アラブ首長国連邦の国営ファンドで投資マネージャーをしていたという林則行氏の2022年7月の著作「世界が大不況でも資産を増やせるって本当ですか?」が面白かったので紹介したい。
林氏は近々、政治・経済の激変が来ると予想している。
なぜそのような激変が起こるかは著作を読んでいただくとして、その結果、どのような事が起こるか、林氏の予想を列記すると、
- 株価下落率 60~80%
- インフレ(金利の上昇) 7~50%
- 失業率 10~30%
- 経済縮小幅 2~20%
- 国債暴落
- 国債デフォルトなら、健全な国(中国、ロシアなど)の通貨に対して円の価値が半分になる
- 国債の暴落などによって金融機関(銀行、証券、保険)が多数破綻(国債非保有のところは大丈夫)
- 銀行預金の半分はカットされる
- 給与実質半減(賃下げとインフレ)
- 年金 少なくとも3割カット
- 生活保護費支給減額
- 治安悪化、強盗増加、自殺増加
- 日本がこのような事態になっている時は、G7の他の国もひどい状況になっているので、G7は週末に一斉に倒産を発表する。
米国は持っているはずのゴールドの現物を持っていない
他に重要な指摘として、林氏はアメリカの中央銀行が保有しているはずのゴールド8,000トン以上は、既に売り払われていて保有されていないと書いている。日本もアメリカに800トン預けているが、これも当然無い。
ゴールドの価格を1グラム9,400円とし、アメリカが不正に売り払ったゴールドを1万トンとすると94兆円分が無いということになる。
※近年、中露などのグローバルサウス勢力が金本位制的な通貨制度を構築しようとしているのは、このアメリカの嘘(ゴールドの現物を実は持っていない)を暴いて、アメリカの信用を毀損する狙いもあるのだと一部の投資家は囁いている・・。
こうした米国の詐欺は株価下落が契機となって暴かれ、ダウが2万ドルを割ったあたりから発覚するのではないかと林氏は指摘している。
ちなみに林氏はゴールドの価格が1オンス7,000ドルまで行くことを予想している(「伝説のファンドマネジャーが教える 図解 株の暴落サインを見抜く方法」2021年)。円に換算すると1グラム33,762円(1ドル150円換算)である。
林氏の主張に対する感想、今はちょうど危機の入り口
私は林氏の主張に賛同だ。
林氏の著作には、金融危機がいつ来るかははっきりと書かれていないが、私はちょうど今が危機の入り口、一合目だと思う。11月、12月、来年と株価は大幅下落すると予想する。そして林氏が主張するような出来事が2024年から2025年にかけて起こると考える。
しかし非常に予測しやすいかたちで暴落がやってきているので、逆に儲けるチャンスでもある。株価は大幅に下がるはずだ。日経は25,000円を割る。2024年中に20,000円割れもありうる。アメリカの金利はもっと上がる。ゴールドも上がる。これからの1年は空売りが儲かる時期だろう。
国際情勢は中露印などを中心とした勢力に覇権が移る。アメリカはワンオブゼムになる。国際金融資本は影響力が下がる。LGBTやSDGsのような戯言を言う連中は減っていく。
↓林氏の著作にはいろいろな資産防衛策が書かれているので一読を勧める。
※「世界が大不況でも資産を増やせるって本当ですか?」は2022年6月刊行だが、林則行氏は2021年2月に「伝説のファンドマネジャーが教える 図解 株の暴落サインを見抜く方法」という本も出していて、内容はかなり似ている。前者の方が読みやすい。