ツイッターでShortShort Newsが紹介していたPeter St Onge氏の動画が面白かったので文字起こし。1ドル140円で円換算額を付記した。
2023年8月4日の動画から。
Onge教授「米国債の津波がやってくる
数日前、フィッチが我々の浪費王を格下げする直前、財務省は借り入れを計画していると発表した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙はその借入額を「目を見張るような額」と形容した。
今後3ヶ月だけで1兆ドル(140兆円)、六ヶ月で1兆8,500億ドル(259兆円)という見積もりだ。
いずれもわずか2ヶ月前の財務省の見積もりより40~50%多い。この見積もりは債務上限引き上げ前のことで、財務省は軽く帳簿をごまかしていたのかもしれない。
イギリスのバークレイズ銀行は1.85兆ドルを「米国債の津波」と呼んでいる。
一方、新しい数字によれば、6月の連邦政府支出は前年同月比18%増の6,460億ドル(90兆円)だった。これは年換算で8兆ドル(1,120兆円)に相当し連邦政府歳入のほぼ2倍にあたる。一方6月の税収は9%減の4,180億ドル(58.5兆円)にとどまった。
6月だけで2,280億ドル(32兆円)の赤字となり、これは1日あたり約70億ドル(9,800億円)の新負債の発生となる。これらをあわせると、財政赤字はすでに昨年の170%増となり、さらに急増することになる。
問題は誰がこの眼を見張るような額の米国債を買うのかということだ。最近、日本の金融政策と中国経済の減速が、米国債の主な買い手の2者を売り手に変える可能性があることを述べた。両者は合わせておよそ2兆ドル(280兆円)を保有している。
一方、FRBは5兆ドル(700兆円)の国債をロールオフしている。ロールオフとは国債を期限切れにし、新たな国債は購入しないという意味だ。毎月300億ドル(4.2兆円)、9月には倍の600億ドル(8.4兆円)の規模になると予想されている。
米国債の主な買い手3者が売り手となった場合、1.85兆ドルの米国債を誰が買うのだろうか?
中国はBRICSプロジェクトの一環として、また開発銀行として、各国を米ドルから引き離すために賄賂を送り忙しくしている。
最後の砦は民間投資家であるが、民間投資家が米国債の購入を増やすと、理論的には実体経済(企業、家計、住宅所有者)の財源となるはずだった資金を流出させてしまう。
では次に何がおきるのか?
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、昨年の英国で起きたような事態が起きることを懸念する専門家の意見を紹介している。英国債への不安が高まり、英国債の利回りが2ヶ月で140%も急騰し、英国債の価格が暴落した。その結果、銀行や大手年金基金までもが倒産の危機にさらされた。英ポンドは急落し、わずか数ヶ月で対ドル価値が24%下落した。
(中略)
これから起こる連邦債務の大津波は、国債利払いを押し上げる。国債利払いはすでに年間1兆ドル(140兆円)、今回のサプライズの前でも1.6兆ドル(224兆円)に達する勢いだ。
最悪の場合、英国式のパニックが起こり、利回りが急騰して米国債が暴落し、さらに多くの銀行や年金基金までもが破綻の危機の俎上に載せられることになる。
Onge教授「米国債の津波がやってくる」 https://t.co/ThrhE8tBID pic.twitter.com/EEtl5GQblJ
— ShortShort News (@ShortShort_News) August 5, 2023