そういった意味でアメリカの中にもネオナチグループっていますけれども、例えば、アトモアッフェンシダンというのが、変な超過激派思想の。彼らなんて、殺人やってる犯罪者とか、少女を暴行したりとか、そんな奴らばかりなんですけど、彼らがメンバーで一緒に戦っているんですよ。
そういうのが内務省の警察特殊部隊としてしばらく機能していて、今、○○ユニットガード(聞き取れず)というところに入って、今はウクライナの正規軍に編入されていると。そんなのみんな知ってますね。ただ大手のメディアが、今、あえて言わなくて、ホワイトプロパガンダと言いますか、ゼレンスキーは素晴らしくて、国民のために戦っていて、プーチンは悪だっていうね。非常に善悪二元論、勧善懲悪的なものでやっちゃてますけども、ちゃんと向こうのメディアを読んでおけばですね、こういう情報って過去にたくさん記事が出ています。」
松田学「そういうネオナチみたいなのをウクライナの一般市民はどういう(捉え方)?」
丸谷元人「やっぱりウクライナもほとんどの人が普通という感じですけども、一方でこういう犯罪集団みたいなものが権力を握っているので、そこら辺すごく離れているなと今回感じました。政府は建国以来ずっと腐敗を極めている政府でありますから、欧米からお金を貰ったり、ロシアから貰ったり・・。2014年に親露派の、一応選挙で選ばれた大統領がひっくり返りました。ひっくり返ったのも、結局は米英の情報機関とかがお金入れてバックアップして、何十億ドル入れてですね、育て上げたそういったネオナチとかギャング集団が暴れて、それが政権転覆したので、そこら辺も(メディアで)言われないと。
国連高等人権弁務官事務所の2016年の報告書で、アゾフ連隊が民間財産を略奪して、ロシア系住民をドンバス地方で拘束して、一般市民の女性を強姦しまくって、男性なんか拷問しまくってると非難の決議をする文書を出しているわけですよ。
そういうのって普通に出てくるんですけど、日本では報じない。これが出たのが2016年なんですが、2018年の段階でも、アゾフ連隊は首都キエフの秩序を回復するという名目で、パトロール部隊を勝手に作って、ロマ人のコミュニティに対してすさまじい迫害行為をやったりとか。あとLGBTQコミュニティを襲ってボコボコにしたりとか、そんなことばっかりやっているわけですよ。」
松田学「中国がやっているウイグル人弾圧みたいな・・」
丸谷元人「そうですね。やっていることは一緒ですよね。」
松田学「しかもそれを西側諸国はバックアップしていたっていう・・?」
丸谷元人「実際にバックアップしていますね。その右派のセクターのトップとイギリス軍が会って、訓練するというのが去年始まってまして。それはイギリス国防省では発表していないですけど、ウクライナ側が発表しちゃってイギリス国防省が慌てて火消ししたみたいな話もあります。2019年のミスウクライナのきれいなお姉さんが、最近、武器をとって私も戦うみたいな写真が出ていましたが、あれだってアメリカ製の自動小銃ですし、撮影しているのはキャミソールみたいなのを着た真夏の写真なので、かなり前から、写真とか、プロパガンダ用のものを撮って、準備してたんだなと。」
丸谷元人「だからその背後にいるのをちゃんと見ないと、我々自身が間違えてしまう。それが一番危ないなと。」
松田学「西側諸国として見れば、ウクライナの政権をヨーロッパの方を向いている政権にしたいという動機があって、アメリカなんて昔からそういう事をやってきたわけですよね。そういうもので動いているのか、あるいは武器を売却したいとか軍需産業の利権だとか、あるいは特定の民間の利権とか、なにかそういうものに動かされているとか色んな背景がありうるとすれば、どういう事が考えられますかね?」
丸谷元人「今おっしゃった3つすべてあると思っています。まず武器を売りたいのはあると思います。(略)アメリカは今、いわゆる極左、グローバリスト系の政権だと思いますが、あれはウクライナを泥沼化させて、ロシア軍をもっと追い込んで、最終的にプーチンを破壊してロシアの権益を取りたいというのはあると思いますし、実際アゾフ連隊に誰が金を出していたかというと、ウクライナの中のオリガルヒですよね。いわゆる国際金融資本とがっちり組んだ人たちが、しかもユダヤ人が、ユダヤ人の大富豪がお金を出して。なんでユダヤ人がユダヤ人を排斥すると言っていた団体にお金を出すのかというと、わからなくなる人もいるんですけど、実はユダヤ人の中でも2つに分かれていて、アシュケナジー系ユダヤ人とセム系ユダヤ人と分かれていると。
よくよくアゾフ連隊のスローガンを読めば、セムの奴らが率いている劣等人種を抹殺するみたいなことを言っているわけです。ちゃんと分けているんですね。
アゾフ連隊が一昨日(動画の投稿日は2022/3/4)、ロシアのチェチェンの部隊がプーチンと一緒になって、ウクライナに展開すると言った時にですね、アゾフ連隊の連中だと思いますが、国家警備隊の連中が、弾薬に豚のラードを塗って、イスラム教徒の嫌うですね、ラードを塗った弾を込めて、これを使っておまえらを殺してやるみたいな事を言っているというものが出てきましたし、非常に人種差別的ということがわかるんですが、そんなのにどんどん武器を売れば、第二のアフガン戦争、つまりアメリカの軍需産業ってアフガン戦争が終わって、今、お金が無い。だからどこかで泥沼の戦争をやれば、またお金が(入る)。
一方で最終的にはこれを通じて、ロシアのプーチンを引きずり下ろして、親欧米政権をロシアに作ればという事は当然考えているでしょうし、そこに向かおうとしているんじゃないかなと思いますね。」
松田学「今ロシア軍が現時点で見ると、最初予想していたのはイスカンデルかなんか打ち込んで、それであっという間に政権を転覆して、さっさと終わるんじゃないかと見ていた人も多かったと思うんですが、意外と泥沼化してますよね。」
丸谷元人「そうです。(略)既にイスラエルの特殊部隊とか欧米系の民間軍事会社とかはもう入っていると言われていますし、続々と入ってるんだと思いますね。アゾフ連隊もそもそも22カ国から何千人と集まっているんですね。それって2015年のミンスク合意の、外国人戦闘員を入れちゃいけないという協定に違反しているわけですけども、それでもバンバン入れていると。そうしたものを入れて、通信とか監視とかの情報を与えれば、ある程度戦えると。
しかも外では経済封鎖をやっているし・・(略)
もう一つ不思議なのがフェイスブックは、アゾフ連隊を賞賛する投稿は禁止しないと言ったんですよ。これインターセプトという雑誌が報じてますけども(略)、フェイスブックでは例えばワクチンのことをちょっとでも懐疑的に書くとすぐシャットアウトするんですよね(笑)。あとISとかの連中が持っているアカウントはツイッターもそうですけど、何万もあって、全くシャットダウンしないんですよ。こういうところが彼らのAIの能力が低いのか、それとも他に理由があるのかというところかなと思ってますね」
松田学「そういう大きな流れの中で、プーチンの立場に立ってみたら、やらざるを得なかったという・・」
丸谷元人「そうでしょうね。これはセンシティブな問題なので、おまえはプーチンの肩を持っているなんて勘違いされたら困るんですけど、(略)いきなり(プーチンの)精神がおかしくなって、頭がおかしくなってしまったんだとか、そういう幼稚な話ではないと。」
以下、略。
詳しくは動画をごらんください。
コメント
[…] 丸谷元人氏が語るウクライナのネオナチ事情、アゾフ連隊 […]