おすすめの怪談作家を紹介します

昔から怪談が好きだった。しかし今から約20年前は、怪談本といっても、稲川淳二や桜金造などの芸能人名義のものくらいしかなかった。

そうした状況を変えたのが、木原浩勝と中村市朗の新耳袋シリーズ(1998年~)で、これ以降怪談というジャンルの立場が上がったと思う。

今では、怪談専門で文章を発表する怪談作家であったり、怪談を語ることを生業にする怪談師であったりと、怪談に携わる人が増え、怪談本も大量に出版されている。その多くが竹書房のもので、kindle unlimittedになっており、無料で読むことができる。

暇にあかせて、そこそこの数の怪談本を読んだので、この記事ではおすすめの怪談作家を紹介していきたい。先に紹介している作家ほどおすすめ度が上である。

朱雀門出(すざくもんいづる)

朱雀門氏は本業が研究者のようで、大学に勤務している関西の人である。脳釘怪談(のうていかいだん)が面白い。ユーチューブチャンネルあり。語り口が柔らかく知性と温かみを感じる。

福澤徹三

本業は小説家。九州北部出身。ヤクザ、アウトロー、落ちこぼれを主人公にした作品が多い。福澤氏の怪談本はたくさんあるが、なかでもキテるのが忌談シリーズ。これは幽霊に限らず、アウトローの人たちなどが成した凄惨な怖い話も含めていて、読んでいて寒々しくなる。

吾妻俊樹

短歌でデビューした人で、文章がうまい。映像が鮮やかに思い浮かぶような筆致。話自体も印象的。神奈川出身。

川奈まり子

元AV女優。東京都出身。かなり文芸寄りで、歴史随筆的な怪談や純文学私小説風の怪談もある。まわりくどいのが嫌いな人にはおすすめではないが、全体的に高品質。

木原浩勝

兵庫県出身。99話集めた九十九怪談は、数が多いだけあって、薄い話も多い。隣の怪シリーズがおすすめ。

小田イ輔

怪談作家。安定した面白さ。

夜馬裕

怪談作家。面白い。

牛抱せん夏

怪談師。長野県出身。怪談師兼女優。全体的に高い水準。

中山市朗

兵庫県出身。

匠平

怪談師。北海道出身。文筆活動の人ではないので文章の水準は普通だが、話の内容はリアリティあり。

ギンティ小林

東京都出身。本業は映画系ライター。怪談作家ではないが、新耳袋が取り扱った怪談スポットに実際に取材に行ったDVD「新耳袋 殴り込み」の活字本があり、それがなかなかおもしろい。